LOST シーズン6 : インタビュー
■エミリー・デ・レイビン(クレア)「飛行機のTVで『LOST』が視聴できるのを見て愕然としたわ」
※多少ネタバレあり
――あなたはオーストラリア出身で、シドニー・ロサンゼルス間を飛行機で移動することも多いと思うのですが、オーシャニック航空のように墜落するんじゃないかという恐怖を覚えたことはありませんか?
「幸いにも、まだ飛行機嫌いにはなってないわ(笑)。ただ、数年前にロンドンに向かう飛行機のTVで、『LOST』の第1話が視聴できるようになっていたの。それを見たときは愕然としたわ。“飛行機事故のエピソードを見ながら、どうやって機上でリラックスできるのかしら!”って。周囲の人たちにも忠告してあげようと思ったくらいよ(笑)」
――クレアはシーズン4を最後に出番がありませんでしたが、シーズン6からは復活するのですね。
「うん。シーズン4が終わったときに、シーズン5では出番がないと知らされたの。『LOST』を4年やってきたあとでのお休みだったので、絶好のタイミングだった。それで、1年半の休暇のあいだに6つもの作品に出演させてもらうことができた。私にとってみれば、最高の状況だったわ。新しいことに挑戦するときには、常に不安がつきまとうものだけど、シーズン6で『LOST』に復帰できることが分かっていたから、心置きなく演技に打ち込むことができた。そして、完全にリフレッシュした状態で、『LOST』に戻ってきたの」
――シーズン5の放送はご覧になっていたんですか?
「ううん。クレアはシーズン5で描かれた出来事を知らない設定だから、私も知らないままでいたほうがいいと思って、あえて放送を見てないの。ただ、シーズン6が進むうちに、シーズン5での話題が出てくるので、少しずつ状況を把握しているけど」
――クレアといえば、最初の数話は台詞がほとんどなく、若い妊婦というだけの存在でしたが、その後の変化をどう思いますか?
「いまでも覚えているんだけど、パイロット版の撮影前に、制作陣に“クレアってどんなキャラクターなの?”って聞いたのね。そうしたら、“ぼくらにも分からない”と言われて(笑)」
――本当ですか(笑)
「それで、仕方がないから、自分なりに役作りをして演じたの。その私の演じる姿をみて、制作陣がインスピレーションを受けて、クレアのバックストーリーを作り上げていってくれた。過去数シーズン、クレアの過去についてよく分からないまま演技をしてきたわけだけど、最終シーズンとなった現在では、ようやくクレアのことを理解したうえで演技できるようになったわ」
――今シーズンで「LOST」は終了となりますが、ファンが納得するエンディングになると思いますか?
「実は私もそれが心配なの。キャラクターがこれほどたくさんいるのに、すべての物語を1シーズンでまとめあげるなんて不可能だと思うから。ある程度、解釈の余地を残す形でのエンディングになると思うけれど、それでも、満足感を与えなくてはいけない。いったいどうやってそんな神業をやってのけるのかしら。まさか、ラストでみんなが爆発に巻き込まれて死亡っていう風にならなきゃいいけど(笑)」
――クレアに関してはどういう結末を期待しますか?
「やっぱり、クレアがアーロンと再会できたら素晴らしいと思う。でも、いまアーロンには、彼の面倒をみてくれる人がいる。だから、単純なハッピーエンドは期待できないんじゃないかな」
(小西未来)