劇場公開日 2022年4月15日

「作風が近年とは変わり、やや大人向けから子供向けへとシフト。あまり深く考えずに見た方が楽しめる作品に。」名探偵コナン ハロウィンの花嫁 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0作風が近年とは変わり、やや大人向けから子供向けへとシフト。あまり深く考えずに見た方が楽しめる作品に。

2022年4月15日
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劇場版「名探偵コナン」シリーズは、22作目の「名探偵コナン ゼロの執行人」から脚本の凝り具合が本格的になり、24作目「名探偵コナン 緋色の弾丸」についても私はとても見応えがあり良かったです。
ただ、この2作品が象徴的ですが、大人向けに舵を切ると子供がついていけなくなる面も出るため、どちらが正しいという正解はなく、単に好みの問題になってくるのでしょう。
その意味で言うと、本作では劇場版「名探偵コナン」シリーズの初監督が初期のように子供向けに舵を切ったのはファミリー層には好ましい状況なのかもしれません。
ただ、そのぶん脚本のクオリティーが落ちる面も出ていて、近年の作品を見るように頭を働かせると、割とツッコミどころの少なくない作品にもなっています。
例えば犯人は単独犯なのか、グループなのか?
この答えは作中で分かるようになっていますが、その場合、例えば終盤辺りの展開。準備や維持の非現実性が浮き彫りになったり、液体の対処法は液体の特性を考えると少しでも混じると破局的な状態になり、あのような大まかな対応では済まない面があるなど、考え出すとキリがない量の疑問が生まれます。そのため本作を見る際には、あまり頭を働かせずに雰囲気を楽しむくらいが良いと感じました。一方で音楽が菅野祐悟に代わり、これまで以上に深みのあるサウンドを奏でていたので、その点ではクオリティーが上がった面があり良かったと思います。

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細野真宏