松田龍平、原田芳雄さんに思い馳せる「おやじに近い人だった」
2012年6月23日 19:15

[映画.com ニュース] 9年ぶりにニュープリント版でリバイバル上映されることになった、故原田芳雄さんの主演作「ナイン・ソウルズ」が6月23日、東京・渋谷のユーロスペースで封切られ、松田龍平、豊田利晃監督が舞台挨拶に立った。
松田と豊田監督は、昨年7月19日に死去した原田さんとの思い出を述懐。撮影当時、出演者のなかで唯一10代だった松田は「芳雄さんはどこかおやじに近い人だった。その頃は一緒にやる役者さんに父親に近いものを感じたいと思っていたけど、芳雄さんは特別。(原田が)息子殺し、(松田が)父親殺しの役柄だったこともあって、こんな父親もいるんだっていう特別な感覚で見ていた」と思いを馳せた。
「すべてを出しつくそうと思ってつくった」という豊田監督は「昨日、夢に芳雄さんが出てきた。『ナイン・ソウルズ』の公開日が7月19日で、芳雄さんの命日も7月19日。この上映は芳雄さんが仕掛けているんかな」としみじみ。「アウトローの原田芳雄さんが見たいと思っていたので、口をきかないでけんか腰でつくった」と明かし、「つくり終わった後に、芳雄さんを込めることができて勝ったと思ったけど、芳雄さんがインタビューで『オレはまた一からはじめなきゃいけない』と言っていて『負けた、器がでかい』と思った」と原田さんの存在の大きさをかみしめた。
今作は、豊田監督の「ポルノスター」「青い春」に続く青春3部作の完結編。父親殺しの罪で服役した青年・金子未散が9人の男と出会い、富士山麓に隠された大金を目指す途中で絶望、希望を体験する姿を描く。千原浩史、マメ山田、鬼丸、板尾創路、KEEらが共演している。
豊田監督は、撮影を振り返り「撮影の初日に芳雄さんが木刀を持ってきたので、負けちゃいけないと思って次の日から木刀を持っていった。今でも心の支え」とニッコリ。そして、「芳雄さんが『竜馬暗殺』で(松田)優作さんが後ろから襲ってくるところと、この作品で龍平が襲ってくるところが似ていると言っていて。本当にそうだった」と思い出話に花を咲かせた。
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