「銀魂」舞台裏に壮絶ドラマ&攻防戦!?小栗旬×佐藤二朗×福田雄一が語る爆笑製作秘話

2017年7月17日 15:00

製作秘話を語る爆笑鼎談
製作秘話を語る爆笑鼎談

[映画.com ニュース]空知英秋氏による人気漫画を実写化した映画「銀魂」が、7月14日に公開を迎えた。ハイテンションのボケ・ツッコミ、メタギャグやパロディが雨あられと降り注ぐ今作だが、その裏には主演決定をめぐる壮絶なドラマ、芝居と殺陣における監督・役者のプライドをかけた攻防戦があった…!? 主人公・坂田銀時役の小栗旬、監督・脚本を務めた福田雄一、そして武市変平太に扮した福田組の“風神・雷神”の一角・佐藤二朗による鼎談(ていだん)が実現し、互いをいじり倒しながら製作秘話を語らい合った。(取材・文/編集部、写真・江藤海彦)

――小栗さん、出演オファーを受けた経緯はどんなものでしたか?

小栗 外堀から埋められましたね。

福田 (笑)。小汚い手をつかったよねえ。反省しかない。

小栗 福田さんとはプライベートで会う機会がなかったんですが、休暇でハワイに行っているときに、福田さんも来ていることを知って。せっかくだからお会いしませんかと、家族で食事したんです。普通に食事をしていて、ぼちぼち会が開くぞというときに「勝負の仕事がある。小栗くんとやりたい。考えてくれない?」と(笑)。それでお別れすると、直後に「『銀魂』なんだけど、興味が少しでもあったら、プロデューサーをハワイに呼ぶ」と連絡がきたんです。そうしたら見事2日後に、プロデューサーの松橋真三さんが、本当にハワイに来た。

佐藤 すごいね。そんな手段聞いたことない。

小栗 僕、家族旅行ですよ? 再度店に集まって、家族には悪いけど別の席で食べてもらって、それで2人に囲まれて。情熱的なプロデューサーが『私も、お会いして小栗さんしかいないと思いました。いいお返事待ってます』とだけ言って、日本に帰っていったんですよ(笑)。そんなお土産渡されて、しばらくハワイで「さてどうしよう」。事務所の社長をどう説得しようか。日本に帰って、すぐにチーフマネージャーに「ハワイでこんなことがあった。前向きに考えたい」と、上手く会社でジワッと馴染ませました。

佐藤 気を使わせたねえ! クランクイン前の主演俳優に! この映画の根回し、半分くらいは小栗が担ってたんだな。

福田 というか、ほとんどだよ。アクションをコーディネートしたのも小栗くんだもん。

佐藤 監督・小栗じゃねえか。

小栗 もう1個功績を言うと、中村勘九郎くんを呼んだのも僕。

佐藤 あ、そう!? 素晴らしかったもんね、勘九郎くん!

小栗 もちろん監督の中にいろいろ候補がありつつ、僕が「勘ちゃん(勘九郎)が近藤役をやったら面白い」と言って、歌舞伎があるから大変だろうけど、ダメもとで電話してみたんです。「『銀魂』をやるんだけど」と言った瞬間に、勘ちゃんが「俺、ゴリラ(近藤)でしょ? 事務所説得する」と答えてくれたんです。勘ちゃん、原作が本当に大好きなんですよ。その3分後にもう1回電話がかかってきて、「お妙ちゃんは誰が? 1年間ストーカーし続ける」って(笑)。

福田 神楽は橋本環奈ちゃんがいいと言ったのも、(小栗の妻)山田優さんだし。

佐藤 小栗家! 小栗家の映画じゃん。プロデュース・監督、小栗家。

福田 基本的には、これは違反行為ですよね。でも本当に言うと、小栗くんとハワイで食事するまで、まったく考えてなかったんです。ちょうど「銀魂」の台本を書き終わったところで、家族で食事したときに、小栗くんがものすごく力が抜けた感じだった。今まではちょっと怖いイメージだったのに、変わっていたから「うわ、めっちゃ銀ちゃんぴったりじゃん」と思った。もともと(脚本で参加したドラマ)「東京DOGS」の最後で、「僕が勝負のときは小栗くんと」と言ったことを覚えていたし、加えて完全に銀ちゃんに重なったしで、衝動的に「あのね」と言っちゃったんだよね。

画像2

――そんな舞台裏があったとは……。

小栗 そもそも「銀魂」には思う部分があったんです。というのも、福田さんとハワイで会う1、2週間ほど前に、岡田将生くんに言われたことがあるんです。岡田くんが友人たちと「もうすぐ『銀魂』が実写化されるだろう」と予想をしていたそうなんです。「配役予想で旬くんの名は上がったけど、実写化のキャラをやりすぎている。『銀魂』もやったら、普通の役に戻ってこれなくなるという話をした」なんて言われたんです。岡田くんにそんなこと言われて……。「受けちゃいけないのでは」と思ったんです。そんなことがあったから、岡田くんは絶対に出演しないと思ったんだけど、桂役で出てくるからビックリした。

――佐藤さんの経緯は?

佐藤 これまた直接、電話で言われた。

福田 俺のオファーの仕方、やばいね。絶対干される。これ業界的にダメなんでしょ? でも本当に、監督が熱意を直接話すほうが、プロデューサー通すより良くないですか。

小栗 話が早いし、絶対良いですよ。俳優には響きます。

佐藤 事務所も面白いものを作ることに協力したいはずだから。あと、だいぶ業界内に浸透してきた。「福田が頭おかしいオファーしてくる、あいつならしょうがないか」って。

小栗 僕は話を受けた段階で、ほぼほぼ二朗さんとムロツヨシさんは決まっていると聞いていました。

佐藤 その時はオファー受けていないぞ! 電話はずいぶん先だったよな?

福田 苦笑

佐藤 福田が「大作だから」と言うわけ。そんな言葉が出るの初めて。寝ぼけてんなと思っていたけど大作でしたね。

福田 「大作だから(他の仕事と)縫わないでくれ、ガッツリスケジュールくれ」と言ったんです。必ず別の仕事入れてギチギチになって、僕のところに来たら一番テキトーな芝居して帰っていくから。

――結果は?

佐藤 縫わない縫わない。縫うわけない。君、僕のこと「縫い二朗」と呼ぶけど、ここ数年はしてないよ。

福田 本当は? 本当は?

佐藤 多少は縫う。

一同 笑

佐藤 おまえ「そう言え」って目だったぞ! 嘘、嘘。縫ってないよ。

福田 だって、去年「勇者ヨシヒコ」でひどい目にあったからさあ!

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