ディスクレーマー 夏の沈黙のドラマレビュー・感想・評価

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採点 未評価

5.0 覚悟して、前知識なく観てほしい。いや、あらゆる視点から老若男女全人類観るべき

とぽとぽさん
2025年10月13日
Androidアプリから投稿

沈黙は家族のため。声を上げてクレーム(主張)するほうが正しいとは限らない。
往々にして被害者の方が声を上げられないことが多いのだから、声にならない(できない)心に秘めた声をかき消さないで、耳を傾けること。無責任な母親から全く違ったものが見えてくる『羅生門』『怪物』。想像を絶する恐怖に遭いながら、それを自らの中に押し殺して"主張しない"ことは、どれほど苦しいことだろう…。

"ひどい女"
映画界の女性進出・男女平等などの問題に主体的に取り組み牽引するケイト・ブランシェット姐さんの作品選びやスタンスが、名匠アルフォンソ・キュアロンと組んだ本作で遺憾無く発揮されているし、浮浪者ルックで復讐の鬼と化すもう一人の主人公ケヴィン・クラインの熱演も一見の価値あり。

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"変態"
2話目まで全容が見えないまま、ミステリーから心理サスペンスへ。唯一わかることは、オシャレな照明がたくさん置いてあるってことだけだ!

"ひどい女"
運命という悪魔が扉を叩いた、"見事なフィクション"。
若キャサリンのゲーム照れて笑っちゃった。「カイリー」って言葉がめっちゃエロさ帯びていくの何?ファンタジー過ぎ。今のところ釈明のしようが無い、セックス・ヨーダによる夏の誘惑だけど…?

"爆弾投下"
復習の鬼と化した、浮浪者みたいなケヴィン・クラインの爆弾投下ムーブ
本人からの聞き取りもろくにせず決めてかかってはすぐスマホ向けて上げる同僚どものクソムーブ、あんな会社で働いてたまるか。落ちるところまで落ちる。そして、猫。

違う現実が見えてくる。今まで時間をかけて見せられてきたのが、まさかの相手側の妄想から一方的に描かれたものとは!そこでやっとハッと気づいた。そう考えると3話目はバカらしかった。与えられたものをそのまま信じる先入観に、自分の盲目さを呪った。あんなバカげた展開を、見せられるがままに笑いながら真に受けていた自分が恥ずかしくなったし、こういう人々がいるから同じことが起こり得てしまうのだと省みた。
にしても、エレベーターに乗った瞬間に、手当てされたばっかりの額のテープを剥がすのが悪役じみていておもしろかった。

"彼だけは嫌!"
親は我が子がレイプ犯だなんて思わない(思いたくない)。納得しない。最後の展開は、警察呼んだらダメだったのだろうか?
微笑みかけたら誘ったことになるのか?それで、何されても自分に非があるのか?セカンドレイプやネットタトゥー。なぜ愛する人を信じてやれなかったのか?話も聞かずに決めつけて締め出したのか。
想像を絶する恐怖に直面した中、話すことが躊躇われて、わからなくて強張って、被害者なのに罪の意識に苛まれて…。あなた(男ども)は私が他の男から快楽を得るより、レイプされたほうが安心・納得できる。

とぽとぽ
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