劇場公開日 2022年4月29日

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「記録」シネマ歌舞伎 桜姫東文章 下の巻 ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0記録

2022年5月1日
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鑑賞方法:映画館

桜姫、深窓の御令嬢から遊女へ、180度転身。それでも心に決めたツレを恨まないし、落ちた身の上を嘆くこともなく、現状を受け入れる。この順応力の高さ、あっぱれである。

ただし、やはり彼女にも許せない一線はあった。それが判明した時の、変わり身は早かった。ここで、現代劇なら、もう少し葛藤する心情を細かく描くかもしれないが、たぶん歌舞伎は約束事があるんだろう。仇は討つべし、家は復興すべし、江戸時代ではそれが常識だから、個人の感情は問題ではないのかも。

鶴屋南北の脚本は、きっと当時は沸いたのかもしれないが、今だと冗長に感じてしまう。残月と長浦のくだりもちと長い。通しで上演した記録を、後世に残すという意味では良いが、現代人が見るにはもう少し編集して、テンポアップした方が面白く見られると思う。桜姫のキャラは魅力があるので。若手を配役して、ハチャメチャに暴れても、別の味わいが出るかも。新春浅草歌舞伎とかで、超短縮版でやってくれないかな。

ぷにゃぷにゃ