セルヴィアム 私は仕える

セルヴィアム 私は仕える

解説

2022年・第35回東京国際映画祭「ユース」部門上映作品。

2022年製作/105分/オーストリア
原題:Serviam - Ich will dienen

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(C)2022 EPO-FILM, RUTH MADER FILMPRODUKTION (C)Christine A. Maier

映画レビュー

5.0寄宿学校の少女たちの葛藤を見つめる重厚なドラマ

2022年11月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

舞台はウィーン郊外にある女子寄宿学校。生徒の一人マーサはその敬虔な信仰心を見込まれて学内を仕切っているシスター・フィリンから密かに装身具を預かり身につけていると、やがて自身の肉体に微かな異変が起こり始める。

作品中では特に語られませんが、映画の舞台となっているのは1980年代とのこと。私が実際に修道院で過ごした時代に日々感じていた荘厳さと近代的な冷徹さが入り混じったような空気感が全編に漂っていたのが印象的。劇中には主に3人の少女が登場しますが個人的に惹かれたのは学内で凄惨な虐めに遭う少女アルモ。聖体を吐き出して収集したり顔や体を洗うことを拒んだりという奇行で孤立する様がリアルで身につまされました。恐らくは『キャリー』に多大な影響を受けていてそれっぽいカットが散見されますが、禍々しい空気の中で多感な少女達の葛藤を見つめる話でした。

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