ナレーション担当の竹野内豊も登壇。大岡昇平原作「明日への遺言」試写会

2008年2月7日 12:00


“ながい旅”の末に完成
“ながい旅”の末に完成

[映画.com ニュース] 第2次大戦後の戦犯裁判で、部下の命を守るために、自分の命を賭けて最後まで法廷で戦い抜いた岡田資(たすく)海軍中将の誇り高き生涯を綴った大岡昇平の「ながい旅」を、「雨あがる」の小泉堯史監督が映画化した「明日への遺言」。本作の公開を1カ月後に控え、スペシャル試写会が、東京・有楽町の有楽町朝日ホールで行われ、小泉監督、主演の藤田まこと富司純子が登壇した。

構想15年という念願の作品を完成させた小泉監督は「私にとっても原作本のタイトル通り“ながい旅”でした。非常に難しい題材だったので、なかなか製作が進みませんでしたが、原正人プロデューサーの強い後押しで、なんとか完成させることができました」と挨拶。また、96年の「必殺! 主水死す」以来11年ぶりの映画主演を果たした藤田は「約1カ月前から、この映画のPRのため全国を駆けめぐっております。というのも私の本作でのギャラは出来高払いということでまだ貰っていないからです(笑)。70歳を過ぎてからの手習いにしては、ちょっと大きすぎる役でしたが、私なりに頑張ってやってみました」とジョーク混じりに挨拶した。

一方、藤田扮する岡田中将の妻を演じた富司は、「今まで自分の出演した作品は冷静に見てしまうことが多くて泣くことはなかったけれど、この作品では泣いてしまいました。本当に素晴らしい作品なので、しっかりと見ていただけたら」と本作をアピール。藤田は、その後の囲み取材で、富司の娘で女優の寺島しのぶから手紙を貰っていたことを明かし、寺島が本作を見て感銘を受けたことなど手紙の内容の一部を披露した。

舞台挨拶の最後にはスペシャルゲストとして、本作で初めて映画のナレーションを担当した竹野内豊が登壇。本作について「不安はあったが、監督の“言葉の意味を理解すれば、必ず伝えることができる”という言葉を信じて頑張りました。こういった作品を残して、戦争の悲惨さを伝えることは重要なことだし、あの時代を生き抜いた方々の魂や心を決して忘れはいけないと思う」とコメントした。

明日への遺言」は3月1日より、全国ロードショー。

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