ぬけろ、メビウス!!のレビュー・感想・評価
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実際には難しいからこそ惹かれるものがあるのかも
なるほど、それでこのタイトルなのね!共感性は低かった主人公が次第に馬鹿に出来なくなる感じ、決心って他人を巻き込む程の熱量を持っていなくては、と改めて思った。幸あれ。
期待していたよりもカメラワークとかに難があって序盤はダメかな…と思っていたけど、きちんと尻上がりに面白くなっていったから安心。続かない、浮気性、夢想家…。自分に対しての自信がない分誰かに依存したくなる像は凄く現代的で、逃れられないことへの諦めも1つあったりする。そこのディティールが立体的。ただ、コミカルに振りたいのか、真剣に描きたいのか微妙な序盤は若干勿体なかった。
しかし、次第に過ちに気づき、失ったものの大きさに気づいた時、人が持つギアは想像を上回りながら走り出していく。努力をバカにすることは出来ないから。その熱量をジワジワと画面から感じる時、こんがらがった世界を解く糸口を見つけるのであった。
主演は坂ノ上茜さん。『愛ちゃん物語♡』でも強烈で大胆なコメディエンヌな雰囲気が似合っていたが、本作も雰囲気が凄く良い。足りない主人公だが突き進む感覚、意外とバランスが難しい役どころでも、ピシッと詰める。そういった所に演技としての信頼を感じる。
終わり方がすごく好き。もちろん書かないけども。いつの間に引かれたレールの上を走ることに慣れた中、その輪から抜け出すのはなかなか難しい。そこにチャレンジする作風が何より素晴らしかった。何度やり直していいはずの人生なのだから。
自分と向き合うということ
2023年劇場鑑賞10本目 傑作 76点
予告に惹かれて劇場鑑賞したミニシアター邦画
遅咲き青春映画ということで契約社員の5年ルールと長らく付き合っている彼氏との結婚を考える時期と相まって、今後をどう生きて行こうか嫌でも考える時期に直面するドラマを描いています
当方が期待値が低く前情報少なめで鑑賞した作品に弱いのもありますが、すごく刺さった
主人公が同世代の設定なのと教員を目指していたこと、長い恋人がいること、長らく契約社員をしていること、ほぼ全ての設定が当てはまり、それだけで共感性というか、スクリーンが鏡なのではないかと錯覚するほどの再現度で、没入したのを覚えています
良いとこの彼と出逢ったり、その人に対しての接し方でクズが滲み出てしまったり、それによって友人を失いかけたり、受験勉強に努めるシーン、長く付き合って仕事が忙しくなってきてもそれなりに円満な彼との仲、それぞれのシーンがちゃんと省くことなく使われており、ちゃんと説得力がありました
ミニシアターなのでアマプラ等で見れる様になるかわかりませんが、また必ず観たい、残る作品になりました
是非
小学校でメビウス教わった気が…。
静岡の実家で母親と暮らし建設会社の契約社員として働く24歳の女性が雇い止めを告げられて東京の大学に行くと言い始める話。
上司に呼ばれて行ってみると契約社員の5年問題の話しになり、何故か一瞬喜んで…って世間知らずにも程がある。
そして嘗ての夢だった教職を目指して大学進学!かと思ったら、出来れば教育学部って…。
その場しのぎで上手く行かないことは全部人のせい。
そんな自分を変えたいのは判ったけれど、なんだかこの人の場合言い訳の種が一つ減るだけじゃ?借りに大学に行けたって、今度は学校のランクの話しだってある訳だしと感じてしまう。
一生懸命何かに向き合ったということが云々言っていたけれど、頑張ったかどうかは自分が評価するものではないんだけどね…確かに最近の人はそういう人多いけれど、変われると良いですね。
終盤急に掌返したけれど、この母親も大概だよね。まあ実際いそうだけど。
途中の浮かれポンチ描写の長さが結構ダルかった。
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