劇場公開日 2022年5月28日

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「耳が聴こえなくなりたいとは・・・驚いた」私だけ聴こえる りあのさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5耳が聴こえなくなりたいとは・・・驚いた

2022年9月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

耳の聴こえない両親から生まれた耳の聴こえる子どもたち、コーダ、について15歳の数人の3年間を追ったドキュメンタリー。
学校では障がい者の子として異質に扱われ、ろう者からは耳が聴こえるとために距離を置かれるコーダたちにとって、唯一ありのままの自分を解放できるのが、年に一度のコーダサマーキャンプだった。そのなかで、15歳の子どもたちは、進路を決める時期を迎えるが、ろうになりたい、という欲望により聴力に異変を感じたナイラ。ろうの母から離れて大学へ行こうとするジェシカなど、居場所をなくしたコーダたちが、悩みながら成長していく様を映した作品。

監督の舞台挨拶の回を観賞した。
なぜ、日本人監督がアメリカで映画を作ったのだろうと思っていたら、解説の中で、あるきっかけからコーダの映画を作ろうと思い、アメリカでコーダを探して映画を作ったとの事。
まだ日本では対象者がなかなか探せなかったのが大きな理由だったようだ。なるほど、と納得した。
コーダがろう者になりたいという気持ちを持っている事に衝撃を受けた。耳が聞こえるのに聴こえないようになりたいとは・・・。
つまり、それほどコーダたちはどこに居ても居場所が無いんだな、っていう事に悲しくなった。
コーダあいのうた、という作品を観てから知ったコーダという言葉だが、持ってる(正常な聴力を)方が悩むという事なんだと知れた。
凄く勉強になった。観て良かった。

りあの