不適切にもほどがある!のドラマレビュー・感想・評価

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採点 未評価

3.0 個人的に「神の子はつぶやく」にはかなわない作品

大阪マフさん
2025年12月2日
iPhoneアプリから投稿

 「あまちゃん」で尾美としのりと薬師丸ひろ子が共演したシーンは「翔んだカップル」を連想させる面白みがあるが、この映画が公開されて6年後の昭和61年に高校生の小川純子がハマっているシーンには違和感を感じる。「翔んだカップル」のVHSを小道具として小川家に置くか純子がテレビで見ているシーンでもあれば、まだいいんだが。クドカンは「翔んだカップル」が好きなんだね。
 映画では実績のある河合優実が一躍有名になったスケバン小川純子は確かにいつもは父親の市郎を痛めつけるのに実は親子の情を持っているのは見せ場といっていい。しかし河合優実がテレビドラマ初出演でTBSのスタッフが見て純子役をオファーした「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(通称「かぞかぞ」)は文字通り岸本七実の家族の話(七実とは高校からの腐れ縁で母親が売っているマルチ販売の水を自分でも持ち歩いて売っているので「マルチ」と呼ばれている役の福地桃子もいい演技をしている)なので「ふてほど」の小川親子の世界と似通っている。「かぞかぞ」の舞台が神戸と東京なのを逆にしたのが「ふてほど」に見える。「かぞかぞ」を見たのは地上波で放送された時だが「ふてほど」が始まる2ヶ月前に本放送で見た「神の子はつぶやく」も家族の話だ。河合優実が演じたヒロインの木下遥が母親からカルト教団の教義を叩き込まれたのに父親の死をきっかけに家出してキャバ嬢を経てSMクラブの緊縛師に縄で縛られるのを見ていたので純子が男と抱き合ったベッドの布団を市郎が剥ぐと完全着衣なので白けてしまう。いくら「ふてほど」が河合優実の「シンデレラストーリーの頂点」のように言われていても個人的に「神の子はつぶやく」の持つ迫力には到底かなわない。今までは中尾幸世が主演の一連のドラマが最高のドラマだと思っていたが本放送で「神の子はつぶやく」を見た時には誰が演じているかは覚えなかったヒロイン役が「かぞかぞ」を見て河合優実だと知ってからは「神の子はつぶやく」が最高のドラマだと思っている。

大阪マフ
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