押井守監督、ドッキリ発言「ドローンはテロの有効手段」と警鐘鳴らす
2015年5月12日 06:00
[映画.com ニュース] 押井守監督が5月11日、最新著書「友だちはいらない。」(東京ニュース通信社刊)の発売記念イベントを都内で行った。
「高校時代から友だちというものに思い当たらない。普段も考えないし、なぜ?と聞かれればいないから」という思いを、体験談に基づいて対談形式で詳述。「友だちって必要から始めているし、何かを求めているという動機がそもそもいかがわしい。まあ、世の中の9割は賛同しないと思うけれど」と達観した様子で語った。
FacebookやツイッターなどのSNSも一切やらないそうで、「やる意味がよく分からない。知らない人と言葉のやり取りをしたいとは思わないし、メールもほとんどやらない。僕のアドレスを知っているのは5人くらいかな」という徹底ぶり。ただ、それらに興じる若者たちについては「つながっていたいという欲求自体分からないが想像はできる。多分、不安なんだろうな」と分析した。
その考察を取り入れたのが、現在公開中の総監督を務めた映画「THE NEXT GENERATIONパトレイバー 首都決戦」だという。同作では、自衛隊を急襲し東京を乗っ取ったテロリストと警察の対決を描いており、登場する人型警察ロボットや熱光学迷彩の最新ヘリなどについては「技術自体にはずっと興味があった。それも軍事方面から。それが今は、民間との差がなくなってきている」と説明した。
その上で、首相官邸屋上への着陸事件などで話題となった小型無人飛行機(ドローン)にも言及し「あれが出てきた瞬間に、テロの有効手段だと思った。撮影でも使ったし、現場でも“これに爆弾をつるせないか”という話もしていた」と大胆発言。そして、「映画はウソだからいいけれど、今は現実の方が先にいっているから、やりにくいといわれればやりにくい」と警鐘を鳴らしていた。