江南Bサイドのドラマレビュー・感想・評価

韓国ソウルの江南と言えば、日本の六本木のようなところというイメージだ。芸能関係の人が多く立ち寄り、夜のクラブがたくさんある繁華街というか。そういう華やかなイメージが「Aサイド」だとすれば、このドラマが描くドラッグがはびこり、暴力が支配する側面は「Bサイド」ということか。六本木も実際表向きのイメージとは別の薄暗いイメージがあるように、この作品はそういう街の暗部をえぐり取ろうとする。
1人の女性の失踪事件をめぐって、落ちぶれたが娘の親友を探すために捜査に加わる中年刑事、闇社会で名を馳せるブローカー、人気芸能人のクラブオーナー、検察などが跋扈し血で血を洗う闘争を繰り広げる。かなり暴力描写がえげつなくて、このあたりの描写は韓国ドラマは本当に容赦ない。主役の刑事は、『ナルコの神』でいぶし銀な活躍を見せていたチョ・ウジン。これまで名バイプレイヤーっぽい感じだったが、今回は主役。その演技力の高さを見せてくれる。韓国のドラマ・映画界は、こういう渋いおじさん俳優の層が厚い。