劇場公開日 2021年7月30日

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「【”Go to 選挙! 選挙権がある人は、キチンと選挙に行こうよ!”日本国民政治意識向上促進ドキュメンタリー映画。ポリティカルドキュメンタリーを観る難しさを思い出させてくれた作品でもある。】」パンケーキを毒見する NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”Go to 選挙! 選挙権がある人は、キチンと選挙に行こうよ!”日本国民政治意識向上促進ドキュメンタリー映画。ポリティカルドキュメンタリーを観る難しさを思い出させてくれた作品でもある。】

2021年9月19日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

ー 今作を、公開直後に鑑賞していたら、感想は大きく変わっていたであろう。
 御存じの通り、今作のネタにされた菅首相が、総裁選出馬を断念し、与党政治家の皆さまは
 総裁選に出馬したどの候補者に付くのが、一番”自分達にとって”得策かを、鋭意検討中だからである。
 そして、菅首相がメディアに出る機会は激減した。
 だが、今作をこの時期に観ると、イロイロと今更ながらに日本の政治構造が見えてくるのである。ー

□ポリティカルドキュメンタリーを観る難しさ

 ・2019年のGWに、反権力の気風高き都市のミニシアターで「主戦場」という慰安婦問題を正面から取り上げたドキュメンタリー映画を観た。立錐の余地もない満席であった。
 ミキ・デザキ監督の早口英語のナレーションと共に展開される慰安婦問題への様々な疑惑。
 一番驚いたのは、杉田水脈(嫌いである。)や、ケント・ギルバート。そして櫻井よしこが、慰安婦問題について、堂々とインタビューを受け、慰安婦問題に対する懐疑的なコメントをしていることであった。
 だが、その後、彼らは映画に出るという事は一切告げられずにインタビューに応じた事が、明らかになったのである。
 ー つまり、右翼の彼らは本音を言ってしまったのである。更に”日本会議”の実態も描かれており、大変面白かったのであるが、ミキ・デザキ監督の作品制作手法は、赦されないものであり、意図的に慰安婦問題はでっち上げである、という恣意的解釈満載のドキュメンタリーだったのである。ー

 ・という苦い過去があるので、今作の制作陣を一通り調べたが、そのような事はないだろうと判断して、今作を観賞した。ー

◆感想
 ・菅首相や、安倍前首相についてのコメントは、敢えてしない。
 理由は、菅内閣は、既にダッチロール状態にあるからである。
 但し、少し気なる点がある。
 首相でも、当然人権はある。あの風刺アニメは、あの程度であるから問題にならないのかもしれないが、行き過ぎは良くないと思う。
 ー 菅首相は、今作でも述べられていたが、実は人事権を振り翳すオッカナイ人である。今作でもチラッと出たが、「i 新聞記者」で、東京新聞記者の望月衣塑子氏からの執拗な質問に対しての、実に嫌そうな顔。そして、彼女に対して行った事。ー

 ・だが、今作から今更ながらに学ぶことが幾つかある。
 後半、大学生たちへのインタビューシーンがあるが、多くの方は政治に興味が無い、選挙に行った事などない。とコメントしている。

 ・今作では、立憲民主党の江田憲司衆議院議員と自由民主党の石破茂衆議院議員が、度々コメントをしているが、これも納得である。
 ー 1度、石破茂氏の就任演説を聞いてみたかったなあ・・。
   野党から、”牛歩戦術じゃねーぞ!”とかヤジが飛ぶのが目に見えるようである。ー

 ・で、江田氏の言葉である。
 ”与党は、選挙の投票率が低いほど、有利でしょ?”

 ・個人的な意見であるが、選挙権の年齢を18歳に引き下げた真の狙いは、表面上は”若者に政治意識を!”などと言っているが実は、投票率を下げるのが狙いだろう、と勝手に思っている。
 ”若者よ、書は捨てなくて良いから、選挙には行こうよ!”

<結局、菅宰相は、任期僅か1年で座を降りる事になってしまった。
 流石に、内閣支持率が就任時の半減になってしまっては、心も折れるだろう。

 ・だが、このままだと、”自民党政権は続くよ、どこまでも・・”になってしまう。
 野党第一党の立憲民主党を推すわけではないが、健全な政治風土は、与党と野党が拮抗した状態であってこそ醸成されるものである。
 一党独裁が続く国に、未来は無いと思う。(近くに数国、ありますよね・・。)

 ・安倍政権時や、菅政権時の”Aという質問をしてもBという回答が来る・・。 By 石破茂” 等と言う空虚極まりない国会論戦はいい加減に止めて頂きたいモノである。
ー ここでの、自民党議員の石橋氏のコメントは秀逸である。
  地方議員からの人気はトップだが、安倍さんの”石破だけは、首相にしない!”と言う言葉が脳内を交錯する。ここでも、ねじれ現象が起こっている。ー

 ・そのためには、与党を脅かすだけの勢力を野党が持つ必要があるのである。
 そして、それを実現出来るのは、私たち選挙権を持つ一般の日本成人だけなのである。

<繰り返し書くが、”ドーセ、どこの党に票を入れても一緒でしょ?”などと言っていないで、
 ”選挙権を持つ日本人は、選挙に行こうよ。民意をキチンと示そうよ!”
 と、切に思うのである。
 行動を起こさないと、安倍政権時代から繰り返し行われてきた、”重大な政治問題”が再び起こってしまう可能性が高い事を、私は危惧しているのである。>

<2021年9月19日 刈谷日劇にて鑑賞>

NOBU
pipiさんのコメント
2021年9月21日

石破から「引き出した」は過大評価だと思います。彼はあの程度の事、意識的にペラペラ話します。
初当選時から田中角栄先生を裏切っての中曽根派から出馬。
93年の連立与党細川内閣時には「与党にいたいから」と言い放ち、自民を離党。
新進党の時は小沢さんを裏切り、自民党復帰後には、親切にしてくれた伊吹氏に後足で砂をかけ、麻生政権時は閣僚でありながら麻生さんへの退陣要求。マスメディアに頻繁に登場しては安部・菅批判。
この人の自民党批判は「いつもの事」です。だったら自民党を出ればいいのに。

この映画は、TV業界人の傲慢そのもの。編集による
「恣意的解釈満載のバラエティー」としか、私には見えないのです。

あれ?思ったより長くなかったかな?(笑)
次回は入管話で!
NOBUさんのお話、楽しみにしています♪

pipi
pipiさんのコメント
2021年9月21日

諮問機関として機能しませんから、政府は科学技術庁の科学技術会議を2001年以降は内閣府の総合科学技術会議として諮問してます。
欧米主要国のアカデミーは、独立民間非営利組織だからこそ、政府に対して学術的見地からしっかり物申す事が出来ます。自民党も学術会議の民営化を長年望んでいますが、利権と政府機関という権威的位置にしがみついているのは学術会議の方です。総理大臣が任命というのは形式ばかりで、推薦名簿通り任命してきましたが、政府が政府機関の人選をするのは当たり前。
安部政権時、これまた形だけではありますが「推薦名簿を定員より5名多く提出し(110名)総理が5名除いた105名を任命する」という形にしました。
総理も学術会議もお互いの面目を保った折衷策です。
ですから今回も学術会議が110名推薦してくれば何も問題はなかった。どの5名を任命しないか提示してくればよかった。
しかし、今回学術会議は105名ぴったりの名簿を寄越したそうです。菅さんにケンカを売った訳です。そこで5名任命拒否したのは売られたケンカを買ったのでしょう。オマケに1名増やして6名拒否したのは喧嘩師の血が騒いだのかもしれません。(この書き込み、消されるかな?w)
赤旗編集部がどこまで知ってるのかは知りませんが、小池氏はすべてわかった上で国会やマスコミ、世論を利用しているのでしょう。

pipi
pipiさんのコメント
2021年9月21日

今、noteに返信下書きしたけど、めっちゃ長い〜。
先に謝っておきます、ごめんなさい(笑)
貼るよ?いーよね?では下記です。

立民そうでしたか?
2017年の旧立民以来、一度も影の内閣発表はしていないと思いますよ。
枝野内閣にはLGBT担当閣僚とか、18年にも原発ゼロとかは言ってますけど具体的な事は何もなかったと記憶しています。社会、新進、民主、民進はありましたが。

元々、日本学術会議はGHQが日本の再軍国主義化を防ぐ為に政府中枢に置いた監視役です。その設計が裏目に出て、能弁家の福島要一氏の号令の下、35年以上に渡って学術会議は共産党に支配されます。
自然科学者よりも人文学者・社会学者の比率が高く、とりわけ法学者ばかり異常に多い。共産党員か活動家が4割を占め、他メンバーはさほど活動に熱心ではないと聞きます。(17年間諮問もなく答申もしていないのに平気で10億円強の税金を持っていく人達ですから)
15人定員の会議で6人が欠席すれば、共産党員が4〜5名でも過半数で可決出来ちゃうんですね。党員は一枚岩ですのでもちろん欠席しませんから。

pipi
pipiさんのコメント
2021年9月20日

あら、迷う必要なんてありませんのにw
ましてや、NOBUさんとなら違った立場からでも建設的な討論が出来ると確信しております。
共感や同意でなければコメントしにくいのは、相手の意見を否定するように思われて気兼ねするからですよね。でも「反対意見」がある方が自然で健全だと思います。

ってこってNOBUさんの仰る通り、私も常々、日本にも2大政党の成立を強く望む訳ですが本っ当にダメですよねぇ、日本。
そもそも、野党も「政策」に対してじゃなくて不祥事・スキャンダル・失言の追及ばかり・・・。
肝心なのはそんなところじゃないでしょう?と、強く強く思います。
立民も社民も共産でもれいわでもいいから、本来ならこの映画が公開されるより遥か以前にシャドウキャビネット、ネクストキャビネットくらい提示して然るべき!
反自民の支持を情趣面から得る為に自民党批判ばっかり繰り返しているけれど、それ以前にすべき事は「明確な政権構想」「経済や外交の政策」を示す事だと思います。

9月8日にようやく福山さんが閣僚候補について言及したけど遅すぎるし、結局まだ発表はしてないですしね。こういう部分をきちんとできなきゃ2大政党なんて夢のまた夢。野党共闘はただの「選挙互助会」で終わり、すぐに内部分裂する気がします。

なぁんて話、この映画の監督は微塵も考えていないと思いますよ。
単に大衆の不満の矛先となった「菅義偉」という個人を「いかにも悪人」に仕立て上げる事で数字(興行成績)を稼いだだけ。

本当に本気で「政治に関心をもとう!」「選挙に行こう!」と若者に訴えかけるならば、くだらん個人攻撃を動機づけにすべきではないです。
ですので「映画」としての評価は最低だと判断する次第です。
薬効成分1割、甚大な毒性9割であるならば、そんな商品は市場流通させてはならん、と考えるからです。1割の薬効は免罪符にはならないと思うのでした。

映画関係無しに政治に関しては「野党、しっかりしてくれ。頑張ってくれよ、頼むから?」と思っています(笑)

pipi
ぷにゃぷにゃさんのコメント
2021年9月19日

健全な政治風土について、私もそう思います。
やはり、こっちがダメならあっちに、と変える選択ができないのって、異常ですよね。
国民が監視しないから、やりたい放題ですよ。

ぷにゃぷにゃ
きりんさんのコメント
2021年9月19日

映画館往復は散財でしたが、パンケーキ代です。
それだけ菅さんには強力な吸引フェロモンがありました(笑)

きりん