劇場公開日 2023年3月17日

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「誠実な人柄がわかる貴重なフィルム」アンドレ・レオン・タリー 美学の追求者 まっちゃまるさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0誠実な人柄がわかる貴重なフィルム

2023年3月22日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

アンドレ・レオン・タリーって誰?写真を見ても誰か分からない人、Vogueを知らない人にとっては興味ないドキュメンタリーかもしれない。アナ・ウィンターのドキュメンタリーを見たときに、一緒に仕事をしている彼が強烈で、その存在を知った。でもファッション業界に限らない、生き方や主義を貫く素晴らしさをこの作品では見ることができる。
原題が「アンドレによる福音」この方立派なクリスチャンだった。Kirk Franklinのrevolutionが何度か流れ、彼のGospelとは革新的で型破りなのか?一見そう見える華やかな彼。
特別なセンス、高身長、外交的な性格、そして愛情深く思いやりがある、美しいものが好き。備わっている才能に加え、大変な努力でその地位を獲得したということが良くわかる。そして、とても信仰深い。これは彼の人間性の大きな基盤、「放蕩息子」を避ける言い回しがあり、クリスチャンならニヤリとするセリフ。今時なら、多様性だなんだと必ず出て来そうだが、彼は一切そういうことを言わない。恋愛をしている暇もなかった、と。アメリカ南部出身の黒人が世界のファッション業界で一目置かれる存在になるまで、差別や偏見は常に付き纏ったはずだがそれに反撃せず、自分を信じてやることをやってきた。屈辱を思い出し、うつむくシーンがあったが、それを飲み込んで仕事に突き進んだだけ。誠実で人を妬まず、愛情深い人の努力は実る。人との信頼関係、やはり重要なのはそこなのだ。そして自分が楽しめる、好きなものを纏おう。それが彼の福音だと感じることが出来る素敵な作品だった。

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まっちゃまる