世界の終わりからのレビュー・感想・評価
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世界の終わり・・・女子高生に託された想い
タイトルから、てっきりSF作品だと思って鑑賞したんだけど・・・
う~ん、何か難しい。
侍が戦ってると思ったら、中国っぽい衣装の女の子が出てきて???
警察の特殊機関みたいな人達が、女子高生のところへ来て、夢を話してくれ???
個人的なことで誠に申し訳ないのですが、主役の女の子に魅力を感じなくて・・・華が感じられないと言いましょうか。何でこんな普通の女の子が、ずっと出てるんだろう?もうちょっと可愛らしい女の子にすれば良いのに。と、そんなことが頭を過りながらずっと見てました。
不思議なもんです。見慣れちゃったのかな。
終盤にはこの娘で良かったと、目頭熱く、感動してました。ホンッと切なかったです。
終末を選択せざるを得ない現状。結局、人間が破滅を招く。
ただね、この後がどうなんだろう?
いきなりの展開、未来人に託された?
何か、力業で無理矢理のハッピーエンドに持ってかれた変な気分。
悲しいのか、切ないのか、これで良かったのか・・・悶々とした中途半端な気分の一本でした。
なんかもったいない
タイムトラベルものは矛盾が多く発生するのはしょうがないがそれを説明するような台詞が多く、先に結果がわかるよう未来が出てくる構成だったりすると途中で興ざめする。
予算がなかったんだろうけど、演技力のある脇役で固めて、もっと尺を短くして詰め込んだら...と思うともったいない。
少女が体感し望む先にあるもの
人が望む世界。
その世界の運命を握ることになる少女の想いの物語。
幻想的な表現やオカルト的な雰囲気を醸し出しつつ世紀末が訪れる世界を描く。
その世界で何を望むのか?力を持たぬ少女の眼を通し、その少女がその運命を握ってるとしたらどうしただろうか?
その問いを自問自答の様に描き、人間の持つ残酷な面を突きつける。人間の恐ろしさ弱さを多く描くことで、望むことの難しさを痛感させられ少女は選択するのだが、その逆も見せ(描き)苦悩する姿が欲しかった。
そしてその先に少女が何を選択するかを観て観たかった。
アニメで作った方が良かったかも
設定はそこそこ面白いとは思いますが、日本でこういった作品を実写で作るとチープな感じがしてしまいます。たとえば、夏木マリが演じるキャラや傍にいる得体の知れない小人達。それから、全人類の運命を託している少女にボディーガードがたったの1人など、とても稚拙に見えたり、リアルさに欠けるところがあり、せっかくの面白みが半減してしまいます。ですので、日本でこういった作品を映画にするなら、実写よりアニメで作った方が、より説得力のある作品になったのではと思います。
それから、これは気にし過ぎなのかも知れませんが、映画アジャストメントに出てくる全人類の運命が書かれた「運命の書」、マイノリティレポートに出てくる「3人の予知能力者と予知の結果出てくる色のついたボール」、千と千尋の神隠しの「湯婆婆」、オブビリオンのような世界観などなど、何処かで観たことあるような設定やキャラが多く、観賞中に気になってしまいました。
スタイリッシュなのにキモ部分の発想が古臭い
世界観が中二病みたい。
スタイリッシュだが、キモの部分の発想がなんか古臭い。
色々詰め込んであるがおかしな所が多い。2030年に行政があんな暴走するのか(しかもわかりやすく!)
また、ユキはなぜ、アジアの少数民族みたいな衣装なのか? マルチバースと言いたいのかもだが、他の人たちが日本の戦国時代みたいなのにそれ必要?
人の過去未来を記した書物が何なのか、ハナの血筋(の女性?)が代々担ってきた「輪廻師」とは、「無限」とは何か、分かる場面がないなど、枝葉のことは過剰なくらい言葉で語るのに肝心なところの説明がないのでフラストレーションが溜まる。
世界の終わりが「核戦争」というのは古臭い。
ハナの現宇宙で起きていることは、ユキの凄まじい恨みの思念から始まったのでしょうか。
ユキ、ハナ、ソラ、と、名前が自然のもので共通しているのは、「輪廻師」の役目を受け継いだ者ということだろうが、ハナ(とタケルの犠牲)に導かれた(輪廻師の役目?)ソラが、発端となるユキの悲劇を防いだので、歴史が変わったというマルチバースの話だったようです。
ラストは「無限」と「ユキ(多分)」に元気に手を振って見送られ、ハナはハードな宿命から開放された、運命を記した書物も「輪廻師」も夏木マリの湯婆婆も存在しない、違う宇宙で生きている、いうことだろうが、新鮮味がなく、やっぱり古臭い感じがする。映画のキモ、一番肝心なところなのに。
(でも、映画としては好き)。伊東蒼、熱演!
この映画が描いていたこととは?私的考察
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい)
この映画『世界の終わりから』は、やや抽象的ではと思われながら、映画が考え尽くされて作られていると感じ、感銘する場面もあり、非常に面白く見ました。
ところでこの作品は、以下の命題が映画の初めに示されているように感じました。
その命題とは、
<<子供の時に両親を事故で失い、育てられた祖母も亡くなってしまい、バイトに追われるがお金がなく進学をあきらめ、学校ではいじめに遭っている少女が、世界の終わりを救うことが出来るのか?>>
だと思われました。
そして、1観客としての私は、その命題に小さくない疑問を持って映画を観ることになります。
この映画の主人公の志門ハナ(伊東蒼さん)は、子供の時に事故で両親を失い、祖母に育てられますが、その祖母も亡くなった場面からこの映画は始まります。
ハナは、政府機関の江崎省吾(毎熊克哉さん)や佐伯玲子(朝比奈彩さん)から自分が見た夢を伝えるように言われます。
そして、ハナは江崎省吾と佐伯玲子に連れていかれた場所で、老婆(夏木マリさん)に会い、2週間後に「世界が終わ」り、ハナの夢によってその命運が変えられるかもしれないことを伝えられます。
ハナの夢には、日本の戦国時代の場面が出て来ます。
その夢の中で老婆(夏木マリさん2役)に手紙を託され、少女のユキ(増田光桜さん)などとその手紙を(夢の中で)祠(ほこら)に届けることになります。
その夢の中の手紙を祠(ほこら)に届ける過程で、ハナやユキは、戦国武将の無限(北村一輝さん)に出会います。
無限は残忍な殺戮を繰り返す存在として現れます。
ところで、ハナの夢は、(戦国時代と現代とで時代が違えど)現実世界と鏡のように描かれていることが次第に分かって来ます。
すると、夢の中の少女のユキは現実のハナと対応し、夢の中で殺戮を繰り返す無限は現実の是枝智史 官房長官(高橋克典さん)やハナにいじめを繰り返しているレイナ(前田悠雅さん)に対応すると伝わって来ます。
夢の中の無限は殺戮を繰り返しているので、観客からははっきりと【悪】との印象を受けます。
また現実でハナに対していじめを繰り返しているレイナも、観客からははっきりと【悪】との印象を受けます。
映画の前半では、これら無限やレイナのような【悪】が排除されれば<世界は救われる>との印象を受けるのです。
例えば子供の時にハナと同じようないじめを受けていた政府機関の佐伯玲子は、ハナにいじめを繰り返しているレイナを懲らしめて<世界を救う>ような振る舞いをします。
ただしかし、ここでハナのような<<世界から虐げられている人物が、世界を救うことが出来るのか?>>という、一番初めに示した命題が頭をもたげます。
そして、私的には、<<世界から虐げられている人物が、世界を救うことが出来るのか?>>の命題に対して、それは難しいのではないか?(NOである)との感想が湧き上がります。
なぜなら、殺戮を繰り返している無限やいじめを繰り返しているレイナが、相手の殺された本人や遺族やいじめにあっている人の内面を全く理解していないのと同じように、逆側の殺されてる人やいじめられているハナや政府機関の佐伯玲子の方も、相手の無限やレイナなどの内面を理解していないと思われるからです。
つまり、双方共に、相手の内面への無理解という点では同じなのです。
(※もちろん一方、ここでの指摘で、殺戮を繰り返す無限やいじめを繰り返すレイナの【悪】が許されたり消え去る訳ではありませんし、【悪】に従ったり【悪】を理解する義務もありません。
ここで触れているのはあくまで<世界を救えるか>という点での話です。)
しかし、この映画が優れているのは、この<<世界から虐げられている人物が、世界を救うことが出来るのか?>>という命題への、”それは相手内面への無理解から不可能ではないか?”という疑念に、きちんと答えているところにあると思われます。
ハナと少女のユキはハナの夢の中で、ついに老婆から受け取った手紙を祠(ほこら)に届けます。
そして、祠(ほこら)のとびらが開かれ、少女のユキはある能力を身に着けることになります。
その能力とは、ユキの両親を殺害した侍をどんどんと念じれば殺害できる能力でした。
ハナは驚き、ユキの殺害を止めようとしますが、次第にユキの侍を殺して行く姿が、ハナ自身の姿であることに気がつきます。
そしてハナは(ユキの侍への殺戮願望と同様に)自身を受け入れなかった世界が終わることを潜在的に望んでいたことに気がつくのです。
ここで、殺戮を繰り返していた無限やいじめを繰り返していたレイナと、侍を殺戮続けるユキや世界が終わることを望んでいたハナとが、裏表で一致します。
ただ、その方向性は実は真逆です。
無限やレイナは、世界の秩序を保つために殺戮やいじめを繰り返します。
一方で、ユキやハナは、世界の秩序から逃れるために殺戮を行い世界の終わりを望むのです。
しかし、双方共に世界を救えないことは明らかです。
そして、隕石が世界に降り注ぐ、ハナと幼馴染のタケル(若林時英さん)との美しい場面で世界は終わりを迎えるのです。
映画は、そこから別の一つの<世界を救う>回答を示します。
世界が終わりを迎えた後の未来の地球に、唯一生き残った未来人のソラ(冨永愛さん)がやって来ます。
ソラはAI(声:又吉直樹さん)と語りながら、ハナが世界が終わる直前に埋めたタイムカプセルに入ったカセットテープを発見します。
そのカセットテープを聴いたソラは、夢の中の戦国時代の少女ユキの両親が殺されないようタイムリープしてユキの両親を救います。
ハナは世界の終わる少し前に、交通事故で父と共に亡くなった母が吹き込んだカセットテープを家の部屋の中で発見します。
そのカセットテープの内容は、ハナが両親から愛されていたことが分かる肉声でした。
ソラによって戦国時代の少女ユキの両親は救われ、そしてその因果が変わったことで、ハナの両親の交通事故での死も回避されます。
映画は、一旦、(かつて両親が犠牲になってハナを救ったように)主人公・ハナが幼馴染のタケルと共に犠牲になることで、未来人のソラを介して戦国時代のユキの両親を救います。
そしてその結果、ハナの両親を救い、<世界を救う>ことになるのです。
映画の中で、無限やレイナは、世界の秩序を保つために殺戮やいじめを繰り返します。
一方で、ユキやハナは、世界の秩序から逃れるために殺戮を行い世界の終わりを望みます。
そしてその双方共に世界を救うことが出来ないのは明らかでした。
しかしこの映画『世界の終わりから』は、それとは別の回答、つまり(母などから)「愛されていた」という記憶が<世界を救う>ことを示して終わります。
秩序を守るにせよ、秩序から逃れるにせよ、極端化する前に双方共にブレーキを掛ける必要があります。
その双方の極端化しないブレーキの根源が「愛されていた」記憶であるとのこの作品の到達に、この映画を優れた内容にしている根本があると鑑賞後に感じました。
ただ、惜しむらくはあまりに抽象化された作品になっているとの感想があったのも事実です。
私が10代であれば生涯での大切な作品になった可能性もあり、実際そう感じている若い観客の存在も想像します。
しかし、現実の題材をもっと具体的に肉付けして、この映画と同様の中身が深層にある作品が出来れば、広く一般にも通じる映画への可能性があるとも思われています。
なので、紀里谷和明 監督は今作が引退作品だと宣言されているようですが、引退宣言は撤回され、ひとまずはお疲れ様でしたと思われながら、例えば具体的事件を題材にするなどの次回作を勝手ながら期待したいと思われています。
そして、今作が次回作を期待されるような質高い作品であったこともまた事実と思われました。
始まりを迎えて
現実の世界、夢の世界、過去/未来の世界と、3つのパートが入り混じって描かれる、終末までの物語。
主人公のハナ(伊東蒼)は、幼い頃に両親を事故で亡くし、それから祖母と2人で暮らしている。しかし、祖母が亡くなったことを機に生活が一変し、さらには不思議な夢に悩まされるようになる。数日後、政府に所属する謎の男たちが現れ、地球存続のために力を貸してほしいと頼まれる。最初は困惑するハナであったが、次第にその役目に生きる希望を見出し、謎の男たちに協力する。最終的には、その意志を未来に託し、過去を変えることで現在を救う。
各登場人物たちの言葉から、作品に込められたメッセージを感じ取ることができるだろうと思ったが、一度で理解することはできなかった。
千と千尋の皆殺し(しかも長い)
冒頭から超スタイリッシュ。中央アジアか?みたいな衣装の女の子が戦場を駆ける。モノクロの画面も異世界を強調してかっこいい。
しかし。
脚本がひどい。次から次へと説明せりふ。
確かに異世界(過去?)と現実世界を行き来する話なので、設定自体が特殊で説明が必要なのは分かるけど。どの台詞もなんかダサい。マンガみたい。
役者さんが好演してるのに、なんか気の毒。
設定は、この世のすべてを書いている本を管理するオババ(転生を続けている)と、その本を読み解くために必要な夢見のヒロイン(一族)。その本によると2週間後に世界が終わるのでそれを阻止しようとしている国の組織。見つかる天涯孤独なヒロイン。
それに
世の中の破壊を望む無限たち(不死)が絡む。無限は世界が滅ぶのが望ましいので、ヒロインたちの計画を邪魔しなければならないのだ。
なんで終わる二週間前まで、何もしてないのか。
ヒロインの一族が夢見の仕事をしていたとオババが言うのに。なんでもっと早く確保してないの?
高校卒業前の2月に、がっつり授業はしないでしょう。ましてや物理の宿題、でるか?出てもやらなさそうな生徒ばかりの学校なのに。宿題できてないと焦る描写が変。
ヒロインは孤独で人生詰んでるけど、親の愛情を受けた記憶はあるのに、なんでラスト近くで(私は愛されていた)とか言い出すのか。
なんで湯婆婆でてくるのか
世界は滅びたはずなのに、未来に人が生き残りそれも科学が発達してる様子なの、なんなん?
というわけで、脚本をもっと整理して隅々まできっちり積めてから撮影して欲しいと思いました。
ストーリーなしで環境映像としてなら、スゴいよ
伊東蒼を見に行く
清原果耶を始めとして若手俳優の青田買いをするNHK、本作の主人公を努めた伊東蒼も、映画で話題となったらすかさずおかえりモネにゲスト出演、またどうする家康でもその回の主役と言える登場を果たした。その伊東蒼の顔面しか写っていないポスターに惹かれて鑑賞。豪華な役者陣はキチンとした役作り、場面場面の演出も及第点、映像のルックも問題なく、反対に脚本のあまりの酷さを強調する結果となった。キリキリ、脚本は誰か他のプロに頼んでたらもっといい映画になったと思うぞ。まじで。
世界の終わり
伊東蒼ちゃんを堪能した✨満足💓
セーラー服と戦場ってなんだか絵になりますね
クズ役ばかりみている毎熊さんがカッコよい
教師役、岩井俊二監督出てきてちょっと笑った
人間の業をテーマにSFファンタジーで仕上げた映画
なかなか面白かった
セリフはちょっとだけナチュラルではなかったかなぁ
ユキは救われたハナも救われた
それで良いのか?と考えるけど
まぁ良しとしよう
結局、タケルは何者だったのか?
ソラ役の冨永愛カッコイイ
又吉どこに出てた?笑
人工知能の声役かな?
湯婆婆登場
志門ハナ役の伊東蒼が素晴らしいです👏
「さがす」「空白」でも良かったけど
本作でも抜群です。
あの頼りな気な八の字眉と
滔々と話す刹那と空気感や世界観が
作品のコンセプトにぴったりでした。
こんな少女に世界の終末を背負わせる残酷さ。
彼女の現実を思えば
世界の始まりから世界の終わり
歪む現代社会
こんな💩みたいな世界なら
いっその事崩壊してしまえばいい。
ほんとそれ😑
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湯婆婆実写版か?!と驚いたのは
わたしだけじゃないよね、夏木マリ🤣
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設定に置いてけぼりになりそうなハナと観客のため←
老婆語りすぎ感はあるけど、
その圧倒的な存在感と、ハナを包み込む温かみを感じる語り方が染み入る。
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ファンタジー作品であるものの、
リアリティを感じてしまうほどにハナの心理描写が素晴らしかったです。
これからますます伊東蒼に注目が集まりそうです✨
こんな世界なくなってしまえ
なんかストーリーが気になったし、「CASSHERN」もわりと好きだったから観てみることにした。
正直悪いところがかなり目につく映画だと思ったけど、世界観とビジュアルは非常に良いと思う。「CASSHERN」と同じような感想…。
悪いところというのは、主に脚本(セリフ)と演技。全体的にやたら素人くさい。大学生が作った映画みたい。
ステレオタイプないじめとか、簡単に暴徒化する一般人とか、一般人に躊躇なく拳銃つきつけたり発砲する政府の人とか、まるでマンガみたいなリアリティの無いシーンがたくさん。
政府の最重要人物のはずのハナの護衛が少なすぎるとか、未来が分かるはずなのにその対策が全然されてないとか(佐伯の死の回避とか)、腑に落ちないところが多すぎる。
終盤になるほど脚本が粗雑になっていく。主人公が不思議な力で政治家とか同級生とか殺したのに、殺人を犯してしまった主人公に何も葛藤が無いのも変だし、世間的にも事件になってなかったりとか。
こういう映画は理屈じゃないんだよ、って言われそうだけど、それはいいわけだと僕は思う。こういう不思議系の話だからこそ、ちゃんと辻褄あわせるべきところはしっかり辻褄合わせないと、理屈で理解できないところや意図的に混乱させたいシーンのねらいがぼやけると思う。
演技に関しては、北村一輝と夏木マリは良かったと思うけど、ほかの人がみんな棒読みに見えた。岩井監督だけは素人くささが逆にいい味出してた(なんで出てんの?って笑ってしまった)。キャストに又吉が入ってるのに気づいて驚いた。どこに出てた? まさか最後に出てたAI?
ストーリーは、「エブ・エブ」と同様、「セカイ系」のバリエーション。巻き込まれ系の内向的な主人公が世界救ってくれって頼まれるやつ。
この映画で一番「おっ」と思ったシーンは、無限が「現実と夢」、「善と悪」のあいまいさを長語りするシーン。このシーンから一気に面白くなりそうな雰囲気をかもしだしつつ、結局ここがピークだった。
こういう個人の心象風景をセカイを救う話に具象化したような話って、それぞれの登場人物が個人の心象の中の何を象徴しているのか、っていうのがすごく重要だと思う。
ユキ、タケル、老婆、江崎、佐伯、是枝、ラギ、シロ、無限、神社の神主、ソラ、それぞれが何かを象徴してるんだと思う。
ユキは、主人公の幼少時のトラウマ。子供の頃の自分。母親を亡くした記憶。もう一人の自分。
だから、この物語は主人公(ハナ)が自分自身を救う物語。
無限は、ユング心理学でいう「タナトス(死の本能)」のようなものか。
この映画のストーリーが変なのは、老婆の目的と無限の目的が途中で入れ替わったように思えるところ。
それぞれのキャラが何を象徴しているのかを明確にして、ストーリーを整理して再構築したらこの映画の真のテーマが見えてくるのかも知れない。
映画観終わって、最後に頭に残ったメッセージが「こんな世界なくなってしまえ」という魂の叫び。ハッピーエンドのようでいて、実はこの映画の問題提起って何も解決してなくないか。
佐伯や是枝との交流を通してハナが成長し、ユキ(トラウマ)を克服する、という感じだったらストーリーとしてはきれいだったけど…。
ハナはユキの救済に失敗して、世界は終わってしまった。でもハナはタイムカプセルを使ってソラに希望をたくして、ソラはタイムトラベルしてユキの両親を救うことにより、すべての歴史は書き換わり、はじめから何も起こらなかったことになった。
これでは結局この映画におけるハナは救われてない。好意的に解釈するなら、ハナは自分自身では自分を救うことはできなかったが、自分のそばにいた人(タケル)や、自分の望みをたくした人(ソラ)に救われた、というエンドということかな。
腑に落ちない
いろいろと腑に落ちない。
特に腑に落ちないのは、「なぜハナが選ばれたのか」の答えが「すべては血統なんだよ」だったとき。え、いやそうなの?そっち?それだとつまんなくない?「実は誰よりもハナ自身がこの世界を呪い、滅んでほしいと思ってるから」とかでなくて…?
過去作は観る気もしなかったから観てないけど、紀里谷監督が本作にはとても真摯に取り組んでるのは分かったし、とても真面目な方なんだと思うけど、だからこそ語らせすぎだし、説明つけ過ぎ。
紀里谷監督のこの世界に対する絶望は良く伝わってきたし、それは共感できるものだったけど…
タルコフスキーのノスタルジアやサクリファイスを挙げるまでもなく、ある個人の行動や祈りが世界を救う、的な話はいろいろとあったわけで、そうした先行作品からもっと学ぶべきだったのではないかと思う。
ハナが伊東蒼だったからここまでの作品に出来たのだと思う。キャスティングの勝利。
あと、やっぱり夏木マリさん湯婆婆過ぎ…ww
取り敢えずこの怪作をほぼ一人で支えている伊東蒼ちゃんに拍手!
①ただ『空白』『さがす』で注目していた伊東蒼ちゃんのアップのポスターにだけ惹かれて鑑賞。前もって中身は何も知らず。
②居酒屋でバイトしている姿が甲斐甲斐しい蒼ちゃん。「15、16、17と私の人生暗かった…どうすりゃいいのさ、このアタシ…♪」と藤圭子(本作の監督は藤圭子の娘の宇多田ヒカルの元旦那なんだね)の『夢は夜ひらく』そのままに、“金無し、家族無し、何も無しの私にこの先何が出来るの!”と嘆く女子高生の細い肩に、世界を救わせるという大役を乗っけるところまでは、よくある設定とは云えどういう風に救わせるのか、興味はあったのに、進むにつれ話はだんだん暴走していく。(最初から世界観はあって、その中で話が進んでいくので迷走ではないが…)
③大体1/3くらいでこの映画の世界観は分かってくるが、正直この歳になると“どうでもいいわ”レベルの世界観。もうちょい“な~るほど”と記憶に残るような捻りが欲しかった。
④揚げ足を取るところはいくらでもありますが…
A. 「どうしても私なんですか?」という蒼ちゃんの問い。こちらも「どうしてなんだろう?」と固唾をのんでも「いずれ分かる」と散々待たされた挙げ句、“そういう血筋だから”、という脱力するような答え。
B.
この残酷な世界は救うに値するのか?
文句なしに紀里谷監督の代表作になるSFファンタジーです。天涯孤独の17歳の少女が夢の中で見たことが世界の運命を変えると言う設定は、フツーならアニメ作品になりそうですが、あえてリアリティのある実写で撮っているのが挑戦的です。一見分かりにくそうな設定やストーリーをセリフだけで説明するのではなく、シャープで美しい映像と鮮やかな場面転換で、うまく映像世界に引き込む手腕は素晴らしいです。そして、差別、貧困、孤独など社会の負のスパイラルに加えて、世界を終末から救うミッションの重圧に主人公が、この世界は救うに値するのか、疑問を持つまでの心理描写は圧倒的です。結果として、世界が滅亡してしまうのも、当然の帰結と思えます。彼女の経験する過酷で理不尽な現実は、まさに現在世界中で発生している紛争や暴動の縮図であり、自分のことしか考えない非寛容な現状を痛烈に批判していると思います。役者では、終始苦しみ続ける、ある意味異様な役柄を演じ切った伊東蒼が断トツで、彼女なくして作品が成立しないくらいです。脇を支える夏木マリの芸達者ぶりや、出番が少ないけどインパクトのある冨永愛も良かったです。
何を救ったのか、救えたのか
予告編から漂う問題提起にひかれて観て来ました。この世は救うべきなのか、なくなってしまえばいいのか、結局最後までどちらが良かったのか分からなかったし、この結末は救えたのかどうか良く分かりませんでした。ユキちゃんは古のハナの姿かな、北村一輝は啓示を与える破滅の神かなくらいの事は感じましたが、結局ハナはこの世はなくなって良しと諦め、ユキだけは救ってあげたいと結論づけたのだと思います。夏木マリの役どころは最後まで理解出来ませんでした。またハナの家系が代々受け継いできたという輪廻師も理解不能。なのでなかなか入り込めませんでした。随所に色んなエピソードが溢れていて、それらも全部回収出来ていないように思ったので、もう少し丁寧に描いてくれたら良かったと思います。
設定は面白いものの、ラストの展開が腑に落ちない
訳の分からないまま人類の命運を背負わされた少女の戸惑い、不安、頼りなさを表現しつつ、それでいて、この子なら何とかしてくるかもしれないと思わせる意志の強さを感じさせる伊東蒼の演技に引き込まれる。
特に、頻繁に映し出される(ポスターにもなっている)正面からのアップの、まっすぐにこちらを見据えてくるような視線が印象的である。
すべての運命は決まっているものの、夢の解釈によって未来を変えることができるという設定は面白く、「そうは言っても、どうせ世界は救われるんだろう」といった安直な予想を裏切るラストにも驚かされる。
ただし、そもそも、具体的にどうすれば世界を救えるのかがよく分からないため、ラストにしても、少女が、あえて世界を救わなかったのか、あるいは救おうとしたのに救えなかったのかが、今一つ釈然としない。
おそらく、暴力でしか問題を解決しようとしない自己中心的な人類に絶望して、少女は、「世界を救うこと」を積極的に放棄したのだろう。
しかし、その一方で、両親に愛されていたことを知り、いじめからも助けてもらい、仲の良い男子と映画を観に行く約束もしていた少女に、世界を滅ぽす動機などないのではないかとも思ってしまうのである。
あるいは、どうせ世界を滅ぼすのなら、パラレルワールドでのハッピーエンドなど必要なかったのではないだろうか?
世界の終わりと夜明け前
輪郭はありきたりに見えるが、主人公のキャラ造形や結末への転回など面白さもあった。
正直設定は分かりづらく、まったく説明されない部分も多い。
しかしこれは主人公ハナと同じ目線であり、それもあって彼女の絶望にはとても共感できた。
伊東蒼はもとより、ユキ役の子も台詞回しは拙いながら表情が非常に上手かった。
ソラは、冨永愛のあの独特の雰囲気があってこそ行動に説得力が生まれていて素晴らしい。
しかし、演技や演出、特殊メイクなどあらゆる所が特撮っぽいというか、ジャ〇プ漫画の実写風というか。。
どことなくチープになっているのは残念でした。
また、ハナの絶望を深めるためとはいえ色々と詰め込まれ過ぎていて煩雑な印象も。
佐伯は殺されて江崎は生かされた理由も不明。(ピンピンしてたし、膝カックンされただけ説アリ)
老婆のいる地下空間など、雰囲気以上の意味がなさそうな要素も多数。
「私は愛されてた…」とか、全部台詞で言っちゃうのもいただけない。
カセットプレーヤーが綺麗すぎたり2日で家がゴミだらけになったりと、細部も甘い。
暴徒の出現自体も、本丸のハナを目の前にして老婆や江崎に群がるのも意味不明。
ただ先にも書いた通り主人公への共感性は非常に高く、響くものがあったのは確かです。
裏設定とか知れば、もう一歩面白くなりそうな予感。
想いの海
両親は既になく、唯一の身寄りだった祖母も亡くしてしまった孤独な高校生のハナ。
彼女は学校では苛められ、生活費を稼ぐのに精一杯のために進学することも諦め、人生に夢も希望も見出だせずにいた。
そんな彼女の前に突然政府の人間が現れ、彼女に世界を救う手助けをして欲しいと依頼する。
その方法は夢の内容を話すこと。
ここで冒頭の侍に襲われ両親を亡くした少女の場面の持つ意味が分かる。
ハナは夢を見る度に、戦の真っ只中にある過去の日本を舞台に、ユキという少女と行動を共にすることになる。
彼女たちは侍に襲われながら、ある手紙を祠に届けるという使命を受ける。
夢の中の行動の意味は何なのか、それが現実の世界にどう影響するのか、何故夢の内容を報告する必要があるのか、ハナ同様に観客にも情報は与えられない。
やがてハナは夢を通して過去から現実に影響を及ぼすことが出来る輪廻師の血を引いていることが分かる。
普通の人には変えられない運命を、ハナだけは変えられる可能性があるのだ。
SFの設定としては夢の中と現実の境目が分からなくなるので結構ややこしい内容ではあるが、この映画が描くのは人の想いの強さがどう世界を変えていくかだと思った。
強い想いは人を救いもするし、人を破滅に導きもする。
この映画では誰かの深い悲しみが、世界を終わりに導こうとしている。
想いは目に見えないからこそ恐ろしいものでもある。
強い想いが集まると人の感情は支配され、常識など簡単に通用しなくなってしまう。
怒りの感情に支配された暴徒の姿はとても恐ろしい。
ハナは世界を救うために身を削るが、その都度人間の身勝手さによって苦しめられてしまう。
彼女自身が人生の苦しみの中にいるために、果たしてこの世界を救う意味はあるのだろうかと考えてしまう。
一方でずっと孤独だと思っていた彼女は、両親からの愛の深さに気付き救われる場面もある。
彼女の両親は自分たちの身を犠牲にして、彼女を生かす道を選んだのだ。
幼馴染みのタケルもずっとハナに無償の愛を注いでいた。
これからも人間の営みが大きく変わることはないだろう。
不満や文句をぶつけるだけの人間もいるだろうし、自分勝手な人間もいるだろう。
しかし少しずつ人間の脳は意識のベクトルを変えつつあるのだと思いたい。
この映画が最後に込めた希望はとても優しい世界である。
たとえ争いがなくならないとしても、確実に世界が人に対して優しい方向に向かっていることを切に願いたい。
ストーリーも良かったが、この作品はキャスティングも絶妙だったと思う。
ハナ役を演じた伊東蒼は魅力的だが、決して華やかな女優ではない。
しかしそこがこの作品の世界観にとてもマッチしていたし、役に説得力があった。
彼女の表情の豊かさにはいつも感心させられる。
今後がますます楽しみな女優だ。
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