キリエのうたのレビュー・感想・評価
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アイナが好きか嫌いか
かつてはCharaが苦手な私を見事にChara好きにさせてくれた『スワロウテイル』の事もあり、アイナが苦手な私を映画の力で好きにさせる事が出来るか?との希望を基に鑑賞。
結果ますますアイナが苦手になりました。
久々の音楽映画で岩井マジック再論なるかと思いましたが残念。
そもそもアイナの特に声が生理的に受け付けないので街角での路上ライブシーンはただただうるさくて苦痛。
歌う度になぜか周りが惹かれて行き、喫茶店で金切り声で歌われても笑顔で拍手する客たちにうんざり。お前の歌声が雑音ばっかで聞きたくないよと内心ツッコミ。
喋るシーンも喋れない設定のかすれ声が苦痛で、アイナ周りの全てが苦痛でしたが、岩井俊二最新作だと念じながらなんとか鑑賞しました。
岩井俊二最新作を見る度に「90年代の監督、2000年代前半までが最高潮」と言う印象を再認識しながら、最新作公開となれば観に行くと言う、因果なもんです。
篠田マジックとばかりは言えない当時の言われ方で言うと“映像作家”岩井俊二がいた時代は確かにあった。
その点で言えば『リリイ·シュシュのすべて』を自らの遺作にしたいと言っていた岩井俊二は賢明だ。
なにせ今回はハナからアイナを受け付けなかったので、たまたま友達と一緒に来ただけのキリエが夏彦を誘うくだりなど脈絡もなく淫売にしか見えなかったです。路花と比べてただでさえ見所の少ないキリエの印象は申し訳ないが、ただの流し目のしつこい淫売です。よって夏彦にも感情移入できず。
震災のシーンもペラいちの波の静止画のようなもので津波を表していたように見え、昔の岩井俊二ならジオラマでもなんでも波に呑まれるシーン撮影したんじゃないかな。とか思い。(被災者への配慮とかあんだけ揺らしといてもう要らない)
お決まりのように最後には警察騒ぎ&花束と血
なんの衝撃も無い。
期待外れを納得したヤッパリな残念3時間でした。
アイナ目的、アイナが好きなら魅せるシーンは多々あります。
らしい映画。
良く言えば日本映画らしい。明確なオチがあるというより、他の世界線でキリエたちが暮らしているような、皆がなにかの形で幸せに(といっても幸せの形は色々でしょうが)過ごしているんだろうと思う内容でした。私は好きでした。
原作未読ですが、少し事前情報を得ていたのでスムーズに理解出来ました。ルカとキリエの二役、イッコの本名など。
松村北斗目当てで見ました。夏彦の心情、弱く、脆い青年の趣を表現してました。(電話のシーンはよく見る松村北斗にしか見えませんでしたがそれはそれで良かったです)横顔の儚さは素晴らしかった。キリエ(ルカ)を前にして泣き出したシーンは切なくなりました。
全編通してアイナさんのMVのように感じましたが、震災やイッコの心情など、色々な物を絡めてありラストの演奏は広瀬すずさんの刺されたシーンを引き立てて美しかった。
広瀬すずさんの美しさと松村北斗さんの儚さ、弱さ、アイナさんの力強い歌声が合わさって人の心を揺さぶる作品になったと思いたいが、割りと見る人を選ぶ作品になってます。歌唱曲の年代やラストのフェスの乱闘(あまり乱れてはないですが)は学生運動のような夢追い人とその他の気持ちを表してますが、今の若い人にはそこまで入れ込めないかもと…。むしろ30代以降の大人の方が感情が入りやすいです。夢を追いかけたけど、妥協したり。夢を夢のまま過ごした経験があれば、スッと胸に落ちる感覚がありそうです。将来を見据えるわけではなく、今を楽しむキリエの姿と歌を感じられると思います。
アイナさんの特徴的な歌声を存分に大音響で楽しめるので、ファンの方はぜひ。
いい松村北斗が見れて良かった。
余談ですが、キリエは「讃歌」や「祈り」の意味を持ち、ルカはキリスト教を説く弟子の一人です。ルカが姉のキリエを名乗ったのは、讃歌として歌う、キリエを忘れないよう伝えていくためかなと思いますが、親はキリスト教信仰者とはいえ、何故姉にキリエと名付けたのでしょうか?名前の意味の姉妹差が大きい気が…そこだけが辻褄が合わない気がして疑問です。
広瀬すずが可愛かった
原作に目を通さず、興味本位で観てきました。
正直な感想は、何を伝えたかったのか分かりづらかったです。
ルカの姉(キリエ)が津波によって亡くなってしまうシーンで、ルカと合流したキリエが亡くなってしまったのになぜルカは、生き延びることができたのかと疑問に思ってしまいました。合流した後にルカとキリエは、はぐれてしまったのでしょうか。
また、キリエは自分が死ぬことが分かっていたかのように夏彦と電話をしていましたが、夏彦の気持ちになって考えてみると、フィアンセの確認などの発言は、今言うことではないだろと、少しムカついてしまいました。早く逃げてほしかったです。キリエがシャワーを浴びた後に、地震の揺れを感じるシーンは服を着て欲しかったです。
広瀬すずの、演技は圧巻で、途中から出てこなくなると物足りなさすら感じました。
アイナも、初主演とは思えないほどの存在感を出していてよかった。
1回目の鑑賞ではカタルシスはなかった。2回見なくては!
個人的な妄想混じりの散文感想です。
頭の中を整理する意味でも書いて見たいと思います。
岩井作品はドラマも含めて全て見ていて待望の新作ということで見にきました。まだ頭の中で整理しきれてないのですか、なんですかね、この、映像からもらった感がないのは。情報量が多すぎて鑑賞中は処理しきれてなかった!
キリエ=切り絵、そしてクリスチャンということでステンドグラスを思い起こさせるのですが、キリエは人から光を当てられることで輝き魅力を発揮する存在なのだと思うと、なるほど最後は幼馴染、レコード会社の人間など誰かに光を当てられなくとも自ら輝き出す(声が大きくなる、一人でネカフェに泊まれる)ようになったっていう自立の話かと思うのですが、ただその一歩が小さすぎて分かりづらくて、、、。
「スワロウテイル」や「リリィシュシュのすべて」「マリア」「花とアリス」など各作品のテイストか合体したようなストーリーや設定が随所に見られ、特にカメラワークでは女の子二人のシーンでは故篠田昇さんを思わせる岩井美学をたくさん感じあぁ岩井さんの作品だなぁとしみじみ。
お話に関しては表題の通りで
広瀬すずさん演じるイッコは、結婚詐欺をしていたので感情移入は出来ず。ただ今思えばそれは結局、おばあちゃんから続く血は争えなかったと取るのか、自分の夢を奪い去ったかの男への復讐だったのか、、、。残念ながらそういった行動を起こすきっかけとなる悔しがるような感情を表すシーンが少なかったかな。なので結婚詐欺して恨まれて、、、。そりゃそうだしか感情が湧かなかったです。その分、夏彦が感情を露わにしていて、恋人を自分の夢を邪魔するものと思ってしまう自己嫌悪に苛まれる。この3人はある意味同じ境遇で本人達の知り得ないところで感情を共有しているのかも。
アイナさんの演技はよかったのです。ただキリエも感情が見えにくいストーリー設定なのでドライなんですよね。悲劇的なシーンにそれほど感傷的にならなかったかな。歌詞があまり入ってこなかったので(ここで感情を爆発させてた?)キリエの感情にも触れられず、、、。
そしてあの場面での武尊、要らなかったと思います。
七尾旅人は最高!
今回一人二役が二人。と言っていいと思いますが、主人公が誰かになり変わることで何かを変えて幸せの青い鳥を探して(途中に砂浜の鳥籠から飛び出した二人が描かれていましたね。)自己実現をするお話だとするとらさらにそこで、過去の名前を捨てたイッコと過去をひきづっているキリエという二人の対比で描いた狙いは素晴らしい。でも、だとしたら二人の関係値は平等であった方がより分かりやすかったような。同級生設定の「花とアリス」ではこの辺がうまくできていたと。
大人になっても姉の彼氏を慰めるシーンでは一人二役が素晴らしく生きた極めて映画的なシーンと思います。
ということで、過去に傷を受けた若者たち3人のその後の身の振り方の話しで、それぞれのどう向き合っていくのかという話というのが今の感想。
歌詞も理解しないとほんとのところお話も理解できないですね。
警察や法律、児童保護施設はほんとに人に寄り添っているの?っていうところ、岩井さんも違和感を感じていたのね。途中に出てくる人智を超えたものの恐ろしさをほんとに胸が締め付けられるくらいたっぷり描くのすごいけど怖い。
長いなぁ・・・
2023年劇場鑑賞242本目。
コロナワールドのトイレって予告の音だけが流れるのですが、アイナ・ジ・エンドの歌がずっと流れていて映画のタイトルがしばらく分からなかったのがこれでした。
ハリウッド映画では最近珍しくないのですが、邦画で3時間近くあるのは珍しく(もちろん七人の侍を筆頭にないことはないのですが)、最近だとドライブ・マイ・カーが印象的なくらいで久々な気がします。
予告で歌わないと声が出ないと聞いていたのですが、声がかすれているとはいえ普通に話せています。しかも、アイナ・ジ・エンドが普通にしゃべるシーンがあるのですが、そこでのしゃべり方が声が出せない設定とそんなに変わらず、終盤になるとそんな設定すらなかったかのように普通にみんな声で会話しているのでこの設定に時間使うだけ無駄になっています。そこだけでも20分は削れたのでは?
映画大好きポンポさんで語られていた事で、あるワンシーンを撮るためだけに作る映画がある、というものなのですが、多分この映画の広瀬すずのラストカットがそれに当たるのでしょう。あのシーンだけは本当に美しかった。それにしてもそこにいくまでが長すぎました。
アイナ・ジ・エンドさんの歌声に引き込まれる作品。 本年度ベスト!!
アイナ・ジ・エンドさん目当てで鑑賞したけど期待以上の歌と踊り!
これに加えて思ってもいなかった体を張った演技に圧倒された!
ストーリーは今一つって感じだったけど彼女の演技に0.5点の加点。
アイナ・ジ・エンドさん演じる小塚路花の名を隠して生きるキリエ。
広瀬すずさん演じる広澤真緒里の名を隠して生きるイッコ。
この2人を中心に展開するストーリー。
2人とも本名を隠しながら生きる理由が本作の肝って感じだったけど、思いもしない災害の出来事を交えた作品とは思わなかった。
路上ライブで歌うキリエのシーンが多目。
自分的にはそこは大満足!
本作オリジナルの曲も良いけど、オフコースやあいみょんのカバー曲もとても良かった!
ハイトーンのハスキーボイスが心地良い!
お笑いの粗品さんも登場。
ミュージシャン姿がお似合い!
調べたらキーボード弾ける方だったのね。
どうりでカッコ良かった(笑)
キリエの過去が壮絶!
キリエの現在、幼少期、学生時代の時系列が入り乱れながら展開するストーリーなんだけど、どの時代も壮絶過ぎる!
そんな中、ある人物の潮見(松村北斗さん)や学校の先生の寺石(黒木華さん)の力を借りながらキリエが自分の人生を歩んで行く感じ。
広瀬すずさん演じるイッコが怪しい(笑)
派手な衣装や交友関係の広さ。
お金も結構使うんだけど、一体何の仕事してるの? と気になる。
そんな中、イッコがスクリーンから消えてからの展開も予想外で、マジかっ!って感じ(笑)
前述の通り、本作はアイナ・ジ・エンドさんの作品って感じで自分的には大満足!
血が繋がって無いから個人情報は話せない。
路上許可証がないから盛り上がってるライブを中止させようとする。
等のシーンも考えさせられた感じ。
キリエのこれからの未来がメッチャ気になります( ´∀`)
ルカのうた、キリエのうた、イッコのうた、夏彦のうた、イワイのうた…全ての思いが重なっていく
最初予告編を見た時、人気ミュージシャンを映画初主演に迎え、単なる路上ミュージシャン少女の話と思っていた。岩井俊二監督作にしては安直な…。
が、少し詳細を調べてみると、13年に及ぶ物語。それを3時間の長尺で描く。興味が沸いてきた。平凡な作品にはならぬだろうと。
で、実際に見てみたら、想像以上の壮大な物語。
4つの時代、4つの場所、4つのエピソード、4人の男女が交錯。
現代。路上ミュージシャンのキリエと不思議な女性イッコの出会い。
2018年。将来に悩む女子高生マオリは家庭教師の妹ルカと友達になる。
2011年。小学校教諭のフミと家ナシの少女ルカの出会い。
2010年。高校生の夏彦は一年後輩のキリエと恋仲になる。
これだけ書き出すと、どういう人間関係?…と思う。同じ名前…? 同一人物…? 別人…?
それぞれが別々ではなく、無論繋がりあり。作品的に言ったら、不思議な縁と言った方がいいだろう。
まず、現代。東京。
路上ミュージシャンのキリエは上手く喋れず、歌しか歌えない。
路上で歌っていた時、一人の女性イッコが足を止める。
不思議な魅力のイッコ。彼女はキリエのマネージャーを買って出る。音楽プロデューサーにも紹介する。キリエの歌はにわかに注目を浴びるように。
実は、キリエは覚えていなかったが、これが初対面じゃなかった。高校の先輩と後輩で、唯一の友達だった。
イッコの本名はマオリ、キリエの本名はルカであった…。
2018年。帯広。
将来の進路や夢も無く、ただ漠然と日々を過ごすマオリ。
母親が再婚。その相手から家庭教師を手配される。
家庭教師としてやって来た夏彦。彼の教えでマオリは大学受験に励むように。
マオリは夏彦から妹と仲良くしてやって欲しいと頼まれる。
そうして話し掛け、親しくなったのがルカであった。
夏彦とルカは実の兄妹ではない。それでも3人は欠けがえのない時と絆を深めるも…。
2011年。大阪。
男子生徒から、何も喋らず家も無い少女の事を聞いた小学校教諭のフミ。自宅に預かる。
所持品から名前は“コヅカルカ”。さらにSNSで調べると、石巻で“コヅカキリエ”という女性を探している“なっちゃん”の投稿が。
連絡を取り現れたのは、夏彦。
彼はルカやコヅカキリエとの誰にも話した事の無かった過去を話す…。
2010年。石巻。
高校生の夏彦は一年後輩のキリエと出会い、付き合うように。この時ルカも紹介される。
やがてキリエは夏彦の子を妊娠。結婚を約束。
夏彦の進路の事で暫く会えなくなり、電話のみのやり取り。
久々の電話。その時…。2011年3月11日の石巻…。
ルカを探しに行ったキリエは…。
独りぼっちとなったルカは、大阪行きのトラックに…。
誰と誰が関係あって、こことここが繋がって…いざレビューにしてまとめようとすると、なかなか複雑。
しかし実際に見ると、自然にスッと話に入り込む。
ルカが持つギター。
何故ルカは“キリエ”と名乗るのか。
何故ルカは歌しか歌えなくなったのか。
ルカにとってのイッコ。
イッコにとってのルカ。
不思議な縁によって、絶たれた絆を再び繋ぐフミ。
キリエと夏彦。夏彦の贖罪。
キリエとルカ。その姉妹愛。
出会いと別れ、後悔とそれぞれの思い。
運命に導かれるようにして、何度も交差してゆく。
どうしようも出来ない事もある。法や社会が立ち塞がる事もある。悲しく、辛く、苦しい事ばかりのこの世界…。
伝えたくても伝えられない、届けようとももう届かない…。
たった一つだけ。歌声に乗せて。この全ての胸の内を、思いを。
名前は聞いた事あるけど、歌手としてもそれほど意識してなかったアイナ・ジ・エンド。
本作で我が脳裏にしかと刻み込まれた。
喋り方や演技の巧い下手、人それぞれ意見が分かれるだろう。
が、キリエ/ルカと一心同体。彼女が演じてこその魅力と輝きがあった。
内向的なルカとアンニュイなキリエ。一人二役。それぞれもしっかりと演じ分け。女優としても原石。
そんな彼女を、劇中同様周囲がサポート。
年齢的にはまだまだ若手枠だが、その存在感も個性的な演技もベテランのよう。つい先日見た『ネメシス』のイマイチさを、軽く払拭してくれた広瀬すず。マオリ時代とイッコ時の演じ分けは勿論、変わる変わるヘアスタイルや衣装も楽しませてくれた。
黒木華も同じく。本当にサポート的な役回りと立ち位置だが、作品や周りを引き立たせる。にしても、彼女の先生役は何度目…?
松村北斗も好演。所々演技が拙かったり、光るものあったり、それがまた作品にシンクロしたナチュラルさ。
周りも村上虹郎、大塚愛、江口洋介、吉瀬美智子、奥菜恵、浅田美代子、石井竜也、北村有起哉などなどなど、若手~ベテラン~実力派~ミュージシャンまで、豪華キャストが彩る。
ツボったのは、『ラストレター』では庵野サンだったが、今回は樋口サンかい!
また、ルカの子供時代を演じた矢山花も忘れ難い。フレッシュさキュートさもさることながら、涙を浮かべる長いワンショットのシーンには引き込まれた。
そして言うまでもなく、アイナ・ジ・エンドによる歌。
美しく歌い上げるというより、ハスキーボイスの心や魂の熱唱。
それが役の心情とリンク。
小林武史による音楽、岩井印のノスタルジックで圧倒的な映像…それらの美しさ。
演出・語り口・編集など巧みというより、岩井監督の感性。
それに魅了されるか否かで、作品自体の好みも分かれる。
話も壮大のようであり、PVのような映像を延々流し、実の所中身は薄いと人によっては思いそう。
アイナ・ジ・エンドの下着シーン、レ○プされそうになるシーンも評価の分かれに拍車をかけそう。
そして、震災シーン。実際の震災と同じくらい長く揺れ、個人的には恐ろしさと共に変に避けたりせずしっかり描いたと思ったが、特にこのシーンは賛否分かれそう。震災題材の作品でもないのに、あんなにリアルに描く必要あったのか…?
ハマれば至高の3時間。ハマらなければただただ長く退屈なだけの3時間…。
私個人は、物語にもキャストのナチュラルな演技にも歌にも映像美にも魅了された。
3時間たっぷりと入り浸った。
実は、直前まで見ようか見まいか悩んでいた。
スルーしないで良かった。
素直に、見て良かった。
「無情」を生きるアイナの隠しきれなかった魅力
3時間という長さ、そこ映画として必要?、というシーン、ぶっ飛んでる設定、錯交する時間と場所。
疑問を感じるところもあった。
だけどね、Kyrieの魅力は、すさまじいね。
矛盾だらけで、どうしようもなさに溢れるこの世界。キリエの歌は、その無情さに対する贖罪なんだなーって。彼女に罪はないのに。
アイナ・ジ・エンドの1人2役がこの映画に、リアリティを与えている。
まるで自分の半生をもう一回演じているかのような自然さ。
荒削りだけど、尖った映画、好きです。
スーパーロングドラマティックMV
のっけからのキリエ(ルカ)の歌声から泣かされる。彼女の歌唱の感動力は半端ない。ストリートで歌っている人達を路上カラオケと揶揄している私にとって、あんな人が路上で歌っていたら、きっと立ち止まって号泣してしまうだろう。ラストの歌唱シーンは「スワロウテイル」を彷彿とさせる。
歌
アイナ・ジ・エンドだからこその魂から叫び声が体に伝わってくる。個人的にはすごく良かったし、3時間がすぐに過ぎてしまった。終わった後にキリエのアルバムを聴いてまたさらに浸れる。現実世界でも楽しませてくれる映画。
バランス
岩井俊二の大長編。覚悟していたよりは見やすく眠気も訪れず。前作ラストレターには感心しなかったが今回は満足できた。決して絶世の美女ではないアイナ・ジ・エンドの声と顔と肢体の魅力が見どころ。姉キリエと妹キリエの演技もしっかり分けられていた。松村北斗とのストーリーは泣かせる。
広瀬すずがイッコとしてかつらを被っているパートはファンタジー要素として入れたくなる気もわかるが、正直無理がありすぎて目立つ弱点になっている。シスターフッド筋として入れたいのなら、イッコをもう少しまともな人物とし、男たちのパートをごっそり削って2時間にまとめたほうが好みになりそう。
最初から最後までかなりの曲が流れっぱなし、ほとんどが監督世代の曲で自分にはぴったり。既に監督のファン層もソコソコ行ってるんで問題ないと思うが、若い客には厳しいかも。
アイナのうた
今年の6月をもって惜しまれつつ解散したBiSHのメンバー、アイナ・ジ・エンドさんが主演をつとめた彼女の歌唱を存分に堪能できる音楽映画(ジャンルがよくわからん)。
BiSHの楽曲を聴いたことある方ならご存知かと思いますが、彼女の歌唱はメンバー内ではちょっと技量的に頭ひとつふたつ抜けてんじゃないかな、と他のメンバーには申し訳ないけど正直思います。
パンクな楽曲では情熱的でパワフル、またバラードでは心に直接語りかけてくる様な人生の悲哀さえ感じ・・・表現力における振り幅の大きさには本当に脱帽!とてつもなくレベルの高い若手ヴォーカリストなのです。
ですから、今作で路上ライブを「Kyrie」役で演じる彼女の歌声にはどうしても、今後のソロ活動を重ね合わせてしまいます。歌の演技は本当に素晴らしかったですね。
ただ、彼女が演じる数奇な運命を辿るキリエ(ルカ)の設定、ストーリー、演出が彼女にマッチしていたか・・・というと甚だ疑問でして、私の中ではキリエ(ルカ)はいつまでたってもアイナでしかありませんでした。
残念ながら「アイナのうた」・・・から脱却できてない、キリエという役柄にそこまで魅力がない(無論、歌は除く)ということでもあります。
声出ないけど歌なら唄える・・・感情表現が基本無言である難しい役柄、それ以外の演技でも本職が役者ではない彼女にとっては酷だったのではと思います。
これは彼女の責任ではなくそれを強いてそんな複雑な設定やシナリオにしてしまった監督はじめ製作陣の責任かと考えます。
逆に言うと、周囲を黒木華さんとかもう仕草、態度が小学校の優しい先生にしか見えない、まるで息をする様に名演をしてしまう俳優の方々(笑)で固めていたから、アイナさんの演技が仮に及第点でも彼らと比較すると見劣りしてしまったのかもしれませんが。
とはいえ・・・彼女の魅力的な歌を長時間、大画面で聴けるだけでも大変価値あると思いますので、ぜひご鑑賞ください!
壮大な「アイナ・ジ・エンド」のMV
音楽をたっぷり聴かせる要素を盛り込んだのかもしれないですが、あのストーリーでいくら何でも3時間は長過ぎでした。
あと、「お姉さん(キリエ)とお母さんが津波で亡くなり、路花だけ何故生き残ったのかが映画からわからない」という点がどうしても納得が行かず、もやもやが残りました。映像からは、キリエと路花は同じ場所に居たとしか思えないのに…。
クライマックスで流れる(そこに至るまでも何度も少しずつ流れるので余計盛り上がるのですが)「キリエ 憐れみの讃歌」と、広瀬すず演じるイッコのシーンは圧巻で、そこはすごく力を感じるのですが、そこへ行くまでは正直冗長に感じられ、何度も路上ライブやレコーディング、アカペラで歌うシーンが出て来て、「このMVとドラマの融合体をいつまで見せられるのか」と思いながら見ていました。
また、逆にイッコがなぜ結婚詐欺という危うい道に身を落とすことになったかの描き方が尺の割に浅く(私には理解できなかった)、このあたりもバランスが悪いと感じてしまいました。
それでも、イッコを演じた広瀬すずは、これで演技の幅的にも飛躍を遂げたと思いますし、ブルーを基調にした色彩効果も素敵でした。
アイナ・ジ・エンドのハスキーボイスは本当に魅力的に感じられたし、いろいろ良いところもありました。
同じくらいの尺で作られた『リップヴァンウインクルの花嫁』の時の「引き込まれ感」がすごかったので、期待しすぎたかもしれません。
異邦人~♪
それぞれに辛い過去を抱える若者たちの人生を、キリエの力強い歌が彩りみせていく物語。
上映時間は3時間‼興味深い内容ではあるが、最初から最後までしっかり観れるか心配していたが…これがまったく長さを感じさせない良作だった。
感想はというと…う~ん、何と書けば良いか。。
実際に観て感じてくださいとしか言えないかな(笑)
ただ、登場人物達の心情を歌がよく表しているし、序盤は時系列を行ったり来たりでやや混乱するも、終盤に向けて繋がっていくストーリーは爽快。
好きな歌を歌って暮らしているキリエ。だが、その生活は常に困難がつきまとい。。
イッコさんもねぇ…女を武器にして生きてきた母たちをあぁ言いながらねぇ…。
燻った若者たちの暮らしは辛そうでもあったが、ワタクシもギター弾きとして、そんな彼らがうらやましくも感じたりした。
観るのが辛いシーンも多々あれど、死生観を強く感じさせる作品だった。
壮大なドラマだった。
長いから避けようかと思ったが観て良かった。ストーリーに奥行きが深く、時間は気にならずの3時間だった。
※ただ、観る人、観る時の気持ちによるかも。
ゆっくりした気持ちの時に観ると入ってくる映画。
私は今週分のメニューを大体観尽くしたので、本日は1本だけと決めていたのが正解。
ストーリーは、現在と過去、度々行ったり来たりして、しかも姉の名前を妹が使ったり、、、んんん?って。
映画は上手く作られてはいたが、これも人によっては断片的で把握しずらいかも。
私個人的にも幼少期から順を追って話しをみせて貰った方がより分かりやすかったかな。
ともかく話は壮大で面白かった!!キャストもちょっとした場面のみに有名人を多数起用してたり、これは岩井俊二作品だからできたのかな。
雪のシーンは、中山美穂のラブレターを思い出した。
歌の感じはスワロウテイルを。
ちょっとした懐かしさ?青春を思い出す。
やっぱり岩井俊二ワールドだったし、今の年齢で若い俳優を起用し若い世代の、あの時の感覚のまんま変わらぬ、らしい映画を作れるのは凄いなって思いました。
良作だが……
長いが最後まで緊張感は途切れず、それぞれの登場人物の人生が細かに描かれていたと思う。
何より、声の説得力。震災と死を声そのものが語るよう。
だが……
どうも夏彦役の演技が上滑りしてるようで、そこだけずっと違和感がありました。
歌は素晴らしいけど、結局は?
歌うことでしか声を出せないキリエ
意味不明な女性イッコ
フィアンセを探すなっちゃん(夏彦)
カットが変わるたびに年代、場所が変わり、頭の中がグルグル・・・
石巻や大阪、帯広、そして東京
切り替わるたびに、いまどの年代?どの話?
となりつつも、少しずつ伏線を回収する展開、
これはこれで面白いか。
それにしてもキリエ役のアイナ・ジ・エンドさん、素晴らしい歌声。
ただ・・・伏線回収していったんだけど、このストーリーの落としどころ、
結末がよくわからなかった。
途中で東日本大震災と結びつくのか、と気づいたけど、描写もきつかった。
そして、キリエ・ルカ姉妹を同じ人が演じたことも賛否分かれそう。
そのため、どの時代のシーンなのかさらに混乱。
他の方の点数、高めですが、個人的には3時間もの長編なのに、ちょっと残念。
アイナの持つ歌声のチカラは本当に心が揺れる
3時間近い上映時間、あらゆる方向に散らばる展開。設定、ストーリーは良いと思うのだが、全部に手を出して結果収集がつかなくなってしまった印象の作品。
また時折り登場する豪華?なカメオ出演ははっきりと逆効果だと感じた、物語においてノイズだと思う。ムロツヨシの登場はシリアスなシーンなはずなのにギャグに感じてしまう。
ただ、そんなあらゆる至らない点を遥かに補ってくれるのは、アイナジエンドの歌声の強さだと感じた。初っ端の歌唱シーンで心が揺さぶられた。
散らかったストーリー展開をもっとシャープにアイナにスポットを当てる形の120分程度の作品として鑑賞したいとも思った。
よさげな雰囲気が漂う、よくわからない話
予告でのアイナ・ジ・エンドさんの歌声と、公開初日のレビュー評価の高さにつられて鑑賞してきました。
ストーリーは、歌うこと以外では声を出せない路上ミュージシャンのキリエが、偶然彼女の歌声を聴いてマネージャーになることを申し出たイッコとともに活動の幅を広げる中で、二人の過去が紐解かれたり、新たな出会いが生まれたりするというもの。
鑑賞後の率直な感想としては、「え? どういうこと?」って感じです。ストーリーについていけないということではなく、3時間という長尺で結局何を描きたかったの、本作は何だったのって感じです。雰囲気重視のよくわからない話という印象です。
ざっくりいえば、前半は路上ライブからのメジャーデビューを目指す話で、後半はキリエの生い立ちにまつわって東日本大震災が絡んでくる展開です。ことさらキリエの家がキリスト教徒であることが強調され、妹のルカが姉の名であるキリエを名乗っていたことから、鎮魂をテーマとしていたのかもしれません。だとしたら、彼女の歌が、震災で失われた命を悼み、大切な人を失った悲しみや埋めようのない喪失感などを優しく癒し、そこからまた一歩踏み出す勇気を与えるものであったと感じさせてほしかったです。しかし、終わってみれば、震災がテーマということもなく、最後は投げっぱなしな印象です。
他にもモヤモヤした思いが多く残りました。イッコの絡みもメインストーリーにどう影響していたのか、よくわかりません。キリエとイッコの友情をメインに描きたかったのでしょうか。だとしたら、うーん、伝わりにくいです。終盤での警察絡みのシーンも「これで何を?」と思ってしまい、モヤモヤしたままです。そもそも時系列をいじりまくっていて、目の前のシーンをどんな感情で観ればいいのか戸惑ってしまいました。
とはいえ、歌声は確かに圧巻でした。普段はあまり音楽を聴かないので、ライブシーンにもさほど心を動かされないのですが、カフェでいきなり歌い出すシーンと村上虹郎さんとの初コラボシーンだけは、なぜか熱くなり目が潤んでしまいました。
主演はアイナ・ジ・エンドさんで、初主演とは思えない演技が魅力的です。体当たりの演技も好印象で、本当によく頑張っていたと思います。それだけに、この伝わりにくいストーリーがなんとも歯痒いです。脇を固めるのは、松村北斗くん、黒木華さん、広瀬すずさん、村上虹郎くん、北村有起哉さんら。
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