実在の事件に着想を得て、不動産売買を餌に巨額の金を騙し取る詐欺師集団・地面師たちを描いた新庄耕によるクライムノベル「地面師たち」を、映像ディレクターの大根仁が映像化。綾野剛と豊川悦司が主演した。
原題：地面師たち
製作国：日本
豊川悦司が久しぶりにすごくいい。理知的なので破滅的で、こういうトヨエツが見たかった。冒頭、いきなりクマに襲われるところから始まるとは思わなかったが、地面師稼業を金だけでなく、スリルを求めてやっていることを示すやり方としては、常套手段ではあるが、ありか。要するに、この男は退屈しているわけだ。人間にとって退屈は大敵であるので、ヤバい人間なんだけど、どこか共感してしまう。暇と退屈を回避するためなら、人間とはどんな迷惑もかけしまう生き物ではないかと思う。『暇と退屈の倫理学』を読んで僕はそう思った。
第一話、若い司法書士と本人確認をするくだりのスリルはなかなかのもの。あのおじいさんをなりすましに選んだのは、トヨエツいわく「リアリティ」だが、本当にリアリティだけだったのか、やっぱりスリルを味わうためにあの記憶力の良くないおじいさんを選んでるのではないか。単なる金儲け目的の悪党ではない深みが第一話から出ていた。彼は悪党なのだが、どこか惹かれて共感を覚えてしまうのは、やっぱり人間は退屈することを恐れるからだろう。そういう人間の性みたいなものがきちんと描けていた作品だった。
めっちゃドキドキしてストーリーに引き込まれました。
原作は続編があると知って、続きが早く知りたくてこちらも一気読みしました。
ぜひ、ドラマもシリーズ化して欲しいです。
テンポの良さに軽妙なストーリーと台詞回しに気持ちを昂らせるBGMであっという間に観てしまう。
コンプライアンスを意識しすぎた為に極めて不自然な箇所も散見されるが、そこを差し引いてもとても魅力的なクライムサスペンスになっている。
１０億、１００億近くのお金を数少ない数人で大企業を騙すというスケールがすごくて驚いた。
綾野剛の演技力、豊川悦司の演技がすごかった。
ハリソン山中は妙に落ち着いていて敬語でやることがエグイのが怖かった。
地面師たちを鑑賞し気になったので実際に事件のモデルの積水ハウス地面師詐欺事件の土地を見に行ったらタワマンが建っていた。
