ドラマレビュー

3.0ホラーではなく、余命僅かな若者たちの愛と友情の物語

エスさん
2022年11月12日
PCから投稿

毎話、クラブのメンバーが創作の怖い話を披露するパートとメンバーが過ごすホスピスのパートで話が進行する。
創作話の登場人物が、イメージドラマとしてホスピスの人物と同じ=同じ俳優なのが面白い。3話のケヴィンの話で創作とはいえ、ダスティとシーラが良い感じになった展開に茶々入れるメンバーには笑った。

原作がクリストファー・パイクのYA(ヤングアダルト)小説なので、暗く重くなり過ぎず、ミッドナイト・クラブの若者達がホスピスの謎に迫る展開を中心に、病への偏見や生と死に対してのメッセージ性もあって悲壮感が薄い。余命短い設定だと日本は同情や悲恋の感動話にしがちだけどそうしてないのも良い。

最終話まで観た感想は、観る前に思っていたオカルトや超常現象ホラーがメインの作品イメージとは違って、謎多きホスピスを舞台に、不治の病にかかった若者たちが生とは何かを考え、自分や仲間の死と向き合っていく姿が描かれた愛と友情の物語だった。あくまでS1だけではという意味で(S2はまだどうなるか分からない)。

毎夜ミッドナイト・クラブで語られる話は語り部の願望や心理を盛り込んでいるが基本作り話なので、そこから大きく何かは起きない(例えば作り話が現実になるとか)。なので、S1ではホラーな演出も作り話もメインではなく、メインはやはり死へ近づいていく若者たちのドラマだと思う。

エス
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