「大画面で堪能する美しい日本BLの世界」美しい彼 special edit version　SpicaMさんの映画レビュー（感想・評価）

心の奥に孤独を抱える二人が高校で出会い、苦しいひと時を共に支え合って初めての恋を自覚するも、主人公の一人の生まれもったハンデに起因する特殊なオタク気質が二人の間の障害となって立ちはだかる…日本ならではのユニークなBL小説の世界が、分かりやすくドラマチックにまとめた脚本とロマンチックな演出、抜群の演技によって説得力のあるタイトル通りの美しい作品に仕上がっている。

それにしても主演二人の並びが美しくてうっとりした。古代ギリシャの青年像が日本でも発掘されたなと。監督のインタビューにもあったけれど(「美しい彼いたー」)、八木さんを発見された方に拍手を送りたい。八木さんは、物語中の清居が「好き」の演技をクリアする辺りから清居そのものになっていった感じで、物語終盤の泣いてしまう場面では心を掴まれた。一方、萩原さんのオタクぶりも迫真すぎて平良を演るために監督と仕事をされてきたような…(勝手な私見ですw)。

花火を手に無邪気な笑顔の清居を映し出す平良の瞳のアップも印象に残る。大画面だからこそ味わえた映像かも。エモい音楽も途中のアニメもいい。テレビ放映も見ていたのだけど、大画面でまとめて見られて大満足だった。
4月公開の映画本編がとても楽しみだ。