【推しの子】

原作漫画とは別物で考えて観れば楽しめます。
ドラマ用の改変やアレンジの仕方は話数考えれば悪くないです。
B小町を演じたキャスト、楽曲はとてもクオリティ高く良かったです。

良い芸術作品は、いろいろに二次創作を生むもので、私はクラシック音楽の人なのでそういうのが当たり前と思っている。殆ど元のままのものも良いし、とんでもなく変えてしまうのも良い。
この実写版は、漫画原作と、先行した（ほぼ原作踏襲の）アニメをよく咀嚼し、かつ大胆な変更を施し、二次元から浮き立った三次元の人物たちが、実に生き生きと新しい世界を作ってくれた。
特に有馬かな役の原菜乃華が素晴らしく、
（以下、ネタバレと言う程ではないと思われるが、心配な方はここでストップ。）
この作品の軸が主人公である星野アクアの復讐譚一本だけではなく、アクアが復讐と関係ない、若者として当たり前の（有馬たちとの）楽しい青春を送れた、はずだった、という線もしっかり打ち出せていた。有馬が復讐にほぼ全く関与しない局外者であり続けた、にもかかわらずメインヒロインであった、というのが本作品の非常に独特な筋であるので、有馬役が貧弱では成り立たなかったドラマである。