劇場公開日 2023年2月10日

「視点を変えればネタバレしても楽しめる」#マンホール 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0視点を変えればネタバレしても楽しめる

2024年3月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

知的

監督は『アンテナ』『ノン子36歳(家事手伝い)』『海炭市叙景』『私の男』『ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS』の熊切和嘉
脚本は『ライアーゲーム』シリーズ『信長協奏曲(ノブナガコンツェルト)』『マスカレードホテル』シリーズの岡田道尚

酔っ払ってマンホールに落ちたアンラッキーな男の話
ワンシチュエーションスリラー
最後はどんでん返し
偶然が重なってうまくできてる
折原奈津美そこまでするか
多少の粗は御愛敬
奈緒と黒木華では声や喋り方だって全く違うがまあいいだろう
サスペンス映画としては傑作

粗筋
主人公はマンホールに落ちた際に右足を負傷
マンホールの梯子は破損していて自力では地上に上がれない
スマホで救出を要請するが埒が開かない
GPSで渋谷区だと思い込んでいたが実は埼玉県と茨城県の県境付近
埼玉県大塚村の小学校跡地
なぜなら吉田が遺棄した川村の死体が現場にあったから
マンホールの中に落ちたのは川村ではなくて川村を殺害し川村に成り済ました吉田だった
警察に救出要請するわけにはいかない

明日社長令嬢と結婚披露宴を迎える男がいかにしてマンホールから脱出して式に間に合わせるか
ゆーてぃー頑張って
そういう話ではない
主人公に感情移入すると酷い目に遭う
中島裕翔は一応アイドルでもあるんだが今回は凶悪な殺人犯を演じている

本編はほぼマンホールの中のため映像がとても薄暗い
映画は映画館で観るもの
夜間DVDで鑑賞したが照明をつけてるととても観にくい
テレビでDVD鑑賞する場合明るい部屋で鑑賞することを推奨されるが部屋の照明は消した

スマホを利用しSNSを駆使するのが現代的
スマホがないと話が成立しない
あらかじめしっかり充電し100パーセントにしておいたのだろう

主人公の立場になったつもりで観たいならネタバレ禁止だがネタバレしても折原奈津美の立場になったつもりで観るなら十分に楽しめるはずだ

劇中にマンホールで発生する泡はメルヘンチックで違和感を感じたが腐敗した有機物が雨水によって発生する自然現象といわれたら正にその通り
殺されそうになる折原も口から泡を出しているがそこまでしなくても感はある
なぜか仮面ライダーアマゾンに登場したカニ獣人を思い出したがもちろん黒木華はカニを演じているわけではない

大きなお世話だが星の数が少ないレビュアーは人生を損してると思う
僕は楽しめたので幸せ者だ
優先順位など仕事の都合でどうしようもなかったが映画館で観たかった

配役
「マンホール女」のニックネームで、SNSで現在地の特定と救助を求める不動産会社「CRレジデンス」営業部社員の「川村俊介」に中島裕翔
整形で川村に成り済ます吉田に中島裕翔
川村の元カノで看護師の工藤舞に奈緒
川村の同期の加瀬悦郎に永山絢斗
舞に成り済まし復讐する川村の10年前の元カノの折原奈津美に黒木華
川村の婚約者で社長令嬢の川村さゆりに佐藤玲
川村を捜索するも発見できないYouTuberのLLLに長友光弘
マンホール女のアイコンに愛田菜楽
ボーガンで吉田を退治する正義の少年の「深淵のプリンス」に松藤史恩

野川新栄