1秒先の彼のレビュー・感想・評価
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映画館で観る価値はなかった(-_-;)
台湾映画を原作に、宮藤官九郎氏が翻案した脚本を山下敦弘監督が映画化した作品。岡田将生くんと清原果耶ちゃんのW主演となっている。
意味不明なタイトルだが、岡田くん演じるせっかちなハジメと、果耶ちゃん演じるのんびりしたレイカの、淡〜いラブストーリーだ。
ハジメという人物が許せないレベルで受け入れられず、W主演のはずなのに声だけ、後ろ姿だけの果耶ちゃん、そしてイライラする展開に、真剣に途中退場を考えた。パートが変わり、レイカ目線になってからは果耶ちゃん目当てで観続けたが、映画の内容には心底がっかりした。
※以下ネタバレ※
ハジメだけが元の時間に戻れなかったのはレイカが移動したせいだろうか?
デビューが決まっている桜子が美人局まがいのことをやっているのはなぜ? デビューが決まったというのはレイカへの対抗心や見栄から吐いた嘘?
郵便局に毎日通って手紙を出しているなら、私書箱には入り切らないほどの量が溜まっているのでは? そもそもレイカは確認しに行っているのか?
他にも上げていったらきりがないレベルだ。原作ありなのでなんとも言えないが、クドカンの脚本だから許されるのか?
つい考えてしまう、性別変更の良し悪し
岡田将生も清原伽耶も好きだし、京都の町屋や写真館などのどこか懐かしいたたずまい、水や緑のある風景のみずみずしい描写が物語の雰囲気に合っていてよかった。しかし、オリジナルの台湾版からのアレンジで気になってしまう部分も多かった。
台湾版未見の人は予習しないまま観た方がいいかもしれない。
主役2人の性別を入れ替えるという大胆な変更は、台湾版の男性主人公の行動がはらむ危うさを解消する目的があったのではと思う。
台湾版では、ヒロインのシャオチー(本作でのハジメにあたる)をバス運転手の青年グアタイ(本作ではレイカ)がつけ回してこっそり写真を撮ったり、時間の止まった世界で彼女を背負って運んであれこれ好きなポーズを付けている姿が、ふと冷静になるとヤバいストーカーにしか見えなかった。
宮藤官九郎もインタビューで「細部を見ていくと『このままじゃできないよね』となりました。日本がもう少し景気が良くて、浮かれてた時代だったら、そのまま作っても許してもらえたのかもしれません」と言っているので、同様の問題を感じていたのではと思われる。
実際私は、女性のレイカにグアタイほどのヤバさは感じなかった。
でも、レイカのやっていること自体はグアタイとほぼ同じなのだ。あくまでファンタジーなので、堅く考えることが野暮なのは百も承知だが、同じストーカーじみた行為についてグアタイをヤバく感じた自分が、清原伽耶がやると純愛とみなしてしまうことに、それでいいのかという複雑な気持ちになった。
製作側がグアタイの行動に問題を感じどうにかしたいと思ったなら、いじるべきは性別ではなく、グアタイの行動パターンだったのではという気がした。
上記の目的のために性別交換をしたことで、テンポの悪くなった部分もある。
桜子は、台湾版ではウェンセンというダンス講師のイケメン男性だ。彼が悪い男であるということは、グアタイが見かける彼の妻の姿、彼が過去に騙した女性からのお礼参りなどで描写される。女性は堅気でない男を数人連れてきて彼をボコらせる。直後に、居合わせたグアタイも彼と殴り合いをし、「シャオチー(本作ではハジメにあたる)に二度と会うな」と啖呵を切る。
ウェンセンが誰かを脅したり、シャオチーの悪口を言うような描写はない。作品に殺伐とした空気を持ち込まず、かつ観客の溜飲をちょっと下げるという巧みな演出だ。
シャオチーのポジションを男性のハジメにしたことで、このウェンセンにあたる役が女性の桜子になり、殴り合いをさせて話を動かすことがしづらくなった。既婚者という設定も不採用になった。だから、彼女の本性を描くのに直接的な表現をせざるを得なかったのではないだろうか。
悪い仲間を侍らせて騙した男性を脅したり、ハジメの露骨な悪口を言ったりと、ちょっとどぎついし、暗い。彼女の本性を見ているのに「ハジメと会ってあげて」と言うレイカもよく分からなかった。レイカと桜子の決着も、殴り合いNGなので飲み物をぶっかけて、さらに場所を変えて橋から落とされたり、とテンポが落ちる。桜子が自業自得な目に合うこともないのですっきりしない。
台湾版のグアタイはバス運転手だが、本作では女性にしたいけれど女性バス運転手はレアすぎることと、清原伽耶を使いたい(したがって岡田将生と同年代ではなく年下の設定にしたい)という2つの事情により、肩書きが大学生に変更された。しかし、台湾版のようにバスで走るシーンを入れたいので、バスを動かす人が必要になって、荒川良々を入れた(監督・クドカン・岡田将生のインタビュー記事にそのように書いてあった)。
グアタイは時間が止まったら自分で自在にバスを走らせたが(そしてこのひとりになった世界での自由さに独特のカタルシスがある)、本作では良々に頼んで運転してもらう。ここもテンポが落ちる部分かと思う。
女性が長身の男性を運ぶのは無理なので、静止したハジメを運んだりいじったりするのも良々に手伝ってもらうのか、と思ったら、レイカが人力車で運び、海岸ではひとりでハジメを引きずっていった。ロマンチックなシーンに良々はいらないということだろう。ここで私は、「護られなかった者たちへ」を思い出した。
あの時は、いやそれは無理やろと思ったが、まあ本作はファンタジーだから……仕方ないか……
話の骨組みが結構台湾版そのままなので、余計比べてしまうのだろう。
本作の性別変更は見ようによってはなかなかセンシティブなので、やるならいっそ物語全体を単純比較しようがないくらいアレンジした方が、「このままじゃできない」とクドカンが感じた台湾版のウィークポイントを本当の意味で解決出来たかもしれない。
白いパピコなんでやろ(byレイカ)
リメイク元の作品(1秒先の彼女)好きとしては充分に楽しめました
男女逆にしたリメイクですが違和感はなかったです
上映時間が119分で同じだったり公開日が原作の消えた1日(7月7日)だったり印象的です
彼(ハジメさん)の演技は期待通りで文句なしです
彼女(レイカさん)の抑えたとぼけた演技はお見事です
特に(前半目立たずに映っていて後半はっきり分かる)挙動不審な動きが好きです
ラストはしみじみにやにやです(ハジメさんの涙がいい)
パピコが溶けてなければいいけどレイカさんのことなので不安(笑)
そのうち、早稲田とか目黒とか大森とかで2本まとめてお願いします
(おまけ)
「なのにあなたは京都へゆくの」は1971年のチェリッシュのデビュー曲ですが、いつも渚ゆう子さんの「京都の恋」と混同する私
今回調べて後年渚ゆう子さんが「なのにあなたは京都へゆくの」をカバーしていることを知りました、ますます勘違いしそう(笑)
【”傷ついた私の心に寄り添ってくれて有難う。忘れないよ。”今作は、クドカンの作品設定&伏線回収に長けた脚本も宜しきファンタジックな幼少期からの女性の恋物語である。清原果耶さんの魅力満載作品でもある。】
ー ご存じの通り、今作は2021年公開の台湾映画のリメイクであるが、山下監督とクドカンは、彼の秀作を素敵にアレンジメントした作品に仕上げている。-
■長宗我部レイカ(清原果耶)は、幼き時両親を自動車事故で亡くし、一人っきり。そんな時幼き皇ハジメ(柊木陽太:「怪物」でクイアの男の子を演じていた。名子役である。)は、彼女を励まそうと笑いで、勇気づけてくれていた。
そんなハジメに対し、レイカはその後も二人だけの秘密のポストで手紙のやり取りをしていた。
今作は、矢鱈と長い苗字の登場人物が多い。重要な役である、荒川良々さん演じたバスの運転手や、ハジメの失踪した父(加藤雅也)の本名も相当長く、覚えきれず・・。
だが、その長さが本作の重要なポイントになっているのである。上手い。
◆感想
・メインストーリーはオリジナルを踏襲しつつ、クドカンの脚本は前半多くの小ネタを含めた伏線を仕掛け、後半それを見事に回収していくのである。
・秀逸なのは、時が止まる理由である。
苗字の長い人は、自分の苗字を書くのに時間が掛かる。
それを”神様が時間を返してくれる。”と言う設定である。
確かに時が止まった時に動けるのは、長曾我部レイカを始め、苗字の長いバス運転手とハジメの失踪した父である。
・ハジメは鴨川象沿いで歌を歌っていた桜子(福室莉音)に恋をするが、彼女は実は余り素性が宜しくない事にレイカは気づく。
そして時が止まった時に、ハジメを救い、幼き頃から、願っていた事をバス運転手の協力を得て実行するのである。
ー 桜子に勇気を持って直談判し、啖呵を切り、バス内で桜子のために用意した40万を掏られそうになっていたハジメのポケットから40万を一時的に預かり、天橋立で念願のハジメとのツーショットの写真を撮るのである。
清原果耶さんの抑制した演技や桜子に啖呵を切るシーン等は、最早、流石の領域である。-
■伏線回収の幾つか
1.ハジメの失踪した父がそうめんを食べる時に”茗荷が必要や・・。”と言って失踪するが、時が止まった時に、ハジメの母(羽野晶紀)の手に茗荷を置くシーン。
2.時が止まった中、レイカがハジメと母と失踪した父の”家族写真”を撮るシーン。- とても、良いシーンである。-
3.ハジメの失踪した父が去る際に、レイカに”パピコを渡してやってくれ”と言うシーン。
<ラストシーンは特に秀逸である。ハジメはレイカが居ると思い、天野橋立の郵便局に異動してくるが、彼女はいない。劇中でもレイカがトラックに撥ねられる直前のシーンが映されておりハラハラするが、彼女は漸く松葉杖を使いながら、ハジメが勤める天野橋立の郵便局にやって来るのである。
今作は、山下監督とクドカンの脚本が最良の形で、オリジナリティ作品をリメイクした作品であると思います。>
爽やかSF恋愛映画
原作(台湾映画)は見てません。試写会にて鑑賞。
同じシーンをそれぞれの目線で描くハジメ(岡田将生)パート、レイカ(清原果耶)パートがあるので、退屈に感じるかも知れません。
私は清原果耶ちゃんが大好きなので、伏線回収パートを演じる果耶ちゃんが可愛くてファンには嬉しい作品でした。
岡田将生演じるハジメは愛すべきおバカ感が可愛らしかったです。
全体的にクスリと笑えるシーンが多いけど
最後はしっかり感動。奇跡が起きる仕組みも分かりやすくて良かったと思います。京都が舞台で地名がよく出てくるので、土地感があるとより楽しめると思います。
主演の2人も京都の景色も爽やかで夏にピッタリの恋愛映画だと思いました。
一緒に鑑賞した弟(あまり映画見ない・岡田将生くらいしか知ってる出演者居ない)は、「面白い映画だった」と言っていたので普段映画を見ない人や役者さんのファンじゃなくても楽しめる映画になっていると思います。
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