水原弘 : ウィキペディア(Wikipedia)

水原 弘(みずはら ひろし、1935年(昭和10年)11月1日 - 1978年(昭和53年)7月5日)は、日本の歌手・俳優である。愛称は「おミズ」。東京府東京市深川区(現在の東京都江東区)出身。東京都立赤坂高等学校商業科卒業。

概要

マナセプロダクションに在籍していたが、一時期、渡辺プロダクションに所属。井上ひろし、かまやつひろしとのトリオで「三人ひろし」と呼ばれていた(ただし水原の持ち味は当時の「ロカビリー・アイドル」としては全く異質であったため、後に守屋浩と交代する)。

村松友視がその生涯をまとめた評伝を書き下ろしている(『黒い花びら』村松友視、河出書房新社、2005年)。

略歴

デビュー曲「黒い花びら」で第1回日本レコード大賞

東京都立赤坂高等学校2年の時に、文化放送主催の『素人ジャズ喉自慢』に優勝。その後活動していたジャズ喫茶で渡邊美佐にスカウトされ、芸能界入り。

1957年(昭和32年)ダニー飯田とパラダイス・キングに初代ヴォーカルとして参加するが、翌年には脱退。 昭和33年水原弘とブルーソックスを結成。メンバーには森山加代子ジェリー藤尾がいた。

1959年(昭和34年)、東京芝浦電気(現・東芝)の音楽レコード事業部の東芝レコード後の東芝音楽工業→東芝EMI→EMIミュージック・ジャパンを経て、現在のユニバーサルミュージックLLC。から「黒い花びら」(作詞:永六輔・作曲:中村八大)でレコード・デビュー。夏木陽介主演の東宝映画『青春を賭けろ』に歌手役で出演。「黒い花びら」は発売初年に30万枚、総合計57万枚という当時としては大ヒット作となった。ちなみに最初のマネージャーは渡邊美佐の妹、曲直瀬信子だった。

またこの年から始まった第1回日本レコード大賞を「黒い花びら」で受賞水原は1959年デビューの新人歌手で受賞の為、第1回レコード大賞は「新人賞」を設けなかった。。新人デビュー年の大賞受賞は現在においても水原が唯一である。また第10回NHK紅白歌合戦に初出場その後第12回まで連続出場したが、第13回以降第17回まで落選となる。。その後も3年連続で紅白に出場を果たし、独特の甘い“低音”で一世を風靡した。そして20代の女性たちに多大な人気があった。

1960年代前半より各社の映画作品への出演が増え、現代劇作品の主役や時代劇作品の準主役級の役をこなし、多くの人気俳優と共演。共演した俳優から高い評価を得ている。東宝映画『皆殺しの歌、拳銃よさらば』で主役を演じた際には、仲代達矢に「この主役の演技ができるのは水原弘だけだ。」と褒められたというエピソードが残っている。

放蕩三昧の日々により一時低迷

この頃から取り巻きを引き連れて夜の街を豪遊し、「業界屈指の酒豪」と呼ばれるようになった。「水代わりにレミーマルタン」との逸話が残るほど、日常的な酒浸りや莫大な金額のギャンブルに加えて、所謂高利貸しや闇金融からの多額の借金を抱え、不遇な時代を送る。また、デビュー直後から水原を支え長く婚約状態だった女性が居たが、結局結婚には至らず離別している。

1965年3月10日、警視庁による「錦政会」(のちの稲川会の前身となった組織)に対する第一次頂上作戦に絡んで、横浜市港北区にある綱島温泉の旅館「石水亭」が捜索を受ける。旅館経営者や賭博開帳関係者が逮捕される中、前年5月に行われた花札賭博に水原が関与、50万円を巻き上げられた事が発覚。事情聴取を受ける事態となる。この事で事実上の芸能界追放となり、ここから2年間は表舞台から遠ざかる一方で、借金返済に苦しめられる日々となる。

「君こそわが命」で“奇跡のカムバック”

1967年(昭和42年)、この当時マネージャーを務めた長良じゅんの奔走などにより、2月、佳川ヨコとの競作で「君こそわが命」(作詞:川内康範・作曲:猪俣公章)をリリース。その歌唱力と売り上げで佳川を圧倒し大ヒット。“奇跡のカムバック”と称され、同年末に第9回日本レコード大賞・歌唱賞を受賞。第18回NHK紅白歌合戦へも6年ぶり・4回目の復帰出場を達成する。その後も活躍は続けていたものの、相変わらず酒に溺れる日々は続き、次第に病気がちになっていった。

1970年(昭和45年)、アース製薬のエアゾール式殺虫剤『ハイアース』のテレビCMに由美かおるとともに出演。水原を起用した同商品のホーロー看板も造られ、全国津々浦々に設置された。カムバックから3年が経過したこの時期、再び放蕩三昧の生活に舞い戻る。膨れ上がる借金で取立人に追われながら、クラブ、キャバレーの地方営業や様々な仕事を昼夜を問わず、休む間もなくこなさざるを得なくなった。このCM出演も、その最中で起用されたものであった。

1973年(昭和48年)、第24回NHK紅白歌合戦に通算10回目の出場を果たす。1971年(昭和46年)の第22回同様「トリ前」を務め、代表曲「君こそわが命」(紅白では通算3回目)を歌唱した。しかし水原自身、この同年・第24回紅白が生涯最後の出場と成る。翌1974年(昭和49年)の第25回は再び落選し、以降も紅白への復活は果たせなかった。また当年夏ごろには3億5000万円もの借金を抱えていたという。

晩年・42歳で死去

1977年(昭和52年)1月12日、巡業先の金沢市で体調不良を訴え緊急入院。すでにアルコール依存症からくる影響で肝臓は正常に機能しなくなっており、黄疸や腹水の症状も起こしていた。新宿の朝日生命成人病研究所附属病院に2月末まで入院加療し、一旦退院するが同年6月末まで自宅静養に専念する。

同年7月から仕事に復帰したものの、アルコール性の急性肝炎から慢性肝炎に移行、肝硬変を発症しており、度々極度の貧血などの症状で倒れるなど、もはや極めて深刻な状況を迎えていた。医師から「このままの生活を続けたら1年以内の命」と警告されるも、莫大な借金返済のため、金融業者は満身創痍の水原を、ときにランクの低い歌手より安いギャラでも、「馬車馬のように」全国を営業させた。

それでも水原は、酒を手放すことはなかった。医師から飲酒を厳しく禁じられるも、水原はストレスに耐えかね、「これぐらいなら」とワインを隠れて飲んでいたという。この最晩年期、服用していた薬の副作用で顔に吹き出物が目立つようになり、それを隠すように口髭をたくわえ始めていた。

1978年(昭和53年)6月24日未明、北九州市小倉北区の宿泊先「ホテルニュー田川(現・アートホテル小倉ニュータガワ)」の客室トイレで大量に吐血し、瀕死の状態だったところをホテルで食事をとっていて遅れたマネージャー美山淳に発見される。同市戸畑区の健和総合病院(現・戸畑けんわ病院)に救急搬送されるも、既に血液の1/3が失われていた。その後一時は意識が回復し、憔悴する美山に「馬鹿野郎、俺は死なねーよ」と話しかけるなど小康状態を見せるが、既に内臓のあちこちから出血がみられ、実質的には手がつけられない状況だった。それでも水原は歌を諦めず、再度「奇跡のカムバック」を目指していたという。

だが水原の願いは届かぬまま、再び意識不明の重体に陥り、吐血から11日後の同年7月5日未明、同院で肝硬変の重症化による食道静脈瘤破裂のため死去。42歳没。残った借金は当時の額で9000万円とも言われる。

1999年(平成11年)、「大衆音楽の殿堂」(財団法人古賀政男音楽文化振興財団運営)顕彰歌手に選ばれた。

作品

シングル

+発売日品番タイトル作詞   作曲   編曲備考
1959年7月下旬臨発JP-1070A黒い花びら永六輔       中村八大A面は第1回日本レコード大賞受賞(この年は新人にして大賞を受賞したため、新人賞は設けられなかった)。永六輔&中村八大(六・八)コンビによる第1号作品。三連符のロッカバラードがオリジナルの歌謡曲として聴かれる歌になって登場したのもこれが最初。“黒い”シリーズ第1弾シングル。東宝映画『青春を賭けろ』挿入歌。
B青春を賭けろ東宝映画『青春を賭けろ』主題歌。
1959年11月 中旬臨発JP-1090A黒い落葉永六輔       中村八大“黒い”シリーズ第2弾シングル。
B黄昏のビギン永六輔中村八大
1960年2月臨発JP-1135A別離水島哲       中村八大東宝映画『別離の歌』主題歌(水原主演、共演は高島忠夫、水野久美)。
B黒い貝殻永六輔東宝映画『別離の歌』挿入歌で“黒い”シリーズ第3弾。”黒い”シリーズの中では最も評価されませんでしたが永六輔氏は一番自信を持っていた作品でした。
1960年5月下旬臨発JSP-7002Aキサス・キサス・キサスOsvaldo FarrésOsvaldo Farrés  内藤法美演奏:内藤法美&東芝オールスターズ   ※訳詞者 不詳
BカチートConsuelo VelazquezConsuelo Velazquez演奏:内藤法美&東芝オールスターズ   ※訳詞者 不詳
1960年6月中旬臨発JP-1159A暗い慕情大藪春彦       中村八大水原主演の東宝映画『みな殺しの歌より 拳銃よさらば!』主題歌。
Bこの青さ、この若さ永六輔東宝映画『高原に鐘は鳴る』主題歌。
1960年8月下旬臨発JP-1204Aさすらいの唄呉正恭二宮久男岩井直溥
B恋のカクテル永六輔       中村八大東宝映画『黒い花びら』主題歌。
1960年11月臨発JP-1218A星の下の瞳永六輔       中村八大ハワイアンテイストのアイドル的歌謡曲
B夜の渚水島哲ダニー飯田中村八大
1960年11月1日JP-5044Bホワイト・クリスマス訳詩:永六輔バーリン長洲忠彦A面は、森山加代子「ジングル・ベル」。演奏:ブルーソックス+ストリングス
1960年11月1日JP-5045Aブルー・クリスマス訳詩:水原弘ヘイズ・ジョンソン長洲忠彦エルヴィス・プレスリーの名唱で知られるバラード・ナンバー。B面は、森山加代子「飛んで来たサンタクロース」。演奏:ブルーソックス+ストリングス
1961年5月JP-1261A裏町人生島田磐也阿部武雄中村八大上原敏・結城道子による1937年のヒット曲のカバー。B面は、津川洋一の「人生航海」のカップリング。島田磐也作詞生活30年記念作品。コーラス:ローヤル・ナイツ
1961年5月JP-1267A禁じられた恋のボレロA.&M.Rahbany訳詞:漣健児     A.&M.Rahbany宮川泰フィルム・シンフォニック・オーケストラ、ファルーのカヴァー。アルジェリア動乱に咲いた恋をテーマにした。牧村旬子他との競作になったが、水原盤が圧勝した。演奏:渡辺晋とシックス・ジョーズ+ストリングス
B涙が燃える原由紀       原六朗
1961年9月臨発JP-1309Aある慕情Sweet William訳詞:ホセしばさきジョーンズ岩井直薄演奏:東芝オール・スターズ
B哀愁のテーマTheme of the lonely訳詞:漣健児ペレツ中村八大
1961年9月臨発JP-1330A男一匹旅がらす島田磬也      中村八大大映映画『黒い三度笠』主題歌。
B黒い三度笠青島幸男
1961年11月JP-1306A俺も独りさ松井由利夫      広瀬健次郎
Bいいなづけ        原六朗近藤進演奏:高見健三とミッドナイト・サンズ・オーケストラ
1961年12月JP-1315A白い花の咲く頃寺尾智沙田村しげる小野崎孝輔1950年の岡本敦郎のカヴァー曲
Bヤツ            平岡精二演奏:平岡精二クインテット+ストリングス
1962年1月上旬臨発JP-1356A月曜日の男持統院丈太郎PD:飯島敬      沢田駿吾TBS『月曜日の男』(主演:JJこと持統院丈太郎役:待田京介)主題歌。演奏:高見健三とミッドナイト・サンズ・オーケストラ
B夜のサキソフォン東逸平      倉知輝
1962年2月JP-1338Aおやすみなさい             平岡精二演奏:平岡精二クインテット  デューク・エイセス
Bギターを手にすると        平岡精二小野崎孝輔演奏:高見健三とミッドナイト・サンズ・オーケストラ
1962年3月臨発JP-1380A             平岡精二東宝映画「若者たちの夜と昼」主題歌映画音楽監督:平岡精二演奏:ブルーソックス・オーケストラ
Bお前だけが             平岡精二
1962年5月JP-1374A哀愁原六朗         原田良一
B月影のハーモニカ             原六朗ハーモニカ:森本恵夫
1962年7月10日臨発JP-5126A夜の慕情Hans Fritz訳詞:渡舟人Otto Borgmannオットー・ボルグマン小林郁夫コンチネンタル・タンゴの代表的作品「夜のタンゴ」
Bモスコーの夜は更けてV.Soloviev Sedoy訳詞:漣健児M.Mathsovsky多くの実力派がカヴァーしている名曲
1962年9月JP-1436A恋の約束呉 正恭二宮久男小野崎孝輔
B一人ぼっちの夜呉 正恭二宮久男小野崎孝輔
1962年10月JP-1452A星に歌う青春高月ことば        大文字丈太郎
B        津田昭小野崎孝輔
1962年12月5日JP-5163A忘れ得ぬ慕情A Token of Love訳詞:三田恭次W.カイマン小野崎孝輔
B夜霧に泣くブルースKarin's Theme訳詞:三田恭次S.アップルバーム
1963年2月JP-5179A悲しき兵士の物語THEME FROM BALLAD OF A SOLDIER三田恭次フランクル小野崎孝輔
Bシルヴァー・ムーン SILVER MOON漣健児フェルツ
1963年2月20日臨発JP-5194AいとしのロンリーハートDear Lonely  Heart     B.ハーレイ訳詞:三田恭次E.J.アントン小野崎孝輔
B悲恋の掟Basta Cosiセルジオ・エンドリゴ訳詞:漣健児セルジオ・エンドリゴ岩井直薄
1963年3月5日JP-1522A素晴らしい人生竹内伸光         中村八大明るい曲調の1曲。自身のコンサートでもオープニングやエンディングにもなった。
B野良犬の歌
1963年6月JP-1549A黒い旅鴉竹内伸光         中村八大
B水にうつりし月永六輔
1963年8月JP-1573A夜の哀愁くるみ広彰くるみ敏弘小野崎孝輔
B風に歌おう永六輔         中村八大NHK-TV「夢であいましょう」より。
1963年10月JP-1616A男なら西岡水朗草笛圭三小野崎孝輔
B俺とお前が三田恭次         小野崎孝輔
1964年3月TR-1024A夜霧のブルース島田磬也大久保徳二郎小野崎孝輔
B上海ブルース
1965年5月TR-1042A波止場ブルース島田磬也大久保徳二郎小野崎孝輔
B雨のデイト島田磬也        大久保徳二郎
1964年5月TR-1066A恋と云うものは三田恭次ミッキー・カーティス鈴木邦彦ミッキー・カーティス藤家虹二B面は、島リエ「あきらめて」とのカップリング。演奏:藤家虹二オール・スターズ島リエとのデュエット曲
1964年6月TR-1060A或る雨の午後島田磐也大久保徳二郎小野崎孝輔
B素浪人ぶし大久保徳二郎
1964年11月TP-1001Aど根性一代十二村哲勝新太郎        大久保徳二郎勝新太郎の台詞入り。東芝レコード・ステレオ・シングルの第1回発売作品。
B男の人生島田磬也
1965年2月TP-1035A枯あし船頭唄十二村哲        大久保徳二郎
B怒涛一代
1965年7月TP-1094A銀座川志賀大介        いずみたく
B裏町ぐらし
1965年9月TP-1119Aぐちも涙も忘れよう三田恭次白崎まさし        大久保徳二郎
B波止場無宿十二村哲
1965年12月TP-1163Aあきらめ節橋本忍大久保徳二郎小野崎孝輔NETテレビ『悪の紋章』主題歌。
B涙に弱い俺なんだ志賀大介
1966年3月5日TP-1234A人情小唄斉藤次男松井由利夫(補作)        吉野達弥
B浮雲の唄松井由利夫         大沢浄二
1966年5月5日TP-1279A幸せをはここに         大橋節夫小野崎孝輔
B夜霧の別れ志賀大介        大久保徳二郎
1966年9月TP-1326Aおんなの子守唄吉田央高原哲藤家虹二
B恋ぐろう沢ノ井千江児中村泰士小野崎孝輔
1967年1月TP-1390A君こそわが命川内康範猪俣公章小野崎孝輔第9回日本レコード大賞歌唱賞受賞。週刊アサヒ芸能連載  川内康範原作『君こそわが命』より。
B沈黙のブルース
1967年5月TP-1470A君を愛して川内和子松尾安巳小野崎孝輔
B燃える朝日放送『愛の装飾』主題歌。
1967年11月5日TP-1555A愛の渚        浜口庫之助小野崎孝輔“ひとりG.S.”的なアレンジ。
Bスイッチョ小唄韓国歌謡調を取り入れた曲。
1967年12月25日TP-1578A好きと云ってよ丹古晴己大本恭敬小野崎孝輔
Bおしえてほしい白野隆一
1968年4月10日TP-2008A愛の芽ばえなかにし礼平尾昌晃小野崎孝輔
B七月の子守唄
1968年7月TP-2028A可愛い奴有馬三恵子鈴木淳小野崎孝輔有馬・鈴木夫妻の作品。
B哀しい恋
1968年9月21日TP-2064A慟哭のブルース川内康範曽根幸明森岡賢一郎週刊女性連載 川内康範原作『慟哭』より。
B恋情三住令二荒木圭男
1969年3月5日TP-2133Aこころ泣き丹古晴己         鈴木邦彦
Bさよならは言えないなかにし礼
1969年5月1日TC-1131A忍びのテーマ李春子大本恭敬川口真フジテレビ系アニメ『忍風カムイ外伝』主題歌。B面は、デューク・エイセス「白いつばめ」。
1969年7月1日TP-2176A恋のかげろう山口あかり大本恭敬荒木圭男
B恋に切なく山口洋子イマムラたかしコーラス:スリー・シンガーズ
1969年10月1日TP-2196A女の爪あと西沢爽         猪俣公章
B流れ花
1970年4月TP-2266A流れびとの詩丘たくみ大本恭敬黒木走男
B丹下左膳の唄NETテレビ『丹下左膳』主題歌。みすず児童合唱団
1970年9月5日TP-2329Aへんな女        浜口庫之助小谷充この年2月に発売・大ヒットした左卜全の『老人と子供のポルカ』の路線に近いテイストのシニカルなナンセンス・ソング。歌詞の中に、“へんな唄歌う、へんな男・水原弘”が登場する(コーラスの子供たちが、歌の合間に水原の名前を呼ぶ)。
B泣くときゃひとり山口洋子浜口庫之助小杉仁三
1971年1月TP-2363Aからだの中を風が吹く下田偉咲夫下田偉咲夫小谷充日活映画『関東流れ者』挿入歌。第1回ポピュラーソングコンテストグランプリ曲
B可愛い女西沢爽大本恭敬小野崎孝輔
1971年3月5日TP-2390A愛々ブルース川内康範曾根幸明森岡賢一郎
B明日は何処かへ小野崎孝輔
1971年6月TP-2463A風来坊仁義伊吹とおる原田みのる春見俊介第3回古賀賞受賞作品。
B流転藤田まさと阿部武雄小野崎孝輔
1971年8月TP-2497Aこんど生れてくる時は        浜口庫之助小杉仁三東芝児童合唱団
Bあゝこの恋は
1971年11月25日TP-2567A隠密大作戦鳥居実大本恭敬小野崎孝輔NTV系連続テレビドラマ「弥次喜多隠密道中」主題歌。
Bかなしみの詩
1971年12月TP-2592A二度目の恋        浜口庫之助小杉仁三
Bいつ咲く恋の花
1972年3月5日TP-2620Aお嫁に行くんだね         林保明一ノ瀬義孝NHK『あなたのメロディー』1971年度最優秀曲。
Bマリアの愛川内康範曾根幸明小野崎孝輔第1回東京音楽祭国内大会(1972年5月13日)入賞曲。
1972年8月5日TP-2702A永遠の愛片桐和子Sunny Conwell小野崎孝輔
B遅すぎた恋
1973年2月5日TP-2800A雪国志摩美之平尾昌晃竜崎路路川端康成の「雪国」をモチーフにしている。デビュー15周年記念歌。
Bこころのブルース
1973年6月TP-2867A自由の旗の下に川内康範遠藤実斉藤恒夫
Bこころに太陽抱きながら鈴木邦彦青木望
1973年9月TP-2918A祭りの夜は恋の夜        浜口庫之助小杉仁三
B青空
1974年5月5日TP-20008A港はまだ遠い吉田旺浜圭介竜崎孝路最後のシングル。
Bかもめの宿

アルバム

  • 水原弘 ラテンを歌う(JPO-1040)
  • 黒い花びら(JPO-1050)
  • おミズと加代ちゃんのクリスマス・イブ(JPO-1161)※森山加代子との共演盤
  • 魅惑の声 第1集~水原弘 ヒット・ソング集(JPO-1108)
  • 黒田節~水原弘民謡を歌う(JPO-3023)
  • 魅惑の声 第2集~水原弘 ザ・ビッグ・ヒット・パレード集(JPO-1158)
  • おミズ再びラテンを歌う(JPO-3025)
  • 魅惑の声 第3集~水原弘 ヒット・ソング集(JPO-1202)
  • 素晴らしい人生(JPO-1322)

以上10インチ盤

  • 男のうた(TP-6014)
  • 君こそわが命(TP-7091)※初期モノラル曲はステレオ再録音
  • 水原弘オン・ステージ 歌い続けて10年(TP-9005)※ライブ盤
  • 軍歌(TP-7334)
  • 夜に歌う(TP-7437)
  • 夢の競演(TP-7474)※4曲収録 和田弘とマヒナスターズ、黒木憲とのオムニバス盤 (和田弘とマヒナスターズは全曲演奏も担当)
  • 九段の母 水原弘 軍歌を歌う(TP-8098)
  • 人生劇場(TP-8127)
  • 水原弘オン・ステージ~こんばんは水原弘です(TP-8199/8200)※ライブ盤
  • 雪国~水原弘 抒情歌を唄う(TP-8240)
  • 初公開!熱唱!水原弘(TOCT-6225/6)※再録音、未発表曲集(CD)
  • 絶唱 水原弘 最後の録音盤 ※晩年の再録音(CD)

ベスト盤LP

  • 黒い花びら~水原弘歌謡デラックス(TP-4011/2)
  • こころで唄う(TR-6125/6)
  • 水原弘デラックス(TP-8078)※夢の競演 収録の4曲含む(「花と蝶」は和田弘とマヒナスターズが演奏したヴァージョン)
  • 水原弘全曲集(TP-60019)

映画出演

  • 青春を賭けろ(1959年、東宝)
  • 檻の中の野郎たち(1959年、東宝)
  • 「黒い落葉」より 青春を吹き鳴らせ(1959年、日活)
  • 黒い花びら(1960年、東宝)
  • 嵐を呼ぶ楽団(1960年、東宝)
  • 別離の歌(1960年、東宝)
  • みな殺しの歌より 拳銃よさらば!(1960年、東宝)
  • 銀座の恋人たち(1961年、東宝)
  • 飛び出した女大名(1961年、大映)
  • ドドンパ酔虎伝(1961年、大映)
  • 黒い三度傘(1961年、大映)
  • メキシコ無宿(1962年、日活)
  • べらんめぇ芸者と大阪娘(1962年、東映)
  • 若者たちの夜と昼(1962年、東映)
  • クレージーの花嫁と七人の仲間(1962年、松竹)
  • かっこいい若者たち(1962年、大映)
  • 夢で逢いましょ(1962年、東宝)
  • ひばり・チエミのおしどり千両傘(1963年、東映)
  • 夜霧の上州路(1963年、東映)
  • この首一万石(1963年、東映)
  • 悪名波止場(1963年、大映)
  • 駿河遊侠伝 破れ鉄火(1964年、大映)
  • 駿河遊侠伝 度胸がらす(1965年、大映)
  • 男の挑戦(1968年、松竹)
  • 霧にむせぶ夜(1968年、松竹)
  • 関東流れ者(1971年、日活)

テレビドラマ出演

  • 嵐のなかでさよなら(1966年、NET・東映)− 青星文人 役
  • 弥次喜多隠密道中 第9話「帰って来た男」(1971年、NTV・歌舞伎座テレビ室) - 石打の仙太郎 役
  • 銭形平次 第336話「平次対用心棒」(1972年、フジテレビ・東映) - 松永清兵ヱ 役
  • 非情のライセンス(第1シリーズ) 第26話「兇悪の番外地」(1973年、NET・東映)− 渋谷八郎 役
  • ご存知遠山の金さん(1974年8月18日・爆薬を抱いた男、テレビ朝日) - 紙屋藤八役

NHK紅白歌合戦出場歴

年度/放送回曲目出演順対戦相手備考
1959年(昭和34年)/第10回黒い花びら11/25水谷良重紅白初出場
1960年(昭和35年)/第11回2恋のカクテル10/27水谷良重(2)
1961年(昭和36年)/第12回3禁じられた恋のボレロ11/25松尾和子
1967年(昭和42年)/第18回4君こそわが命02/23園まり6年ぶりに復帰出場
1968年(昭和43年)/第19回5愛の渚09/23西田佐知子
1969年(昭和44年)/第20回6君こそわが命(2回目)16/23梓みちよ
1970年(昭和45年)/第21回7へんな女02/24和田アキ子
1971年(昭和46年)/第22回8こんど生まれて来る時は24/25水前寺清子トリ前
1972年(昭和47年)/第23回9お嫁に行くんだね17/23平田隆夫とセルスターズ
1973年(昭和48年)/第24回10君こそわが命(3回目)21/22都はるみトリ前(2)・生涯最後の紅白出場

(注意点)

  • 対戦相手の歌手名の( )内の数字はその歌手との対戦回数、備考のトリ等の次にある( )はトリ等を務めた回数を表す。
  • 曲名の後の(○回目)は紅白で披露された回数を表す。
  • 出演順は「(出演順)/(出場者数)」で表す。

秘話

1973年(昭和48年)の年明け頃から、暴力団追放運動が盛んになり、美空ひばりが実弟の不祥事発覚や、デビュー以来の山口組及び三代目組長・田岡一雄との公私にわたる長年の親密な関わりが問題視されたことをきっかけに、全国の公会堂や市民会館での公演をボイコットされていた時、水原は演劇プロデューサーの黒田耕司から名古屋御園座での4月公演「美空ひばり特別公演」の芝居「かすりの女」への出演を依頼された。「歌手でありながら自分は歌わず、芝居でのひばりの相手役だけの出演」という依頼であったにもかかわらず、水原は「お嬢(美空ひばり)が困っているんだ。本当の友ならこういう時に助けてあげるのが筋だろう」と、これを快諾。水原の男気にはひばり本人を始め、舞台関係者も感激したという『美空ひばり 花のいのち』 黒田耕司著 小学館(1990年)。

注釈

出典

関連項目

外部リンク

※一部に戦前の同名異人俳優の出演作品が記載されている。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/04/12 21:18 UTC (変更履歴
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