鈴木砂羽、「しあわせカモン」で波乱に生きた母役熱演 結婚エピソードも明かす

2013年1月24日 17:10


覚せい剤におぼれ、克服する母親役を熱演
覚せい剤におぼれ、克服する母親役を熱演

[映画.com ニュース] 岩手出身のシンガーソングライター・松本哲也の自叙伝をベースに、波乱の人生を送った母と息子のきずなを描くドラマ「しあわせカモン」が、1月26日から公開される。主演は、幅広い作品で名バイプレーヤーとして活躍する女優の鈴木砂羽。“台本が輝いて見えた”と熱を込める鈴木に、本作への思いを聞いた。

ヤクザの夫・哲夫今井雅之)との間に授かった息子・哲也(石垣佑磨)を溺愛していた扶美江(鈴木)。しかし荒れた暮らしを送るうちに、覚せい剤におぼれていく。一度は断ち切ったものの、禁断症状が出て再び入院生活をすることに。母と息子、それぞれの感情を色濃く映しながら複雑な親子関係を描き出す、せつなくて温かい物語だ。

本作で初メガホンとなった中村大哉監督の脚本に、ひと目でほれ込んだという鈴木。「初々しさとかみずみずしさがあって、それに自分も参加できたらいいなと思ったんです。監督のやりたい事が全面にあふれ出ていて、それを包み隠さず素直に打ち明けているみたいな印象でした」

演じた扶美江という役に対しても、相当な思い入れがあるようで「波乱万丈なことがあって、それでも一貫して息子を思う気持ちは変わらない。扶美江は息子がこうなったから変わる、ということは一切なく(笑)、ずっと最後まで突っ走っちゃうところがすごく魅力的だと思いました。変に説教がましくなくて、“親子ってこういうもんでしょ”という押しつけも一切ない。彼女は本当に彼女のまま人生の最後まで走り抜けて行って、パワフルに感じたんです」と、出演を決めた動機を語る。

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母親を演じることで、自らの親子関係も見つめ直した。11年10月に結婚した鈴木だが、09年の本作撮影中に“親ばなれできていない自分”を自覚したことも、結婚にいたった1つの理由だったという。頻繁に悩み相談をするほど仲の良い母子だったが、結婚に関しては相談しないまま「『私、結婚するね』って電話をしたんです。母親のショックったらないですよ(笑)。『そんな大事なこと、何で1人で決めちゃうの!?』って」と、エピソードを明かす。

しかし、自立をするために結婚が必要なことだと気づいたと真剣な表情で続け、「結婚を機に1人の女性として母親を見るようになって、“お母さんだから”、“娘だから”という呪縛から解き放たれて随分楽になりましたね。今は本当に自由になって、1人の女優として歩き出した」と、本作をきっかけに心情の変化があったことも語る。

この映画は、まさに鈴木の人生の変化に寄り添っていた作品と言えるだろう。一度は危ぶまれた公開を、今こうして迎える喜びをかみ締めながら、鈴木はこう口にする。「大好きなんです、母のことが。この作品は母親と二人三脚でやっていたような、そんなイメージですね」

しあわせカモン」は、1月26日から全国で公開。

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