内藤誠 : ウィキペディア(Wikipedia)

内藤 誠(ないとう まこと 1936年3月6日 - )は、日本の映画監督、脚本家、著述家。

元中部大学人文学部教授。日本大学芸術学部映画学科講師。

人物

主な作品に『ネオンくらげ』(脚本・監督)、『番格ロック』(監督)、『冒険者カミカゼ -ADVENTURER KAMIKAZE-』 (共同脚本)。

弟の内藤豊は、テレビディレクターであり翻訳家https://web.archive.org/web/20210509052100/http://www.akai-shinbunten.net/Main/chita/backnumber/jiai/tamura328.html。息子の内藤研は映画研究者・脚本家(1967年、神奈川県生まれ)。

来歴

愛知県名古屋市出身。1959年、愛知県立刈谷高等学校を経て、早稲田大学政治経済学部新聞学科を卒業。大学時代は木村毅に師事。同年、東映に入社、東京撮影所に配属される。

佐伯清、成澤昌茂、マキノ雅弘石井輝男らの助監督を経て1969年に監督に昇進し、不良番長シリーズなどを担当。主に当時の東映の主流である東映京都撮影所作品などの併映作品、俗に「B面映画」の職人監督として活躍した。当時の助監督には伊藤俊也らがいる。梅宮辰夫の主演作を多く手掛けた後、東映を退社してフリーに。

インディペンデント映画、テレビドラマ、特撮、アニメ、教育映画など、フリー転身後の監督・脚本家活動は多岐に渡る。1981年には千葉真一主演の『冒険者カミカゼ -ADVENTURER KAMIKAZE-』の脚本を執筆。1984年の正月映画では4本もの作品に脚本として関わった。また、筒井康隆作品を2作(『俗物図鑑』『スタア』)映画化している。

一方で著述家、翻訳家としても活動。1993年にはイアン・マッカーサー著『快楽亭ブラック 忘れられたニッポン最高の外人タレント』の翻訳で翻訳特別功労賞を受章。日本大学芸術学部映画学科、中部大学人文学部でも長く教鞭をとり、後進の指導に当たった。

1983年、大林宣彦監督の『時をかける少女』に主演の原田知世演じる芳山和子の父親・哲夫役として友情出演。

1995年、芸能事務所「沢井プロダクション」の俳優養成所にて、演技講師を務める。

2010年、24年ぶりとなる監督作『明日泣く』(色川武大原作)を製作、2011年11月に劇場公開。2014年には評論家坪内祐三のエッセイ「酒中日記」を坪内本人の主演で映像化、2015年に劇場公開された。

受賞歴

  • 1979年 - 児童映画『わたんべとすばらしい仲間』にて教育映画コンクール文部大臣賞
  • 1980年 - 児童映画『生きものと教室の仲間たち』にて教育映画祭優秀作品賞・動物愛護映画コンクール最優秀作品賞・内閣総理大臣賞

監督作品

テレビドラマ

  • 忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ(1967年 - 1968年、NET / 東映) ※ 助監督として参加。
  • プレイガール(1969年 - 1974年、東京12チャンネル / 東映)
  • ゴールドアイ(1970年、日本テレビ / 東映)- 第4話「逃亡の子守唄」 ※ 第4話で監督・脚本の両方を担当している。
  • 鉄人タイガーセブン(1973年 - 1974年、フジテレビ / ピー・プロダクション)- 第7話・第8話 ※ 内藤まこと名義で参加。
  • 誰のために愛するか(1974年、NET / 東映)
  • 夜明けの刑事(1974年 - 1977年、TBS / 大映テレビ)
  • TOKYO DETECTIVE 二人の事件簿(1975年、朝日放送 / 大映テレビ)
  • Gメン75(1975年 - 1982年、TBS / 東映)
  • 刑事物語・星空に撃て!(1976年 - 1977年、フジテレビ / 大映テレビ) - 第2話・第5話・第7話・第9話・第14話・第16話・第17話・第18話・第21話・第23話・第25話
  • 新・二人の事件簿 暁に駆ける(1976年 - 1977年、朝日放送 / 大映テレビ)
  • 森村誠一シリーズ 腐蝕の構造(1977年、毎日放送・TBS / 東映)- 第6回・第7回
  • 大空港(1978年 - 1980年、フジテレビ / 松竹)- 第54話「ザ・キラー」(1979年)
  • あいつと俺(1980年、テレビ東京 / 勝プロダクション)
  • ミラクルガール(1980年、東京12チャンネル / 東映)- 第17話「一億円を拾った女」
  • ロボット8ちゃん(1981年 - 1982年、フジテレビ / 東映)

映画

  • 1968年
    • これがベトナム戦争だ! ※野田真吉との共同監督
  • 1969年
    • 不良番長 送り狼
  • 1970年
    • 不良番長 王手飛車
    • 不良番長 出たとこ勝負
    • 不良番長 暴走バギー団
  • 1971年
    • 未亡人ごろしの帝王
    • 夜の手配師 すけ千人斬り
    • 不良番長 手八丁口八丁
    • ポルノの帝王
  • 1972年
    • 夜のならず者
    • ポルノの帝王 失神トルコ風呂
    • 夜の女狩り
  • 1973年
    • ネオンくらげ
    • 番格ロック
  • 1974年
    • 衝撃!売春都市
  • 1975年
    • 若い貴族たち 13階段のマキ
    • 青春讃歌 暴力学園大革命
    • 男組
  • 1977年
    • 演歌で綴る 任侠の系譜
    • ビューティ・ペア 真赤な青春
    • 地獄の天使 紅い爆音
  • 1979年
    • 十代 恵子の場合
    • わたんべとすばらしい仲間(16ミリフィルム)
  • 1980年
    • ミスターどん兵衛(脚本も担当)
    • 生きものと教室の仲間たち(脚本も担当。16ミリフィルム)
    • 時の娘
  • 1982年
    • 俗物図鑑
  • 1986年
    • スタア
  • 1987年
    • 春らんまん結婚記
  • 2011年
    • 明日泣く
  • 2015年
    • 酒中日記

脚本

テレビドラマ

  • 1972年
    • 遠山の金さん捕物帳(第129回) ※ 原野 立と共同執筆、ノンクレジット。
  • 1973年
    • 仮面ライダーV3 ※ 内藤まこと名義で参加し、第9話・第10話を担当。佐伯俊道と共同で執筆した。
    • 遠山の金さん捕物帳(第133回・第136回) ※ 原野 立と共同執筆、ノンクレジット。
  • 1979年
    • 鉄道公安官(第5話・第18話)
  • 1981年
    • 警視庁殺人課(第6話)
  • 1987年
    • 仮面ライダーBLACK(第6話・第10話)

映画

  • 1970年
  • 1973年
    • ネオンくらげ
    • 若い貴族たち 13階段のマキ - 金子武郎との共同
  • 1977年
  • 1979年
    • 十代 恵子の場合
  • 1980年
  • 1981年
    • 冒険者カミカゼ -ADVENTURER KAMIKAZE- - 桂千穂中島貞夫との共同
    • セクシー・ぷりん 癖になりそう - 桂千穂との共同
  • 1982年
    • 宇能鴻一郎の人妻いじめ - 桂千穂との共同
    • あんねの子守唄 - 木村智美、桂千穂との共同
    • 俗物図鑑 - 桂千穂との共同
  • 1983年
    • 宇能鴻一郎の姉妹理容師 - 桂千穂との共同
    • 幻魔大戦 - 桂千穂、真崎守との共同
    • 悪女かまきり - 梶間俊一との共同
    • 女帝 - 桂千穂との共同
    • アイコ十六歳 - 今関あきよし、秋田光彦、桂千穂との共同
    • 唐獅子株式会社 - 桂千穂との共同
    • 女猫 - 桂千穂との共同
  • 1984年
    • 廃市 - 桂千穂との共同
    • 少年ケニヤ - 桂千穂、剣持亘との共同
    • 魔女卵 - 和泉聖治との共同
  • 1985年
    • 女豹 - 後藤大轄との共同
    • 俺たちの行進曲 - 桂千穂、渡辺祐介との共同
  • 1986年
  • 1987年
    • ルパン三世 風魔一族の陰謀
  • 1988年
    • 菩提樹
  • 1990年
    • コードネーム348 女刑事 サシバ
    • 殺しのメロディ Lady Smith
  • 1991年
    • コードネームK レディ・コネクション

企画

映画

  • 俗物図鑑(1982年)
  • 廃市(1984年)

出演

映画

  • 時をかける少女(1983年) - 芳山哲夫 役

バラエティ番組

  • クイズ!脳ベルSHOW(2020年3月30日&31日、BSフジ)

著作

著書

  • インディアン日本をめざす (小峰書店、1977年11月)
  • 友よメキシコよ (小峰書店、1979年11月)
  • 昭和の映画少年 (秀英書房、1981年4月)
  • 映画的筒井論と康隆的映画論 (有楽出版社、1985年10月)
  • 実感的シナリオ講座 (桂千穂如月小春との共著、風媒社、1986年4月)
  • 少女物語 (小峰書店、1986年3月)
  • 怖いこわーい町 (小峰書店、1988年7月)
  • アイドル先生は恋のヒミツがいっぱい!? (ポプラ社、1990年5月)
  • 水郷柳川・白秋祭殺人事件 (有楽出版社、1991年12月)
  • 物語依存症 (白地社、1991年10月)
  • 映画百年の事件簿 (角川書店、1995年3月)
  • シネマと銃口と怪人 (平凡社ライブラリー、1997年8月)
  • 昭和映画史ノート (平凡社新書、2001年7月)
  • 事件とシネマ (中部大学、2006年1月)
  • 外国人が見た古き良き日本 (講談社インターナショナル、2008年1月)対英訳
  • 日本を愛した外国人たち (内藤研との共著 講談社インターナショナル、2009年6月)対英訳
  • 偏屈系映画図鑑 (キネマ旬報社、2011年11月)
  • 監督ばか (彩流社、2014年6月)
  • 編集ばか (坪内祐三・名田屋昭二との共著、彩流社、2015年11月)
  • 監督 山際永三、大いに語る 映画『狂熱の果て』から「オウム事件」まで (山際永三・内藤研との共著、彩流社、2018年9月)
  • まんが 古関裕而ものがたり 名曲でふりかえる「昭和」とオリンピック (原作 画:三代目仙之助、彩流社、2020年3月)
  • 映画の不良性感度(小学館新書、2022年4月)

訳書

  • 『ママ・アイラブユー』ウィリアム・サローヤン ワーク・ショップガルダ(岸田今日子と共訳、のちブロンズ新社、のち新潮文庫) 1978年10月
  • 『ロック・ワグラム』ウィリアム・サローヤン 新潮社、1990年2月
  • 『快楽亭ブラック』イアン・マッカーサー 講談社、1992年9月(堀内久美子と共訳)
  • 『母が教えてくれた歌』 マーロン・ブランド、ロバート・リンゼイ 角川書店、1995年6月(雨海弘美と共訳)
  • 『サローヤン伝説』 ローレンス・リー、バリー・ギフォード ワールドマガジン社、1997年2月(堀内久美子と共訳)

関連文献

関連項目

  • 日本の黒幕

外部リンク

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