アンチヒーローのドラマレビュー・感想・評価
長谷川博己がはまり役
法では裁けない悪を裁く、というプロットはエンタメの定番の一つ。このドラマでは、それを実行するのが、かつて自分自身が体制側にいて、法で裁けない悪の片棒を担いだ人物である点が、ポイントになっている。
自分のせいで、冤罪によって死刑判決を受けた人を救い出すために、違法スレスレのやり方で弁護活動をする男が主人公。しかも、本来なら無実にしてはいけない人をも無実にしていき、検察上層部の巨悪を追い詰めていく。二転三転するプロットで毎週飽きさせない脚本も良かったが、やはりキャスティングがいい。長谷川博己のうさんくさい感じが、「一体、この男は正義なのか悪なのか」と視聴者にわからなくさせる。対する実直そうな若手弁護士の北村拓海が少しずつ長谷川博己に感化されていくのも、スリルがある。
一見無関係な事件が線でつながり、大きな野望を描き出すさまが、回を重ねるごとにわかるようになってきて、それが緊迫感とカタルシスを生み出していく。4人態勢で書いた脚本は、なかなかに巧みに練られていたと思う。
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