仲里依紗の「女の子度がアップ」 太宰原作「パンドラの匣」公開
2009年10月10日 19:19
[映画.com ニュース] 生誕100年を迎えた太宰治の原作小説を映画化した「パンドラの匣」が10月10日、東京・テアトル新宿で公開初日を迎え、主演の染谷将太、川上未映子、仲里依紗、窪塚洋介、冨永昌敬監督らが舞台挨拶を行った。
太平洋戦争終結直後、結核のため療養所に入所した少年ひばり(染谷)が、個性的な患者や看護士らに囲まれながら新しい時代の「新しい男」に生まれ変わろうと成長する姿を描く物語。
ひばりがあこがれる美人看護士・竹さん役で映画初出演を果たした芥川賞作家の川上は、「光や時間の作り方など、こうやっているのかと全部が新しいことばかりで勉強になった」と感心しきり。太宰作品は読破しており、「覚えているセリフもあったので、それをこうして映画の中で発語することができるのは、とても貴重な体験だった」と振り返りながらも、「太宰の真骨頂である『軽み』が散りばめられた映画になった。原作も読んでどんどんはまってほしい」と作家らしくアピールした。
一方、ひばりを翻弄する小悪魔的な看護士のマア坊を演じた仲は、「普段はよくオッサンくさいと言われるけれど、マア坊をやっている間は女の子度がアップした気がする。ずっとマア坊でいればよかった。とてもオシャレな映画で、自分のオシャレ度がアップすると思いますよ」とアピール。映画初主演の染谷は「3週間泊まり込みで撮影したけれど、とても穏やかでゆっくりと時間が流れ、居心地のいい現場だった」と語った。
撮影地となった宮城県の5館で先月26日から先行公開されており、テアトル新宿を加えた6館で公開中。以降、全国で順次公開される。