「日本中が痛みを分かち合えれば」。田中麗奈「夕凪の街 桜の国」
2007年7月20日 12:00
[映画.com ニュース] 7月28日に公開を迎える「出口のない海」「半落ち」の佐々部清監督の新作「夕凪の街 桜の国」。19日、東京・九段の九段会館にて舞台挨拶付き特別試写会が催され、主演の田中麗奈、麻生久美子、藤村志保、佐々部清監督らが登壇した。
同作は第2次大戦中に広島で被爆した女性と、被爆2世の女性の人生を通して原爆の恐ろしさと生きる喜びを描いた、こうの史代による同名マンガの映画化。広島で被爆し、後遺症に悩む女性、皆実(みなみ)を描く「夕凪の街」と、現代を舞台に皆実の子孫である七波(ななみ)を描く「桜の国」の2部構成となっている。被爆した皆実を演じた麻生は「この役に出会えて、生きていて良かったと思った。今までは原爆や戦争について知ろうとしていなかったが、この役を演じて、これからは私たちが伝える番だと感じた」と本作に参加した感想を語った。一方、現代パートの七波を演じた田中は「原爆や戦争は、すでに完結したものとして捉えていたが、この役に出会い、(原爆や戦争の)苦しみはまだ続いていると思った。この映画を見て、日本中が痛みを分かち合えれば」とメッセージを残し、会場を後にした。
「夕凪の街 桜の国」は7月21日より広島限定で公開され、28日より全国ロードショー。