ほつれるのレビュー・感想・評価
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好みの湿度の高い映画だった。会話と関係がほつれている夫婦関係の微妙...
好みの湿度の高い映画だった。会話と関係がほつれている夫婦関係の微妙な間とか表情とか、とにかく居心地の悪い定点観測だった。妻に夫がキスをすんなりと交わされるシーンはキツかったし、夫のネチネチした感じは本当に嫌だったなー。電話のくだりも旅行に行こうと言い出すくだりも。
そこで終わりかーと思いながらも、中央車線を走り出す彼女の人生に幸あれ。
不倫ものは基本的には苦手だけど、不倫を肯定も否定もしないのは誠実だと思う。加藤拓也監督は信頼できる。
やはり不倫はやめておこう
麦ちゃん、静の演技
長回しが多く、その間表情が微妙にしか変わらない。
なにか傍観者っぽく、旦那にも本妻にも
現実はこういう言葉のやりとりしか出来ないことに納得する。
しかし実はめちゃくちゃ動揺していて最後は大爆発。
旦那さん、いいねえ
嫁さんを気遣っているけど麦ちゃんからは見透かされている
ということを感じていて
一層泥沼化。
ワタシみたい(笑)
麦ちゃん主演だと10点プラスになります。
80点
MOVIX京都 20230914
パンフ購入
人間の見たくない部分がこれでもかと嫌な感じに描かれるため、イラッとし、心がざわつきます。それでいて鑑賞後の気持ちは悪くありませんでした。
劇作家・演出家として評価が高い加藤拓也監督による、オリジナル脚本で描かれるヒューマンドラマ。
不倫で壊れてゆく夫婦関係を描く映画「ほつれる (公開中)。セリフのひとつひとつがあまりにリアルで、グサグサと突き刺ささりました。
■ストーリー
夫・文則(田村健太郎)と冷めた夫婦関係を統けていた絹子(門脇麦)は、友人に紹介された木村(染谷将太)と親しくなります。2人で旅行に出かけた翌口、それぞれ分かれて帰る途中で木村が交通事故に遭います。
少し離れた場所で目撃した綿子は呆然と立ち尽くし、119番通報をしたものの、状況説明でほいよどみます。そして現場がどこかを告げずに切ってしまうのです。彼を助けたい。でも、不倫が発覚してしまうと思った。綿子はだれかが通報してくれることを願いながら立ち去るのでした。
密会していた相手を交通事故で亡くし、抜け殼のようになった綿子は不可解な行動をとり始めます。文則は、優しい口調ながら、質問責めで綿子を追い詰めます。
しかし取り乱したり、怒りや悲しみをあらわにしたりしてもいいはずですが、綿子は言葉少なに、物憂げな表情を浮かべるばかりでした。
それでも事故後なんとか関係を修復しようと、文則は必死で説得しようとしますが、綿子は応える気がありませんでした。
一方、木村の妻(安藤聖)も綿子を呼び出して関係を問いただします。変化の乏しい綿子の表情は、実は、不倫相手の木村に対しても、そうだったように、木村の妻や父(古舘寛治)と向き合っても、それほど変わらないように見えたのでした。
■解説
本作の一貫しているのは絹子の「テンションの低さ」と寡黙さです。表情は作り過ぎず、声は抑え気味で。体温が低く感じる演技を、門脇麦はあえてしたそうです。
なので密会中、男と女に熱に浮かされた感じはありません。会話のトーンは低温気味。だけれども、分かちがたいつながりが、目には見えないけれども、あるように感じられる2人。不思議な感じに囚われてしまう不倫のお話しでした。
事故の場面。女が男に駆け寄って、すがりついて、周囲に助けを求めるもの。普通ならそんな場面を想像するのことでしょう。ところが、女は後ろ髪を引かれながらも、現場を離れていくのです。一見、不可解に思えますが、どうでしょう?
救急要請の電話をかけた時も、彼を助けたいという気持よりも、不倫が発覚してしまうことをを恐れて、場所を言いそびれてしまい、あげくの果てに誰かが助けてくれるはずとやり過ごしてしまうのは、その時は仕方なくても、その後に大きな悔恨の思いを持ってしまうかもしれないのにです。そんなふうに、女の心は揺らいだのだろうと思います。
そう考えれば、女の行為は謎というより、リアル。とり乱す女の姿を思い浮かべる方が、むしろ、ありきたりなドラマの作法にとらわれているのではないでしょうか。
若くして演劇賞の受賞歴のある気鋭の加藤監督は、映像世界に新たなリアリズムの風を吹かせ、静かに波立たせるのです。
劇作家らしく、加藤は繊細なセリフによって、彼らの関係性を説明し、心情を伝えようとします。
つかみあいのケンカになってもおかしくない不倫劇は、それぞれの俳優が淡々とした口調で、セリフが多め。その空虚な空気こそが、微に入り細を穿ちながら、人間の内面をえぐり出すのです。
絹子が無言を貫く場面では『無言というのもひとつの答えなのか』と詰問調に畳みかける文則のむなしさ、絹子の表情にいたたまれなくなります。
しかし、話すのはもっぱら夫や木村の家族で、綿子は聞かれたことに答えるばかりです。ならば、綿子は何も語らないのでしょうか。そうではありません。言葉ではなく、物憂げな横顔やとぼとぼ歩く後ろ姿が彼女の内面を語っているのです。
観客に、見えるものから見えないものを読み取らせる。いかにも映画的な企てですが、映画畑以外の監督が陥りやすい罠でもあります。映像への期待が過度だと、映像が冗舌になり、説明に堕するものです。本作はその危うさを周到に回避しています。観客は綿子の横顔や後ろ姿を見つめ、内面を読み取るというよりは、内面に触れる思いがするのでしょう。
綿子の夫は妻の気持ちを読み取ろうとしてすれすれまで迫りますが、心に触れられません。最終盤のスリリングな会話劇の結末に、自然とうなずくことができるかどうか。できなければ、夫と同じということでしょう。
あえて抑揚に乏しい会話に終始し、糸がほつれていく様子を体現した門脇が素晴らしいと思います。
門脇は、全編にわたり、綿子が出ずっぱりの映画を、「一人の女性の観察記録のようなもの」と受け止めています。「不倫相手の死とも向き合えず、夫とも向き合ってこなかった。それは、自分自身とも向き合えていないということ。いろいろなことから逃げた結果、自分の感情が見えなくなっている綿子の記録だと思う」。だから、観客には「綿子に共感するというよりも、綿子が生きている時間を共有してほしい」と期待しているとインタビューに答えていました。
【最後に】
見て見ぬふりをしてきたことの代償は大きいですが、どうにもならないのもまた人生。濃密な84分間です。
白黒つけずにグレーで済ますこと、正論で追い詰めていくことなど、人間の見たくない部分がこれでもかと嫌な感じに描かれるため、イラッとし、心がざわつきます。それでいて鑑賞後の気持ちは悪くありません。会話劇を楽しんでください。
しがらみがほつれる?
解釈は人それぞれなのかも知れないと思った。
まさに劇中の登場人物と同じ境遇にいる人は、特に賛否両論で意見が分かれるのかも…
最終的に日々の生活の中で仕方なく続けている関係やうやむやにしている感情がほつれるという解釈で良いのだろうか?
観終わってしばらく経つと(今、鑑賞後7日後)、実は何も残っていないことに改めて気づかされる…。
せいぜい、いつ死ぬかもわからないから、墓場まで持っていく秘密は、携帯とかに残さないようにすべきと思ったぐらいかなぁ…。
そういう意味で、生体反応が消えたら、サーバーからデータが完全に抹消されるサービスが出てくるのかなぁデータと映画とは関係ない感想を持ってしまった(笑)
不埒
門脇麦さんのファンというのみで鑑賞。あらすじで不倫の話なのかなーくらいで鑑賞しました。
正直、映画としてはパンチが足りず、登場人物のほとんどの性格が小根から腐っているので、そこに不倫という要素が重なったせいか、個人的には全然ハマらずじまいでした。83分という尺でもかなり長く感じてしまいました。
不倫をベースにしているだけあって物語はかなり重めですが、基本的には自分中心の考えの人間たちの責め合い映画だったので、上司やそれに近い関係の人に詰め寄られた経験のある人にはあまり良い気分になれる映画ではありませんでした。それ以前に不倫を扱うには全体的に薄く、取って付けたようなシーンばかりで安っぽく思えてしまいました。
綿子は不倫のことをやましいと思いつつも、何度も何度もやっており、その関係性を楽しんでいるように見えましたし、文則との舌戦になった際もダンマリや逆ギレを繰り返していたり、誤魔化そうとしたりしていたので、配偶者のいる女性としてアウトだなと思いました。木村が交通事故に遭ったシーンでも自分の保身を優先して通報を躊躇いましたし、告別式にも出ないなど、自覚が無いという言い訳を元にしているだけのようで気持ち悪かったです。
文則も詰め方が中々高圧的でしたし、なんなら元妻と不倫をしている事実が明かされますし、そこを言われると逆ギレしちゃったりで、夫婦共々終わってんなーっていう視線で見てしまいました。
木村の奥さんも顔は見えず後ろ姿とセリフのみでしたが、不倫のきっかけを問い詰めるだけのシーンなので良い印象は残りませんでした。
木村父はずっとはっきり喋れや!(胡散臭さ全開なのは良かったです)と思ってしまい、行動もテキパキしなさいよ!と思っていたら、不倫の事実を木村の奥さんにサラッとバラしてしまうなど、正しい行動っちゃ正しいんですが、あんだけモヤモヤしてたのにそこの行動に移すのは早いのかと呆れてしまいました。
延々と車道を走って新天地へと向かう様子も、長ったらしく感じてしまい、はよエンドロールへ突入してくれと思ってしまいました。余韻を楽しめない人間なのは重々承知なのですが、それでもこの長さはいただけなかったです。
役者陣の演技は本当素晴らしいです。特に田村健太郎さんのいや〜な詰め寄り方や、見せかけの優しさだったり、何かが切れたかのように投げやりにキレまくるシーンだったり、とにかく不快でしたがそれと同じくらい凄いなと思わされたのでここはとても良かったです。
門脇麦さんの無気力からの逆ギレに転じたりの切り替え方はもう流石としか。
映画の中でも数少ない良いシーンとして、不倫が性行為だけでは無いということが表現されていたからです。キスしようとするくらいで、木村との不倫は空港やグランピングと遊びに行く感覚というもので、同世代の異性と遊びに行く事だけでも、配偶者がいれば不倫になってしまうというもどかしさが上手に描かれていました。まぁ不倫はよろしくないと思っているので、冷静に考えてやっぱダメだよなという結論には至ってしまいました。
映画というよりかは文章でじっくり読む方が向く作品なのかなと思いました。不倫というテーマをコメディとしてしか楽しめない自分にはそもそも向いていなかったのかなとぼんやり考えてしまいました。うーん残念。
鑑賞日 9/12
鑑賞時間 20:55〜22:25
座席 F-7
不思議な日常を俯瞰で見る楽しさ
門脇麦さんの芝居が好き。「止められるか俺たちを」「さよならくちびる」などで魅せた、リアルな息遣いと憂いのある表情がたまらない。すぐ隣にいるような存在感で、作品にスッと入り込めるんです。
今作も芝居に見えない彼女の見応えが詰まっていましたよ。静かに抑えている苛立ちが、本当に上手い。
この作品の魅力、台詞っぽくない会話劇を、安定の演者が紡ぐ。染谷将太さんは友達のような不倫がよき。友人の黒木華さんは仕草が絶妙だし、旦那の田村健太郎さんは理屈っぽい性格が苛立つ。
新鋭加藤拓也監督の脚本演出もすごい。長回しのセリフの少なさに、想像がどんどん膨らむ。映画の醍醐味ですね。
登場人物は皆サイテーで、共感は置き去り。ヒロインの感情を観察しながら、不思議な日常を俯瞰で観ている。鑑賞後に何だったんだろう?って思うけど楽しかった!って感じ、好きなんですよね〜😊
本音を言わない人たちの話?
綿子にも文則にも木村にも共感は出来ません。本作の登場人物は声を荒らげて不満をぶつけたり、怒りをあらわにはしません。その本音で話さない人間関係が、ほころびを生じ、徐々にほつれて、ほどけていきます。その様子は面白いんですが、ちょっと、あれ、と感じるところが幾つかありました。
木村君は同級生かと思ったら違った。妻の事を二人で話していた気がするので、綿子と木村妻は知り合いかと思って観てました。
子供のことで頭を悩ませている英梨に、急に山梨まで運転させた位だから、綿子は免許が無いのかと思ったら、自分の車を持ってる。じゃあなんで友達を巻き込んだ?
指輪を必死で探したのは、浮気がバレるからじゃなくて、本当に大事なものだったからなんだ。
木村の父親のキャラクターも、居そうで居ない感じ。
1年ほど前に、英梨に誘われて行ったパーティーで木村と出会ったというのも、主婦が行くパーティーってどんなの?と思いました。
私には想像できない、裕福な人たちの話?
不倫関係だから優しくなれる
距離感、というか隔たりが印象的な作品だった。
主人公の綿子は、基本的に木村以外に対して壁がある。
喩えば英梨とは、仲はいいけど秘密までは共有しておらず、一定のよそよそしさを感じた。
冷めきった関係の旦那や、不倫関係の家族は言わずもがな。
これには綿子の抱える罪悪感が関係していると思われるが、想いを吐露できる相手はいない。
秘密を抱えるというのは、そういうことなのだ。
文則とプレゼントを交換しあった夜は、関係を修復できそうな気配があった。
しかし、文則には無理におどけている節があり、綿子にもそれに合わせている気配がある。
あれを“本当”にするには、自分を誤魔化すことも含めてあと5歩くらい必要だろう。
結局綿子は木村との思い出を捨てきれず、文則は理詰めでそれを追求し、ふたりは別れる。
不倫が“逃げ場”だったり“発散場所”だったりするから、大切にするし守ろうとする。
逃げるのも発散するのも、本来守るべきもののためだったことも忘れて。
多層的に描かれた“不倫”というものに対し、考えさせられるところがあった。
しかし、結論は“離婚”というありふれたものであり、登場人物たちが何を得たかは描かれない。
唐突に焚き火を見つめる綿子と木村のカットが差し込まれるなど、意図の見えない余計な演出も多い。
委ねる系の結末は嫌いではないのだけど、せめてもう半歩踏み込んでほしかった。
「不倫は文化」ですかね
お互い不倫者の心理をよく分かっているだけに却って解決策を見出せないどん詰まり夫婦。後ろめたさ故に決断を相手任せにする不毛な会話が関係をどんどん悪化させるのが痛い。
客席に夫婦らしいのが何組かいたけど大丈夫か?
微妙
タイトルから想像するとおりの不倫したり、されたりのストーリーなのだが、ドロドロというほど深く抉った描写もないし、主人公・綿子(門脇麦)の行動が全て突飛というか唐突過ぎて、何か話が上手く繋がっていかない。
台詞も芝居がかっていて、舞台作品のよう。
元々、舞台が主戦場の監督さんと聞けば、なるほどな、と思えるが・・・
見方を変えれば、チャレンジングな映像作品かな。
演技無双
だいたいどんなことが起きるかは予告で分かってるけど、展開早いな。20分くらい…?
そこからは…簡単に言うと、真綿を敷き詰めた地獄、って感じ…
そもそもみんな感じ悪いんだけど、夫役の田村健太郎さんの感じ悪さは自分を観るようでホントにヤになりました…
でもまぁ総括すると、門脇麦の演技相撲無双映画…
門脇麦という池にちょっとした石を投げ込んで、波紋を楽しむみたいな、そんな映画でした。まさに、「ほつれる」…
90分くらいで良かったよ…
何を伝えたいのか
キャスト、演技、映像、雰囲気など、どれも悪くはなかったのですが、肝心の何でこの作品を映画にしたいと思ったのかは分かりませんでした。
観る側の年代や既婚か未婚かによって感じ方が分かれるのかも知れませんが、私にとってはストーリーがあまりにも平凡というか当たり前過ぎて、観終わった時の感想は「だから何?」でした。いったいこの作品は何を伝えたかったのでしょうか?
強いて言えば、不倫相手が目の前で交通事故に合い、人命よりも保身を選択するシーンが非凡でしたが、私にはこの作品はよほど人間を否定したいのだろうなと思わされただけでした。
私はこういった類の、ひたすら否定だけして終わってしまう作品は苦手です。
映像化するほどではないね😵
子持ちの理屈っぽい男と不倫の末に結婚して子供の用事と偽られ不倫された女が「じゃー私も」と不倫するという哀れな男女のお話🚻挙げ句の果てに「私は不倫相手の〇〇さんが好き」では身も蓋も無い。
途中から何を観せられているのかも理解不能になる無意味なストーリー。抑揚といったら不倫相手の男の突然の交通事故死ぐらいで伏線も回収もない。
しかも尺が短いので浅い浅い内容で突然強制終了という感じがしました。
門脇麦と黒木華さんの無駄遣い。
お二人に⭐️1.5づつで⭐️3にしました。
気になる方はいるかもですがオススメはしません😵
97
もう少しメインキャラの人間性や関係性を描いてほしかった
不倫はとてもリスクが高く、バレたときに払う代償が大きい。だからということでもないが、相当な覚悟を持っていないとできない(はず)。でも、実際に不倫をしている人たちのほとんどはそんな覚悟もない。もちろん、人それぞれの事情があるから頭ごなしに責めるつもりは全くない。でも、映画なんだもの、どんな事情かは知りたいじゃないか。
序盤、門脇麦演じる綿子と染谷将太演じる木村の関係性が、不倫をしているということ以外わかりづらい。指輪を渡しているから相当の関係性と思っていいのか、それとも寂しさを埋め合うだけの関係なのか迷ってしまう。その後の綿子の態度も、保身なのか混乱からなのか、事故現場で最後まで救急車を呼ばずに逃げてしまったことへの罪悪感?それとも恋人の喪失感?気持ちがつかみづらいまま後半になってしまう。
そもそも夫の文則が優しそうに見えて、とても嫌な印象を持っていたが、徐々に本質が現れてきて、あぁなるほどこれなら他の男を求めてしまうのもわかるなと思う流れ。いや、それでも納得できない人は多いか。
ただ、文則だけでなく、綿子や木村にしても、キャラクターの描き方が表面的だからあまり入り込めない。上映時間に余裕があるんだからそこら辺の描き方はもう少しできたろうに。
そして結末。この結末をどう感じるかは人それぞれ。自業自得と見るか、主人公綿子の喪失を切ないと思うか、逆に少しでも前向きな未来を感じるのか、はたまた観ている者に委ねられすぎて呆然としてしまうか。私は少し呆然としてしまったタイプ。
無音
上映中ほとんどの時間音楽が流れない(覚えているのはラストシーンで音楽が鳴ったくらいかなぁ)、なのに時々雷が何処かで鳴っているような低音がかすかに伝わって来て、不穏さを煽ります。
なのに、阿鼻叫喚な地獄絵図には展開せず、主演の門脇麦さんも口が重たいからモヤっとしたままいつの間にか終わってしまいました。
田村健太郎さんのモラハラ夫っぷりがちょっとイラつかせてくれたくらいで、全体的にはぐらかされた感じでした。
財布をあそこで開けるって、中に入っていたものはとっても大事だったんじゃないの?と、ツッコミたくはなりましたけどね。
門脇麦さんの素晴らしい演技が終始堪能出来る作品。 本年度ベスト!!
個人的に門脇麦さんに主演女優賞を差し上げたい位の作品だった!
ほぼ全てのシーンに門脇麦さんが登場。
本作はストーリーを楽しむ感じでは無く、会話劇を楽しむって感じ!
その会話にメッチャ引き込まれた!
ぶっちゃけ登場人物達に共感する事は出来ないけど、終始リアルな感じの会話が素晴らしい!
ほぼ夫婦の関係が終わってる門脇麦さん演じる綿子とその旦那。
染谷将太さん演じる木村と綿子が浮気をしている設定。
その木村が交通事故死で亡くなり、木村と浮気をしていた頃の過去と、綿子夫婦のこれからについて話し合う、2つのストーリーが同時進行して行く感じ。
綿子の旦那が理屈っぽくてクソ(笑)
亡くなった木村の父親も何だかクソ(笑)
もちろん綿子もクソ的なキャラ(笑)
みんなクソなんだけどストーリーが実話ベース的な感じの展開でスクリーンに終始引き込まれた!
BGMもほぼ皆無。
登場人物のセリフに集中出来た感じ。
エンドロールも音楽無しの無音。
作者の拘りを感じる。
終盤、綿子が旦那にカミングアウトするシーンのリアル感が素晴らしい。
夫婦や親子の関係が本作のタイトルの、ほつれている感じが生々しかったです( ´∀`)
昆虫的思考の行動の果てではあるけど、お前らほとんどめんどくさいぜ!
門脇麦さんは好きな女優さんなので以前からチェックしていた作品を鑑賞しました。
で、感想はと言うと…面白い、面白くない以前に出てくる殆どの奴らが面倒くさいw
門脇麦さん演じる絹子も面倒くさいが夫の文則も木村の父親の古舘寛治さん演じる哲也もちょこちょこと面倒くさいw
早くも亡くなった木村もそれなりに面倒くさいし、木村の妻も姿を見せないけど勝手に入ってくる文則の母親も面倒くさい。
面倒くさくないのは黒木華さん演じる英梨ぐらい。
特に田村健太郎さん演じる夫の文則が凄い。
ねちねちねちねちとすんごい面倒くさい。イラッとさせることこの上無いw
劇中で文則との約束をすっぽかして木村の墓参りに行った際に口では“…別にいいよ”と言いながら、英梨や果てにはたまたま会った木村の父親の哲也にも電話に出てほしいと嘆願するのにはあんぐり。
前妻の息子(多分)がいるけど、自分の母親に預けっぱなしで済まそうとするなんて、もうメンヘラと言うか殆どサイコパスですやんw
でもこんなねちっこい演技が出来る田村健太郎さんが凄いんですよね。
あと、木村の父親の哲也が劇中で語っていた“事故にあい、苦しんでいる飼い犬を楽にさせてやりたい”と首を絞めたと言うくだりは台詞だけでもキツい。
理屈は分かるけど、せめて子供の前ではやらないと言う遠慮と言うか、考慮は出来なかったんだろうか。
これが後々の哲也のねちっこさに繋がると考えると伏線張りはスゴいねw
ネタバレになるけど、結局絹子と文則は不倫がいろんな部分で原因になってるのでもう自業自得と言うか因果応報。
別れた直後に木村の事故を目撃した絹子は声も出さずに救急車を呼ぼうとするが不倫旅行がバレるのを怖れて、結局救急車の要請をしないまま電話を切ってしまう。
そこから告別式の連絡があっても出席しない。
不倫をバレないようにする行動であったとしても正直人としてどうなのかと考える。
あと時、即座に救急車を呼んでいれば木村は助かったのではないか?と言う思いには至らない。それを悔やむ描写もない。
淡々と不倫を隠し、不倫がバレると“木村くんに逢いたい…”と言う台詞がほぼクライマックス。
正直この絹子の描写はちょっと怖いどころではないが、そんなもんかと言えばそんなもんかも知れない。下手に仏心を出して不倫がバレて夫から後ろ指さされるよりかはよっぽど理知的な行動と言えるが人としてどうなのかと言うよりかは何処かに昆虫のような行動思考に思える。
そう考えるとこの作品は昆虫的思考の人たちのお話と言えば腑に落ちるが…そこは人の行いなのでそうはならない。
様々な不倫の末の因果が巡り巡っている訳でそれをうわべだけで済まそうとしているのが気持ち悪いんですよねw
絹子と木村の不倫から物語が始まるけど、それ以前に絹子と文則も不倫から始まっている。
個人的には不倫や浮気は第三者がどうこう言う問題ではなく、当事者とその家族の問題なのでその人達が良しとするならば、それはそれで良いのではと思うんですが、肯定的にはなれないし、やっぱり因果は巡るんですよね。
この作品で良いのは過剰な描写が無いこと。
何処となくお洒落な感じがしなくもなくw、淡々と描かれているのは必要以上に煽ってなくて良いかなと。
また一応オチと言うか、決着もしている点。
ただ、淡々と描いている分起伏が薄い感じで84分と言う上映時間の割りに中弛みも感じるかな。
あと、エンドロールで殆どBGMが無いのは個人的には好きですね。
門脇麦さんと言えば、尖ったと言うか突き破った演技が光る役者さんかと思います。
特に「愛の渦」や「止められるか、俺たちを」は門脇麦さんの演技が光る作品かと。
近年は落ち着いた大人の女性を演じることが多いみたいだけど、まだまだ落ち着く年齢でもないのでもっともっとブチギレの突き破った、エッジの効いた役をやってほしいですねw
例えば、「シド・アンド・ナンシー」のナンシーみたいなと言うか、史実の稀代の悪女のそうなるまでの半生とかを演じたら似合うと思うんですよね~
あと、黒木華さんが出てくるだけで何処か引き締まる感じがするのは凄いね♪
不倫をテーマにした作品は好みがある程度分かれると思いますし、個人的にもそんなに好きではない。
でも、門脇麦さんが出ている作品はやっぱり鑑賞しようと思いますが、不倫肯定的なのはちょっと勘弁。
でも、この作品は殆ど人が昆虫的思考で動いていると考えると妙に納得w
タイトルの「ほつれる」ですが、自分自身でほつらしとるんやないけ~!と思うのは自分だけではないかと思いますが如何でしょうかw
とりあえず、謝っろっか
まず、加藤拓也監督について。
1993年生まれの現在29歳!
17歳でラジオ、TVの構成作家をつとめ、翌年イタリアに渡り映像演出を学んだそう。
帰国後に「劇団た組」を立ち上げ舞台演出に関わり、その後数々の賞を受賞した若きベテランです。
22年「わたし達はおとな」
で長編デビュー(脚本・監督)
本作は2本目の映画になるそうです。
(ちなみに↑の主演は、今公開中の
「福田村事件」の新聞記者役の木竜麻生ちゃんです。)
うんうん。若いのにすごいキャリアと才能をお持ちです。
加藤監督の作品は
「わたし達はおとな」しか観た事がないのですが、、
キャストが素晴らしく、絵の撮り方もこだわりを感じるし、何より言わせるセリフが巧い!という印象。
両作共好きなテイストではありますが、登場人物がどっちもどっち感は共通だったかな。。
さて、本作は。
麦ちゃんが舞台挨拶で
「映画好きには今年外せない1本」と語っている記事を読みました。
ん??ほんと??w
これってみんな不倫まくり!のお話しなんですけど、なんだかちょっとサスペンス?!?!
(古舘さんパート)
それから倫理観やモラルについて。
本作ではそこに描かれていない行間を自身で埋めよ!と言わんばかりに鑑賞者に委ねてきます。
なので、こちらの置かれている状況や、今まで培ってきた人生観で、だいぶ見かたが変わる作品なのかなと思いました。
「不倫はいかん!自業自得!」という意見はちょっと置いておいて。。
死んでしまった木村(染谷君)との思い出は、綿子にとってはこれから先も、永遠にきれいなままの思い出として残り続けるんだろうな。
それは良くも悪くもね。
彼女を支配し続けるのだろうな、と思いました。
それと、監督の意図だと思いますが、不倫不倫な物語りなのに、綿子と木村の性描写は描かれず、夫の文則とのチュウは差し込んでくるその対比が面白かったです。
好みが分かれるタイプの作品ですし、余白を委ねるにしたって少々荒削りな気もしますが、、加藤監督の若き才能にはこれからも期待したいです♪
もう3、4本撮ったらすごいの見せてくれそうな予感もするんだよなぁ〜
あと、文則を演じた田村健太郎君は麦ちゃんをも食った演技力でした!
すごーく苦手なタイプの男子だったw
全86件中、41~60件目を表示