この子は邪悪のレビュー・感想・評価
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うさぎ😂
しょーっもな!
実際家族が全員偽物だったらそれは怖い。
その思いが拭いきれない花と純は真相を探り始める。
設定自体はミステリアスでとても興味をそそられるのだが、、、、
ラストで唐突の魂入れ替え催眠術とか!
あまりにも唐突で思わず笑ってしまった笑笑
しかもうさぎとか。
一挙に冷めたよね。
なんかもっとのっぴきならない事情があって家族を入れ替えたんだと
思ってたんだけどそーじゃなくて、そのままかよ。。ある意味意外だったけど。
僕は花が何か事件の中心人物で父はその隠蔽のためそいうことをしてたのかと
思ってたが。。
なんかミステリーかサスペンスかと思ってたんだけどなあ。
その上ラストの真相がわかるシーンの緊迫感の無さ。
演技も演出も展開も酷かった。
それに純が近所の精神異常をきたしている人マップ作ってるとか
いくら何でもそんな趣味いないだろ。説得力ないよ。
やー、もっと人間の恐ろしさを描いて欲しかったな。
東野圭吾的な展開を期待したのだけど実に残念。
モービウス見れば良かった。
4人家族の幸せの修復を一番願ったのは、お父さん、だったのでは?
家族が交通事故に遭った時点で玉木宏の心は壊れたのではないか?
妻は意識不明の植物状態。
次女の月(ルナ)は火傷で顔を損壊。
長女の花は責任感から心を閉ざす。
そんな家族の復活・・・事故以前の幸せな4人家族・・・
その修復を願ったのがお父さん(玉木宏〕だった。
悲しい話しですね。
《戻って来ない幸せな生活》ってありますね。
玉木宏が退行催眠とか言ってるけれど、結局は催眠術でしょ。
そして玉木宏の行動は犯罪でしょ。
まぁ確かに不幸な一家が、不幸に目を瞑って、
「幸せなんだよ、ウチの家族は」と信じ込む話だけど、
辻褄が合わないというか、偽の幸せですね。
それを一生懸命「幸せ家族」を演じる花(南沙良)が、陰影ある演技で
多少、良かったけれど(美少女ですね)
全体にトーンが暗くて、特に面白くもなく、
ホラーってほどの仕掛けも薄い。
「ウサギ」がポイントなのだけど、その仕掛けも結構に不発!
玉木宏は何か隠してそうな、或いは新興宗教教祖的な
心理療法室の院長。
二面性を楽しそうに演じていたが、やはり怖さがイマイチだった。
「この子は邪悪」って、まぁラストで誰かわかるけれど、
それまでの伏線がひとつもないのに突然、
邪悪になりますかね。
楽しそうに暮らしてたじゃないですか?
どうしてそこまで恨んでたのか?
納得がいかない。
ラストにショックなエンディングを付けるためにとってつけたような
後出し邪悪(笑)。
絆創膏を貼るみたいに少女を誘拐したり、
身代わりの妻を催眠術をかけて家に入れたり、
立派に犯罪です。
ホラーとしてもサスペンスとしてもミステリーとしても、
私は納得出来ませんでしたね。
入れ換える?
発想が面白く、数少ないホラー寄りな表現にドキッとさせられる。
作中に漂うスローなテンポではあるが、冒頭のインパクトはなかなかに鋭い。不穏な空気に取り込まれる。
しばらくは何を見る事になるのか分からず「この子は邪悪」ってタイトルの意味を探そうとしてた。
仮面の妹がそうなのか、大きなお世話を焼いてくる男の子がソレなのか?
彼が「邪悪」だとするなら、ネットに蔓延る正義警察的ない話なのかと勘繰るもソコではなかった。
黒魔術に匹敵しそうな催眠術の話だった。
色々と脇を固めてくれはするのだけれど、退行催眠の後の魂の入れ替えってのは…んー、ちと厳しい。
発想は面白いとは思うのだけど、手放しで喜べない感が強く残る。
ただ、まぁ、ふと思う。
整形とか、ありのままの自分とかへの含みもあるのかなぁと。佳境に入り偽物との単語が飛び交う。
受け入れるまでの葛藤にも思うのだけど、器を変えたモノへの対応としては痛烈だ。
いや、ただの副産物か。そんな意図はないだろう。
大筋としては父親の歪んだ愛情ではあるのだけれど…催眠術、万能過ぎないか?
胎児と魂を入れ換えるとか、さすがに、ルールを無視し過ぎてないか?寝たきり状態の母に催眠術をかける時には、眼球運動との連動をしっかり描いてたのに。
虐待した人物はウサギと魂を入れ替えて放置するって仕組みなのだけれど、サイコパスが過ぎるw
エンディングもなんだかなぁとは思うのだけど、赤ん坊に転生させた設定ならあぁなっちゃうよねえ…。
どうやらこの赤ん坊がタイトルの邪悪らしい。
父親を刺し殺した妹が、あんな状態でいられるのだろうか?甚だ疑問であるし、家族としてまとまってるのにも違和感しかない。
きっと真のエンディングは、あの赤児が成長し、催眠術を存分に駆使できる時なのであろう。
今まで弟であった男を父と呼び、今まで息子だった男と亭主として抱き合うのだろう。
…いや、どうせならばそこまで描けば良かったのに!父親の悪意というか身勝手さ全開のラストやわー。
玉木氏の声は催眠術には適切であったと思う。
もっとたくさんの劇場でやってほしかった
良い意味でゾクゾクしました。
タイトルの出るタイミングが絶妙かと。しょっぱじめからとめどない不穏な空気、ホラーというより人間的な(言っていいか微妙ですが病的な)怖さで自分的には掴みバッチリでした。すごい寝不足だったので寝ないか心配だったんですが、むしろ「伏線はいつ回収されるの」と前のめりに最後まで目バキバキで観ることができたので良かったです。伏線回収後リアルではありえなさそうなことも出てきますが「まぁフィクションだしな」と思って楽しめる内容でした。
映画鑑賞後、原作の小説を本屋さんでざっと目を通したんですが本も狂気的な文字の表し方をしていて良い意味で「うわぁ…」となりました。
一つ残念だったのは県内で1か所しか上映する映画館がなかったことです。そこすら遠かったので、もし近くで上映してくれていたら再度観に行きたかったです。
悪魔のおまけ
火曜日の夕方とはいえ、貸切とは…。300人入る劇場に一人ぼっち、しかも観るものは不穏なもの、何か起こりそうですね…。何も無かったですが笑
「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2017」の準グランプリを受賞した作品で、昨年からコンスタントに輩出されている受賞作の中でも異色な匂いがしました。予告での不気味な感じ、特に目がギョロギョロするシーンは驚かされました。
序盤の不気味な行動をする人たち。正直何をしているんだ?と心モゾモゾしましたが、しっかりと後半にその意味を明かしてくれるのでまた一興です。
テーマの一つとして子供の虐待を扱っており、その解決法の一つとして催眠療法を、使うというのもアイデアとして面白いなと思いました。言葉で言っても解決できないなら…斬新な考えに一泡ふかされました。
人間の中身を"入れ物に移し替える"という催眠術便利すぎないか?とは思いましたが、中々悍ましい行動をしているなと思いました。「ウサギは無垢だから入れ替えやすい」「実験的に人間と入れ替えてみた」「感情を失ったら喋らない」絵面的な怖さもありましたし、もしもの話とはいえ、宗教的な側面も考えに入れると割と現実でも出来るんじゃね?と思えるのも物語に面白さを含ませていました。
ただ終盤、殺されにきただけのお婆ちゃんは謎だし、だいぶぶん殴ったはずなのに返り血は無いし、娘はその様子を見ているだけで、妹がトドメを刺して、その後息子が生まれる…と割とハイスピードかつざっくりとした終わり方なのは少し残念でした。タイトルの伏線回収もあーなるほどなーとは思いましたが、あれは父親の意思が生まれた息子になったと解釈してもいいんでしょうか…。
玉木宏さんの怪演は素晴らしかったですし、南沙良さんの葛藤する様子も良かったです。こういう邦画が多く作られる世の中になって欲しいものです。片岡監督はとりあえず追っていこうと思います。
鑑賞日 9/20
鑑賞時間 19:00〜20:50
座席 K-13
催眠術が無敵な映画ってたまに見かけますが、昏睡状態でもかかるってス...
催眠術が無敵な映画ってたまに見かけますが、昏睡状態でもかかるってスゴいですね。
ラストの殺人は事件にもならず、ラストシーンに繋げたかっただけで、ヒロインの心の動きとかもかなり不自然でした。
なんか残念
ストーリー自体は短編ホラーで読んだら絶対面白いやつ。主演の玉木宏がいい人そうなのになんかヤバめで、好演。ヒロインもめっちゃ美少女。
音楽がジョーダンピールの映画のような不気味さかもし出し、お母さんと妹のピアノ曲も利いてる。
色んな謎が散らかった状態で始まり、玉木宏家族の謎に集約していく流れはワクワクして面白いのですが、謎解きに入るとそれまでのモッタリしたテンポが逆にあだになり見てる方に考えさせる余裕を与えちゃう。ラストはこれしかないのだけど、分かるので、お父さんが刺されたあたりからはピャーッと進めて欲しかったですね。
あと、寝たきりのお母さんをなぜ替え玉用意してしまったのか。他の人たちは物言えぬ体に換えたと言うのに。法律無視をしない(戸籍はいじってない。いじれない?)のに、この危ない行動は破綻してると思った。ラストに繋ぐためだとしても
不老不死
最初から不気味さが満載でドキドキしながら物語は進む。
ホラー映画としてはかなり上質。
特に玉木宏さんのあの落ち着いた声が逆に不気味さを倍増させていた。
途中から事件の真相がなんとなくわかるが、それでも最後の手口には度肝を抜かれた。
最後のワンカットであぁタイトルはこういう意味だったのかと不思議な爽快感を感じた。
とはいえ問題点がないわけではなく、男の子が犯人の前で何も考えずに「お前がやったんだろ!!」と問い詰め始めるとか、まぁそこは高校生ならではの過ちだと仮定しても、男の子の催眠が急に切れたり随分(作者に)都合が良い展開だなと感じてしまった。
あと、オチのあの展開がありならこれ不老不死も夢じゃないよなと思ったり。
不気味な雰囲気読めない展開が良かった
ホラーな要素も多かったが全員演技も上手く、やりすぎたCGなどもなく違和感なく見えた!
映像の雰囲気、色味や音楽などが不気味で、幸せな日常のシーンでも「何かがおかしい」と思わせる演出だった。
しかし、最後の展開は説明的なところが多すぎて蛇足だったように感じる。
舞台の田舎や精神疾患などリアリティがある怖さかと思いきや、精神を入れ替える(しかも、人とうさぎを笑)と言うところは突飛すぎて入り込みづらかった……
じゅん(大西流星)がうさぎになって「じゅんくんだよ」とカバンから出されるシーンはちょっと笑ってしまった笑
ホラー展開、残虐ない表現もあるため苦手な人は注意。
しかし動物虐待のような表現がなかったのはありがたい、、、!!
前半はミステリー風。 古い病院にウサギ。不気味な父親。謎めいた家族...
前半はミステリー風。
古い病院にウサギ。不気味な父親。謎めいた家族。
母親の目玉は楳図かずおの漫画みたい。
後半は昔のホラーSFっぽい感じ。
とにかく父親が怖すぎ。
で、最後はあんな事があったのに、楽しそうに笑い合う家族。
ああ、なるほど、邪悪な子って。
ちょっと指がスイスイ動きすぎて不気味さが半減。
大ネタあり! 「家族」にまつわる不穏でアイロニカルなサスペンス。その本質はお屋敷ホラー?
いいロケ地だよなあ。
外観は木更津の山田眼科、内部の撮影は川口の旧家でおこなったらしいけど。
この、ある意味荒唐無稽な大ネタをなんとか成立させているのは、得体の知れない和洋折衷建築の放つ独特の「磁場」だと思う。こういう建物だからこそ、なんか、そんなことがあってもおかしくないような気がしてくるというか。
突き詰めて考えてみると、本作の本質は「御屋敷ホラー」なんじゃないか、と。
(パンフ見たら、もともとは洋館を舞台にした話にするつもりだったらしいし)
思い起こせば、かつてはホラーの帝王ヴィンセント・プライスだって、いろいろぶっ飛んだマッドな役柄を演じてたけど、たいていの場合は「元はマトモな人間だったのに、住んでいる禍々しいお屋敷の毒気に当てられちゃった」みたいな話が多かったものね。
(以下、一応、核心のネタバレは書かないように感想をつけますが、
読むと、どうしても「ああそれか」と気づいてしまう人もいらっしゃると思うので、
ネタバレ扱いにしてあります。)
監督は明らかに様々な既存のサスペンス/ホラー映画から採られたクリシェを援用している。
たとえば、映画をとりまくビジュアルイメージ。
少女・月(ルナ)の被る白いお面は、『犬神家の一族』の佐清っぽくもあるが、病院つながりもあって、どちらかというとジョルジュ・フランジュの名作『顔のない眼』(59)を想起させる。
ダイヤモンドゲームに興じる際に彼女が掛け替えるウサギのお面は、もちろん『ウィッカーマン』(73)だ。
白塗りに赤目でうずくまる「奇病」の患者たちのスタイルは、『呪怨』(00)のメインビジュアルを連想させるが、もちろんこの「白地に赤目」というのは、「ウサギ」を念頭に置いたメイクであることも見逃せないところ(奇病の患者たちは単に「心がからっぽ」なわけではない可能性もある)。
ストーリーラインに関しては、あまり突っ込んだことには触れないようにするが、
家族が連れて帰ってきた「妻」がどう見ても別人っぽい、という冒頭はミステリー演劇の傑作『罠』(ロベール・トマ、60)とよく似た出だしだ。
その後の、「得体の知れない家族に不審感をいだく」という展開は、『ステップフォードの妻たち』(アイラ・レヴィン原作、72→映画化75)を彷彿させるし、実際、僕は当初、アレと同じネタの映画かと思って観ていた。
本作に仕込んである大ネタについては、いくつかの前例を小説・映画の双方で思いつくが、いちばん最近の作品で印象に残っていたのは、昨年くらいに発売&放映された、某翻訳小説&それを原作としたNetflixのドラマだった(『この子は邪悪』の100倍くらいラストでびっくりした)。そういや、あれも「●●トコロテン方式」を採用してたな(笑)。
あと、謎の中核に、実は全員●●というのが隠れているあたり、麻耶雄嵩の某作を思い出して、ちょっとうれしくなってしまった。
ほかにも、『悪い種子』とか、『ローズマリーの赤ちゃん』とか、『アス』とか・・・・・・。
いろいろと設定上いい加減なところがあるし、純くんと家族まわりの設定や扱いもえらく雑だし、終盤の山場に入ってからの演出・演技両面での茶番感がさすがに強すぎる(もう少しなんとかならなかったものか)など、しょうじきいってB級感はぬぐい難い。
ただ、こういう「仕掛け」のある脚本を引っ提げて、堂々とロードショー作品で勝負するそのスタンスは、個人的には大いに応援したいところだ(なので、星評価もかなり甘めにしてみました)。
何より、冒頭でなんとなく脳裏をよぎる「ああ、こういうタイプでこういうオチの話か」という通り一遍の推測を、一歩も二歩も上回る感じで真相をエスカレートさせてゆくぶっ飛びぶりは、ミステリーマインドに富んでいて、すばらしいと思う。
あまり高望みしないで、50年代あたりの「綺想ホラー」や、昔の『トワイライト・ゾーン』や『奇妙な出来事』みたいな「オチのあるSF怪奇ドラマ」のノリだと思って観れば、じゅうぶんに楽しめる映画ではないか。
そもそも片岡翔監督がTSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2017 で準グランプリを獲得した企画(タイトルは完全なネタばらしになるので書かない)は、昔の某ホラー映画や、荒木飛呂彦や伊藤潤二の漫画でも見た記憶のある某ネタと、いわゆる「擬似●●」ネタを組み合わせたものだった。
それを、ここまで何度も推敲を重ねて、プロットの骨格は変えないまま、「最後までそのネタを伏せる」形のミステリーに仕立て直したのは、さすがの手腕だといえる。
雰囲気づくりも、それなりにうまくいっている。
タロット・カードや、マスク、鈴、ラビットフットといった「呪物」の使い方も堂に入っている。
パンフに書いてあった「室内に鏡がない」作り以外でも、たとえば甲府が舞台といいつつ、病院にお見舞い(調査?)に行くシーンでは海が見えることで、入院先がかなりの遠隔地でそうそう訪問できないことがさらっと示されるなど、意外に細かい部分も考えて撮られている。
最初に述べた、和洋折衷のつくりものめいた「御屋敷」(司朗にとっての理想と、それを実現させるためのきわめて人工的で強引な手段の象徴)と、対比的に描かれる精神病院の収容病棟のような「団地」(家族の荒廃と分断の象徴)という、心理的背景/表象としての「建物」描写へのこだわりもすばらしい。
単なるほら話、綺想どんでんミステリーで終わらせずに、きちんと社会派性をもたせているところなどは、『ミセス・ノイズィ』(2019)や『さがす』(2022)同様、最近の脚本主導のミステリー系エンターテインメントに共通するスタンスだ。
あと、企画が当初の内容から大きく変わったあとつけられていたという『グッド・●●●●●』ってタイトルも、ほぼ完全にネタバレみたいなものだと思うので(笑)、いまのミスディレクションのきいたタイトルに落ち着いたのは、作品にとってはとてもよかったと思う。
ひとつだけ文句をつけておくと、個人的には、ミステリーとしての本当の山場は、ラストの対決シーンというよりは、「月の仮面がはがされる瞬間」に設定すべきだったと考えているので、あそこのシーンを比較的するっと通過しちゃったのは、大変もったいなかった。
あの瞬間、「●●がない」という事実によって、いろいろな「仮想」の「仮面」がはぎ取られて、当人たちが5年間信じていた「現実」が、真の意味で瓦解するわけだから。
本格ミステリー映画においては、とある真実の暴露によって、それまで築き上げられてきた全ての世界観が崩壊するその瞬間をどう演出するかこそが一番の醍醐味なのであって、そこさえうまく設定できれば、『ユージュアル・サスペクツ』(95)や『オープン・ユア・アイズ』(97)のように、「一生忘れられないミステリー映画」に映画を「格上げ」することができる。
その意味で、せっかく手の込んだプロットを逆算で語るという難行に挑んでいるわりに、作中何度か訪れる「謎が解ける」瞬間=「世界の色が塗り替わる」瞬間を、なぜかあまり際立たせようとない監督のやり口は、僕にはもったいなく思えてならないわけだ。
同様に、父親が花に投げかける、家族が「本物」か「偽物」かに関する認識の再確認も、この映画のネタにとってはきわめて重要な問いかけだと思うので、フラッシュバックなりをもう少しきっちり入れて、彼女が得心がいったことをしっかり表現してほしかった。
まあ、玉木宏の勢いに引っ張られて、なんとなく見ちゃうんだけどね。
玉木宏は、冒頭からラストまで終始最高に楽しそうで、いつまでも「あさが来た」のイメージで観ていたら失礼だな、と。本当はこういう、ヴィンセント・プライスやマイケル・ケインが嬉々としてやりそうなネタキャラを、やりたくてやりたくてしょうがないクセモノ系俳優さんなのかもしれない。
花役の南沙良は、好演(終盤の対決シーン以外は。感情を爆発させる演技ってのは難しいね)。
一見、絵に描いたような乃木坂系フェイスだが、だんだん映画を観ているうちに、のんと橋本愛の「あまちゃん」コンビのハイブリッドみたいな存在に思えてきた(笑)。
あと、桜井ユキも、ほぼ映画のホラー的要素をひとりで背負って、少し揺らいだだけで壊れてしまいそうな不安定な精神状態を上手に醸し出して、よく頑張っていた。
実はこの映画で僕が一番感心したのは、プロットでも主役の演技でもなく、桜井ユキがピアノを弾きながら、メリーゴーラウンドのシンプルな主題を変奏させつつ、狂気をぶわわわっと放出させていく、あのシーンだった。
100のセリフを重ねるより、ああいうひとつのシーンの創出が、100倍、映画の出来を左右するものだと思う。
家族愛や永遠がテーマで、意外と奥が深い
家族4人が交通事故にあい、その後を花(南沙良)をメインにして描いた物語です。
メリーゴーランドが象徴するように、家族愛や永遠がテーマになっていると思いました。
この映画で、誰が一番が邪悪なのか?また、邪悪な子は誰なのか?これらの答えは、映画を観終われば大抵の人は分かると思います。
ですが、私は邪悪な子は花だと思います。最後の花の心情の変化は、ある意味怖いものがあります。普通ならあの状況で、家族と団らんはできないと思います。
また、本作は親による子供の虐待を扱っており、その親から見れば、この子は邪悪な子だと思っていたかもしれません。
意外と奥が深い映画です。
本作は、南沙良さんがヒロインなのはとても新鮮であり、またヒロインで出てほしいと思います。大変良い作品だと思います。
どの子が『邪悪』?
ホラーであり、サスペンスであり、ミステリーであり、スリラー。
古びた診療所、清楚なワンピース、不気味な仮面、玉木宏の落ち着いた声、少ないBGMなど、アンバランスな要素が穏やかな場面にも不穏さを醸しており、秀逸。
また、タイトルのせいで『この子』が誰を指すのかを常に考えてしまうところも上手い。
(一人だけ無事だったり、学校にも行ってないなどから、ずっと主人公を疑心暗鬼の目で観てた)
正直、退行催眠はまだしも魂の入れ替えはどうやったんだという疑問はあるが、「冒頭の異常者たちの動きや姿勢」が絶妙なヒントになっており、伏線が張られていたという事で許容。
そもそもあんなやり方では近いうちに必ずバレるが、後先を考えられないぐらいには狂っていたのだろう。
5年間見舞いに行ってないのかとか、危機感なさすぎだろとか、他にもツッコミ所はいくつもあるけど、モブのウサギ人間含め全体の演技レベルが高かった(特に南沙良と玉木宏)ので満足。
ただし、おばあちゃんの倒れ方はヒドかった。
あと、目がグルグルするシーン、純くんだけ顔も動いちゃってて笑ってしまった。
妹の本体は死亡、身体は行方不明扱いなので、今後まともに生きるのは難しそう。
母は元の身分を使えばなんとかなるかもだけど、花ちゃんの背負うものが大きいなぁ。
ゲットアウト
普通に楽しめた。起承の部分に含みを持たせて、まぁ、推察通りに展開していくが、その後のテンポも良かった。ただ、可哀想なキャラがいるので、心優しい人はキツいと思う。良い作品だけど、ゲットアウトくらいのクオリティになれる事を願っている。
【良かった点】 一言で表すなら、「ゲットアウト」+「アス」の嫌な所...
【良かった点】
一言で表すなら、「ゲットアウト」+「アス」の嫌な所を煮詰めた感じの作品。終始不穏な空気がスクリーン上に漂い、観客に歪な緊張感を求めてくる。美術のディテールにもこだわっていて、例えば「なんで洗面台に鏡ないんだろ?」という観ながら感じた違和感にも、一つ一つ理由がある。観終わった後に、そういうことか!という閃きが後からやってくるタイプ。映画の後もこの作品のことについて考えられるコスパ的にも最高の一作。そしてなんと言ってもタイトルの意味。最後の最後まで目を逸らさないで欲しい。
【良くなかった点】
良くなかったというか、自分の中で整理ができていない点として、患者に渡していた鈴のキーホルダー(お守り?)はどういう効果だったのだろうか。中盤大西君が洗脳された後、鈴のキーホルダーを捨てる場面。あの音を聴き続けてる間は洗脳されてしまうのではない?
どの子が邪悪?
心理療法の院長・窪司朗は家族で遊園地に行った帰りに反対車線から中央線を越えてきたトラックと正面衝突の交通事故に遭い、司朗は足が不自由になり、妻は植物状態、下の娘は顔に重度の火傷を負い、上の娘の花も心に深い傷を抱えることとなった。ある時、母親が心神喪失状態で、その原因を探っているという高校生・四井純と花が出会い、共通点が有ることから色々と相談するようになった。そんなある日、花の母が5年ぶりに目を覚まし、司朗が家に連れて帰ってきた。司朗は久々の家族団らんを喜ぶが、花は母に違和感を抱いた。実は・・・てな話。
怖い話だし、院長はイカれてると思うが、子どもを虐待する親からどうしたらその子供を救えるのか、考えさせられた。
退行催眠って言葉を初めて知ったのだが、調べてみると退行催眠療法という治療方法が実際にあるのだと知った。
どの子が邪悪なんだろうと最後までわからなかったが、もしかしてあの赤ちゃんか?司朗が赤ちゃんの身体を借りて蘇った?
とすれば怖い。
南沙良は普通に良かった。玉木宏は気持ち悪くて名演だった。渡辺さくらは可愛かった。
【”家族はどんな時でも、いつも一緒。そしてそのためには退行催眠療法を・・。”今作は、嫌ーな気分が鑑賞後にズッシリ残る”鬱映画”である。ホラーチキンには、これ位が限界です・・。】
ー おかしいのは、自分なのか、周囲なのか・・。-
■5年前の家族で遊園地に出掛けた後の帰り道。家族は交通事故で、長女花(南沙良)のみ身体的に無事であったが、心理療法医院を営む父、司朗(玉木宏)は足に障害が残り、母・繭子は寝たきりに、そして次女は顔に大やけどをして、”助清”のような白い面を被っている・・。
◆感想
・序盤から、不穏な空気が半端ない。
団地のベランダで柵をかじる男。
おかしな目付きで添われる若い女・・。
ー これが、後半一気に意味が分かるのだが、非常に嫌な気持ちになる。-
・ある日、司朗が”奇跡が起こった”と繭子(桜井ユキ)を連れ帰るが、花は違和感を覚える。一方、次女は大喜び。
ー ここも、後半一気に意味が分かるのだが、同じく、非常に嫌な気持ちになる。-
・花は昔一緒に遊んだという少年、純(大西流星)と話すうちに、純が調べた父の秘密に気付いて行く・・。
■怖かったシーンは多数だが、
(ホラー・チキンなので、”あんなのが、怖いのかよ!”と言わないで下さい・・。)
1.昼寝していた母の黒子を花が拭いた時に、黒子でない事が分かるシーンと、母の眼がインフィニティのように、八の字に回るシーン。うわわわ・・。
2.父が明るい顔で”入れ物を入れ替えただけだよ。”と言うシーン。
ー 退行睡眠で、記憶を入れ替えるねえ・・。-
そして、”子を虐待していた人を治療した・・”と言って、ウサギを出すシーンと、背後の多数のウサギが飼われている光景・・。
玉木宏さんの爽やかな笑顔が、あんなに怖いとは思わなかった・・。流石だなあ。-
<鑑賞後の嫌ーな気分が、暫く残りそうな今までにないタイプのホラーサスペンス”鬱映画”
発想の奇抜さや、ラストの司朗が営んでいた心療内科の周囲で多数のウサギが、動き回る画の気持ち悪さ・・。
いやいや、参ったなあ・・。>
見れば見るほど納得できる作品。
公開日と後日、計2回見に行きました。
一回目はまだもやもやの残るラストや漂う不穏な空気と納得できない箇所がありましたが、改めて2回目を見ると新たな発見がある映画でした。
ただ、少し弱いかなと思う箇所や退行睡眠のなんでもアリな感じも役者さんの演技でカバーされていてあまり気になりません。
1つ言うならば、玉木さんおばあちゃん殴りすぎでは!?という所。笑
1回目でガッカリされている方も、2回目を見ると見方が変わるかもです。
サイコ・サスペンス入門編
イヤイヤイヤ。流石に、コレは、シネコンに掛ける長編としては物足りないです。と言うか、尺、余り上げてるやん、無理やり埋めてるやん、無茶苦茶冗長で寝落ちしてまうでしょうがw
ダラダラと始まっていたネタバレパートのメリハリの無さが致命的。退行催眠で生まれる前まで云々した時点で、誰が邪悪な子なのかもバレバレやし、ラストのシャッターの下ろし方も予測通りで易いし。
今週一のスカであった事は間違い無く。
あ。
この後、さかなの子があるんですが、流石に、こんな事はなかろうと。
片岡翔脚本としては、ノイズがギリセーフでコレが長編としてはアウトですかねぇ。50分くらいに切れば、ドキッと出来て面白かったのではないかと思いました。
全52件中、21~40件目を表示