WANDA ワンダのレビュー・感想・評価
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ほぼ全員が発達障害かのような、ジャンヌ・ディエルマンの様な、ラポワ...
ほぼ全員が発達障害かのような、ジャンヌ・ディエルマンの様な、ラポワント・クールトの様な、ウェンディ&ルーシーの様な作品。ある女性たちがある一時期にある一様の作品を作るのは、才能と時代なのかしら。
去年のライカート特集で
ケリー・ライカート特集で見たリバーオブグラスがとても良かったので、
ワンダの影響も受けていると聞いて、ずっと見たいと思っていた。
何も出来ず夢も希望もなく、ただなんとなく大人になり地元の人と結婚し出産して、子育てもやる気がせず、離婚もすんなり受け入れ親権も譲る。
そんな彼女が強盗の手伝いを褒められた時に見せた笑顔が可愛らしく悲しかった。
こういう埋もれた名作を修復したり配給してくださる方々に感謝します。
男性社会へのアンチテーゼ
夫に離婚され、子供の親権もあっさり放棄、仕事もなく、家にも居場所がない。そんな無いない尽くしの女ワンダが彷徨った末に会った男は強盗だった。男の逃避行に付き添うワンダだが…
まるで『俺たちに明日はない』を思わせるロードムービーだが、主演にして監督兼脚本のバーバラ・ローデンは、『俺たちに~』へのアンチテーゼとして作ったと語る。それは今でも続く男性社会へのアンチテーゼ。だからこそ、『エル ELLE』で男に抗う女性を演じたイザベル・ユペールが本作を気に入り、配給権を買い取ったのも理解できる。
とにかく劇伴もなければセリフも極端に少なく、画質も粗い。ロングショットも間延びした本作を、今の若者が観たら退屈に感じるかもしれない。最後まで観て、結局ワンダは何がしたかったのかと不満に思う人もいるだろう。でも本作が作られた1970年代のアメリカ映画=アメリカン・ニューシネマはどれもこんな感じだった。
バーバラ・ローデンという女優は全く知らなかったが、ミシェル・ファイファーやキャメロン・ディアスを彷彿とさせる彼女の、終始憂いを含んだ薄幸の表情が印象深い。バーバラ本人はワンダのような自堕落な人間ではなかったのだろうけど、彼女の中にはワンダが存在していたのだろう。
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