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大学生とともに作り上げた意欲作、高橋伴明監督が語る

2011年9月30日 19:29

京都造形芸術大学で教鞭をとる高橋伴明監督「MADE IN JAPAN こらッ!」

京都造形芸術大学で教鞭をとる高橋伴明監督
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[映画.com ニュース] プロと学生が共同で映画を企画・製作する、京都造形芸術大学映画学科のプロジェクト「北白川派映画芸術運動」の理念にのっとり製作された「MADE IN JAPAN こらッ!」。ある現代日本の家族が崩壊していく様を、ブラックなユーモアで描いた作品だ。メガホンをとったのは、同学科教授でもある高橋伴明監督。日本映画界をけん引する高橋監督が、未来の映画人に伝えたいこととは。

会社員の父とホームヘルパーをしている母と暮らす雛子は、何事にも無関心な18歳のフリーター。しかし、祖母の死をきっかけに父が家に引きこもるようになり、バラバラになった家族は病んだように思い思いの道へ突っ走る。ホームドラマらしからぬ奇妙な展開で笑いを誘う、本作の脚本を手がけたのは当時4回生だった和間千尋。「彼女が書く本には毎回“病気人間”が登場するんです。僕も脚本を書きますが、そういう発想は自分にはないので、病気人間だけの家族でひとつの話を書けないか、と話を振ったのが始まりです」。

祖父母がきっかけで、ある核家族の歯車が狂い出す……という展開には、高橋監督がプロデューサーを務めた「逆噴射家族」(1984年/石井聰亙監督)を思い浮かべる映画ファンも少なくないだろう。

「(最後まで家族という形を維持する「逆噴射家族」の)ラストシーンを見ながら、こいつらこれでいいのかなっていう思いがずっとあったんです。むしろそれぞれがバラバラに自分の思う生き様を見せてくれた方が実は幸せで、それを家族って呼んでもいいんじゃないの? って。(和間の)脚本も、最初は再生に向かう方向に来ていたんで、今回はそうではなく、突っ走ってバラバラになる話の方が面白くなると思ったんです」


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松田美由紀とともにダブル主演を務めるのは、当時1回生の大西礼芳(あやか)。さほど演技経験がなかったにもかかわらず、力みすぎない自然体の演技で初主演という大役を見事にこなした。「演出はほとんどしていないです。僕は、彼女に対して一貫性のない、悪く言えば場当たり的な芝居を期待したんで、別の意識は(松田)美由紀から学んだり、刺激を受けたと思うんです」。

松田をはじめ松原智恵子山路和弘ら豪華キャストが顔をそろえる本作。「北白川派」に参加するのは、「ギャラ関係なく、こういうことをおもしろがれる、企画に理解を示してくれる数少ない俳優さんたち」という。第一作の「黄金花 秘すれば花 死すれば蝶」(木村威夫監督)は、早すぎる死が惜しまれる名優・原田芳雄さんが主演した。これまで高橋監督の作品にも出演している原田さんとの思い出を振り返る。

「芳雄さんとは、飲み屋の付き合いのほうが圧倒的に多くて(笑)。まだ若いころ、「TATOO〈刺青〉あり」(82)に出てくれたのですが、テストの度に微妙に芝居を変えるんです。そのときに、これは試されているんだな、こういうプロの俳優とやる時は気をつけんとな、なめられたらいかんなと。芳雄さんのおかげでそういう意識が持てましたね。あとは、(脚本の)中身に対して厳しい人だったんで、『伴明な、これでよしと思うなよ』って言うんです。もっと面白くしろっていうことですよね(笑)。そういう意味で、お互い納得し合って1本映画を作りたかったですね」

最後に、映画製作を通して学生たちに伝えていきたいことを尋ねると「映画は、学ぶことはできるけれど教えることはできないと思っています」と断言する。そして、「僕たちは世間に迷惑をかけながら映画撮っているんだ。そのことを忘れるなと。人止めするにしても、車止めするにしても、お願いする姿勢。人と何か約束したときは必ず守り、最悪守れなかったときはきちっとフォローしろと、きちっと言います。映画の現場っていうのはまさに社会なんです。必ずしも全員が映画に進むわけではないから、社会だと思って映画に参加してくれれば、どんな職業になったって役に立つと思うんです」と、長年第一線で活躍してきた監督ならではの、親心を見せた。

MADE IN JAPAN こらッ!」は京都シネマで公開中、10月1日渋谷ユーロスペースほか、全国で順次公開。

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