さまよう刃のドラマレビュー・感想・評価
私も自分のために怒ってくれる人が欲しかった
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この映画を見て、私自身が過去に受けた心の傷がフラッシュバックし、観ている間ずっと涙が止まりませんでした。特に性的な暴力のシーンでは、過呼吸になるほどでした。過去に受けた心の傷は、何年経っても消えないのだと改めて感じました。
加害者が何事もなかったかのように生きていると思うと、本当にやるせない気持ちになります。だからこそ、せめてドラマの中だけでも、主人公の父親が復讐を成し遂げてくれたらと願ってしまいました。この胸糞悪い、モヤモヤする結末は、現実の理不尽さを突きつけてくるようで、とてもつらかったです。
この作品は、娘を惨殺された父親の復讐を通して、今の社会や法律の矛盾を痛烈に描いています。少年法に守られる加害者と、復讐という形で裁きを下そうとする父親との間にある、どうしようもないほどの理不尽さがテーマです。
この映画の核心は、石田ゆり子さんが言った「殺しても罪になる人とならない人の違いは?」という言葉に集約されていると思います。法律が市民を守るのではなく、法律そのものを守るという姿勢。それに対し、市民が主人公に協力する姿は、法律と私たちが考える正義の間にある深い溝を浮き彫りにしています。
この救いのない結末は、私たちが当たり前だと思っている社会のルールや正義について、深く考えさせる重いテーマを投げかけています。
Netflixで観ました。
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