プリズン・ブレイク シーズン2 : インタビュー
ウェントワース・ミラー、ウィリアム・フィクナー、ドミニク・パーセル、ロバート・ネッパーへ直撃インタビュー。
アメリカ中の服役囚からもファンレターが届く人気
■ウェントワース・ミラー(マイケル・スコフィールド)
刑務所の設計図を図案化したタトゥを上半身に彫り込み、無実の罪を着せられた兄リンカーンを見事に脱獄させたマイケル。演じるウェントワース・ミラーの端正な美貌ににじむ苦悩の表情が母性本能をくすぐると女性ファンが急増する傍ら、アメリカ中の服役囚からもファン・レターが舞い込んでいるという人気ぶりだ。
「有名になると演技以外のことを期待されるのがわかった。トーク番組ではユーモアのある応答をしなきゃならないし、番組のPR活動では外交官や政治家的な役割りも果たす必要がある。こういう経験はチャレンジだったし、人間として、そしてビジネスマンとしても強くなれたと思う」
脱獄という目的を果たしたマイケルだが、逃亡ドラマとなる第2シーズンはどういう展開になるのだろうか?
「前半はメキシコへの逃亡資金を手に入れるための葛藤が軸となる。マイケルたちはFBIに追われつつ、ユタ州に埋められていた500万ドルを掘り出そうとするんだけど、ティーバッグたちもそれを狙う。後半は父親アルドと再会した兄弟が陰謀を暴くために巨悪に立ち向かうという展開になる。兄弟の目的意識が大きく変化するんだ」
ミラーが演じるマイケルも当然、新たな一面を見せることになる。そのひとつとなるのは、頭脳明晰なFBI捜査官マホーンとの対決だ。互いの弱点を付く頭脳ゲームが物語にスリリングな妙味を加える。
「第1シーズンのマイケルの武器は知性だった。刑務所内でいちばん賢い人間として脱走計画を慎重に進めていったんだ。マホーンはそのマイケルに匹敵する存在で、マイケルのダーク・サイドの象徴でもある。コインの裏表のような関係だから、違う状況であれば友人になれるんだけど、現状では互いに殺し合わなきゃ終わりそうもない。そうなったら悲しいけどね。ビル(フィクナー)は、ちょっと怖いんだ。マホーンに脅されるシーンでは僕が威圧されるんだけど、恐怖感が自然に生まれていたよ」
ところで、気になるのが女医サラとの関係だ。脱獄の手助けをした罪悪感から自殺をはかった彼女は一命を取り止めるだけでなく、マイケルと謎の組織“ザ・カンパニー”との戦いの重要な鍵を握る存在となる。
「サラの生き方、モラル感、彼女が支持する思想や感覚に僕個人として感動を覚えるよ。実際にサラのような女性と付き合えたら素晴しいんじゃないかとも思うけど、ドラマのマイケルとサラの関係は残念ながらそんなに簡単じゃないんだな。第1シーズンでも製作側は2人がキスしたり、抱き合うシーンを追加しようとしたんだけど、僕は『2人はまだそういう状態じゃない』と反対したんだ。サラとの関係がどうなるかも楽しみにしてほしいな」
仕事中毒を自認し、「24時間マイケルのことを考えている」と語ってくれたミラー。美術や音楽の鑑賞も読書もすべて役作りに生かすという彼の努力の結果、第2シーズンはさらに面白さを増している。
(山縣みどり)