パク・チャヌク監督「カンヌで賞を獲るより娘に尊敬されたい!」

2007年7月4日 12:00


「ぼのぼの」がつなぐ日韓の絆 (左から)いがらしみきお、パク・チャヌク監督
「ぼのぼの」がつなぐ日韓の絆 (左から)いがらしみきお、パク・チャヌク監督

[映画.com ニュース] 韓国の映画監督パク・チャヌクが、「親切なクムジャさん」に続く新作「サイボーグでも大丈夫」(9月、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー)のプロモーションで来日した。日本の漫画を原作(土屋ガロン・作、嶺岸信明・画)にした「オールド・ボーイ」で、カンヌ映画祭審査員グランプリを獲ったパク監督だが、実は日本には他の憧れの漫画家がいた。何と彼は、いがらしみきおの「ぼのぼの」(最新刊29巻が竹書房より発売中)の大ファンなのだそうだ。「『ぼのぼの』の哲学的な問いかけに深く感動する」というパク監督は、「復讐者に憐れみを」の劇中に「ぼのぼの」のアニメを登場させたほど深い思い入れがある。一方、「オールド・ボーイ」に衝撃を受けたという、いがらしも、「復讐者に憐れみを」を地元の映画館で見ていたら突然「ぼのぼの」が出てきたので「ドッキリか!?」と大いに驚いたとのこと。かくして6月28日、日本の配給会社の計らいによりパク・チャヌク×いがらしみきおの対談が実現した。

2人は10代の娘を持つパパという共通点がある。「今度の『サイボーグでも大丈夫』は12歳の娘のために作ったラブ・ストーリー。(娘には)お父さんの作品の中で一番面白い! でも『パイレーツ・オブ・カリビアン』のほうが面白いと言われました(笑)」と告白したパク監督が、「うちは家族全員が『ぼのぼの』のファンなんです。先生のサインをもらって帰ったら、12歳の娘からはカンヌで賞を獲るより尊敬されるかも」と大興奮すれば、いがらしも「僕も娘から『ぼのぼの』より『デスノート』が面白いって言われますよ」と悲しい胸の内を明かし、すっかり子煩悩な父親同士の会話に。

「僕(の作品)が『ぼのぼの』から強い影響を受けていると言っても、誰も信じないんです。どこが同じなの?と。哲学的で、不条理なユーモアがあり、実はよく見るとバイオレンスが入っていたりもする。人間関係、特に親子関係のあり方など、先生の作品からよく学ばせていただいてます」とのパク監督の言葉に、いがらしは「連載を始めて21年になりますが、死ぬまで描き続けます!」と生涯連載宣言で応えた。2人の娘を心底感動させるコラボ作品が、いつか誕生するかもしれない。

Amazonで今すぐ購入

DVD・ブルーレイ

Powered by価格.com

関連ニュース

映画ニュースアクセスランキング

本日

  1. “投資の神様”がパラマウント株で大損

    1

    “投資の神様”がパラマウント株で大損

    2024年5月10日 11:00
  2. 谷崎潤一郎原作、インモラルな関係を男女逆転「卍 リバース」「痴人の愛 リバース」 壊滅的な愛、究極のマゾヒズムの行方が気になる予告&場面写真

    2

    谷崎潤一郎原作、インモラルな関係を男女逆転「卍 リバース」「痴人の愛 リバース」 壊滅的な愛、究極のマゾヒズムの行方が気になる予告&場面写真

    2024年5月10日 18:00
  3. 髙石あかり×伊澤彩織×阪元裕吾監督「ベイビーわるきゅーれ」連続ドラマ化 全12話の完全オリジナルストーリー

    3

    髙石あかり×伊澤彩織×阪元裕吾監督「ベイビーわるきゅーれ」連続ドラマ化 全12話の完全オリジナルストーリー

    2024年5月10日 06:00
  4. 「マッドマックス フュリオサ」ファイナル予告完成! 「怒りのデス・ロード」地上波放送&日本限定入場者プレゼントも決定

    4

    「マッドマックス フュリオサ」ファイナル予告完成! 「怒りのデス・ロード」地上波放送&日本限定入場者プレゼントも決定

    2024年5月10日 07:00
  5. 実写版「耳をすませば」金曜ロードショーで今夜放送! あらすじ・キャストまとめ

    5

    実写版「耳をすませば」金曜ロードショーで今夜放送! あらすじ・キャストまとめ

    2024年5月10日 21:00

今週