【第42回日本アカデミー賞】「万引き家族」が最優秀作品賞 松岡茉優が歓喜の号泣

2019年3月1日 22:52


大粒の涙を流した松岡茉優
大粒の涙を流した松岡茉優

[映画.com ニュース]第42回日本アカデミー賞の授賞式が3月1日、東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで行われ、是枝裕和監督作「万引き家族」が最優秀作品賞に輝いた。是枝監督にとって第39回の「海街diary」、第41回の「三度目の殺人」に続き、3度目の最優秀作品賞となった。

家族ぐるみで軽犯罪を重ねる一家の姿を描いたヒューマンドラマ。第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、日本映画としては1997年の「うなぎ」以来、約21年ぶりとなる最高賞のパルムドールを受賞したほか、第91回アカデミー賞では外国語映画賞にノミネートされていた。

キャスト・スタッフ一同が登壇するなか、「海街diary」「三度目の殺人」でもプロデューサーを務めた松崎薫氏は、ブロンズを大事そうに抱き「1年前のちょうどこの時期、寒い寒い撮影が終わりました」と振り返る。作品を根底から支えた故・樹木希林さんへの思いを「希林さんは日々、『寒くて汚くて嫌だわ』とおっしゃっていましたが(笑)、嬉しいご報告をしたいと思います」と吐露すると、娘・内田也哉子は涙ぐんでいる様子だった。

さらに是枝監督は、この日何度も登壇しただけに「長い旅を、この作品と一緒に続けてきました。本当にいいラストを迎えることができました」と短く感慨を述べる。柴田治役のリリー・フランキーは「この映画は『カメラを止めるな!』と同じくらいの規模から始まった」とジョークを飛ばし、周囲からツッコミを入れられながら「この1年、人のお別れもいっぱいありましたが、この映画の魔法にかかっている間に、楽しく過ごさせていただきました」と穏やかな笑顔。信代役の安藤サクラは、「たった1年とは思えないくらい濃い1年。かい、みゆ(子役の城桧吏佐々木みゆちゃん)、やったね!」と最高のフィナーレに喜びを爆発させた。

そして、亜紀役・松岡茉優の瞳からは大粒の涙があふれ出た。普段は気の利いたコメントで観客や報道陣を沸かせるが、この日ばかりは「こういうとき、たいてい何か浮かぶタイプなんですが、本当に浮かばない」と号泣。口元をおさえ、瞳を拭い続けながらマイクをリレーし、平成最後の日本アカデミー賞を美しい涙で締めくくっていた。

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