Mr.ノーバディのレビュー・感想・評価
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おっさんの夢がつまった名作
終始、笑ってました。シリアスとコミカルの混ざり具合が絶妙で派手なアクションシーンなのに可笑しくて仕方ない、という、なんだろ、バイオレンス・コミカル・アクションという感じです。アクションもギミックもコミカルも楽しめます。
序盤はちょいちょいコミカルが混ざりながら、家族にぞんざいに扱われ、職場でも部屋に籠りなんかやってるだけで存在感がない、毎日/毎週、ルーチンワークで過ごすおっさん(ハッチ)。しかし、家に空き巣(強盗)が入ってから歯車が回っていきます。それが雪だるまが回り下って加速して大きくなるようにテンポよくスケールがでかくなっていきます。
いや、おじさんさあ、実はさあ、という流れがゾクゾクしました。憧れません?普段はボサッとしたおっさんだけど、なんかスイッチ入るとすげえおっさんになってるとか。それでした。そして、ノーバディってとても意味のある・・・。
それから、シーンそれぞれで流れる懐かしい音楽にもグッときました。場面場面にピッタリです。
肉を切らせて骨を断つ
ジョンウィックを書いている人がつくってHardcore Henryの演出家が監督したアクションスリラーというかアクションコメディ。
さえない中年、いけてない父親だがほんとは最強の暗殺者。最強の強はむしろ凶に変換したいほどだが、Derek Kolstad(ジョンウィックのライター)が書いているので、つねに満身創痍、肉を切らせて骨を断つという慣用句の映像化──と言っても遠くなかった。
見てて痛い。(この痛いはイタいという意味の痛いではなく本来の意味の痛いです。)見てて痛いわけはないが、痛みが伝わってくる感じ。
マゾではなく映画的アイデアとしての徒手空拳。あえて飛び道具(銃)が使われず殴る蹴る突く刺す切る。こっちもそれなりにやられることが映画的高揚に変わる愉しさ。加えて傷を負うのが絵になる男ボブオデンカーク。笑うところじゃないのに、なんか笑えてくる苦み走った険しい表情。キアヌリーヴスがやるとアクションスリラーになって、ボブオデンカークがやるとアクションコメディになる──という感じ。さえない男オデンカークの魅力全開で哀愁と愛嬌がだだ漏れだった。
リアリティには消極的。ありえなさを無視し、むしろがんがん飛躍させる。ばかばかしさと紙一重ながら痛快。親父役で出てくる“ドク”なんて施設に隠居しヨタヨタにもかかわらずショットガン持たせたら一騎当千なのだった。
そんな飛躍を支えるのがHardcore Henryのイリヤナイシュラー監督。冒頭で平凡な男のルーチンをパタパタ絵にする。だいたい100bpmぐらいのメトロノームでタイムカードの打刻音がベル。ハッチマンセル(オデンカーク)が、毎朝ゴミを出し遅れるダメ亭主だっていう図を小気味よく伝えてみせる。このつかみで完全につかまれた。ナイシュラー監督、Hardcore Henryで長編映画デビューする前はミュージックビデオつくってたそうだ。なるほど。
Imdb7.4、RottenTomatoes84%と94%。
英語ウィキによると続編の予定があり、予定通りなら2023年に撮影に入るとのこと。さらに執筆者もスタジオもジョンウィックと同じなので作中クロスオーバーの可能性があるそうだ。ジョンウィックとハッチマンセルが同時にあらわれたらそりゃあすごいけれど、ふたり(リーヴスとオデンカーク)が真剣な顔すればするほど笑ってしまいそう、な予感。
ちょい役だけどマイケルアイアンサイド!がでていた。スキャナーズで顔芸するマイケルアイアンサイドがすきなんだ。
大事なものを奪われてブチギレ、マフィアのボスの身内といざこざ起こし...
大事なものを奪われてブチギレ、マフィアのボスの身内といざこざ起こした事がキッカケでロシアンマフィアと争いになる。導入はジョンウィックみたいな作品です
ただ決定的に違うのが、ジョンは復讐と平穏のために仕事人のように黙々と敵を殺しますが、このノーバディはあれこれ理由つけて悪人を殺戮することを楽しんでいる異常者なとこです。ヒトコロスイッチを工作するのもジョンウィックでは見られないですね。
爽快感あって楽しめました。
お前らをぶちのめす
当時、映画館で観ました。
さえないはずの中年男性が実は…というパターンですね。
バス内でのハッチの格闘シーンは泥臭くて、私は好きです。
他の方も言ってますが、単身敵のクラブ?に乗り込むところも。
うろ覚えですが、倒した敵に語りかけてたら、もう死んでたっていうコミカルなシーンもありましたよね。
私はこの映画、結構楽しめました。
続編もあるらしいので、密かに期待しています。
アクション・シーンの在り方を再構築した知的なおバカ映画w
1)冒頭から20分まで
映画が始まって20分は、主人公の地味でおとなしい、強盗にろくに抵抗もできないサラリーマン生活を、同じことの繰り返しの毎日を退屈そうに描いて見せる。ゴミ出しし損なって奥さんから文句を言われ、警官から小馬鹿にされ、同僚からはこれで家族を守れとピストルを突き付けられ、しかし何も言い返さず黙々とバス通勤する弱っちい姿を、これでもかと言わんばかりに強調するのである。
ところが娘の猫のブレスレットまで奪われたらしいと知り、突如彼は変貌してしまう。
そのスジの怪しげな場所に強盗の身元を探りに行くのだが、初めは笑い者にしていた屈強そうな連中が、彼の手首の入れ墨をちらりと見た途端、水戸黄門の印籠よろしく全員が恐れ入ってしまい、大いに笑える。
2)主人公の職業は「会計士」か「監査役」か
実は主人公はその昔、アルファベット3つの略称の政府組織=FBIで働いていたという。だが、普通のエージェントなどではないらしい。その仕事は、字幕版では「会計士」に、吹替版では「監査役」になっているので困るw
英語のセリフはauditor。辞書によれば「会計検査官、監査役」でどちらにも取れそうだが、「会計士」という場合、普通はaccountantを使うし、会話の内容から言っても「監査役」が正しい。
会社で言えば、会計士は会社の業績や資産状況から正確な決算を行い、取締役会や株主らに報告するのが役割、監査役はその決算内容や、会社の業務全体の合法性や妥当性をチェックして、まずいところがあれば取締役会に報告するお目付け役だ(大企業では外部監査として公認会計士監査が義務付けられていることから混同しやすいが、基本的な職務は上記の通り)。
ただし主人公は恐らく裏方のヤバい「監査役」で、違法行為お構いなしに組織を粛清する掃除屋らしいのである。
このお目付け役は強盗の居場所を聞き出すやただちに部屋に押しかけ、ボコボコにしてしまう。だが、これはほんの手始めに過ぎない。
彼がとてつもない超人ぶりを発揮するのは、その後、乗り込んだバスの車内にギャングたちが乱入してきてからだ。
3)本作の真価~アクション・シーンの在り方の再構築
もちろんバスの中でギャングたちとバトルになるのだが、主人公もギャングたちも素手でボコボコ殴り合い、ヒイヒイ言いながらも相手を攻撃し続ける。武器はコブシ、ナイフ、ビール瓶、バスの手すり用パイプでぶん殴ったりする。そりゃー痛いよww お互いに殴り合い、ナイフで刺し合って皆が皆痛がってるのがおかしいし、何とも痛快なのだ。
その痛快さが何に由来するのかちょっと考えてみたら、本作にはアクション映画、バイオレンス映画の常套手段となっているカンフーが一切出て来ないからだと気づいた。
ブルース・リーに始まりジャッキー・チェンがコメディ化し、今やおよそあらゆるジャンルの映画に登場するカンフー、見ていると始めは格好いいし痛快なのだが、やがてウソっぽくバカバカしいアクションにしか感じられなくなったカンフーが、この映画にはまったく出て来ないのである。もちろんプロボクサー並みのパンチも洗練されたレスリングの技もない。
代わりに素人の喧嘩よろしく、素手やあり合わせの道具で攻撃させることで、この映画はアクション・シーンの在り方を再構築させたように見える。
こうしたアクションの新たな見せ方に加え、主人公の滑稽なまでの強さ、ライバルとなるロシア人マフィアのボスのデタラメで外連味たっぷりのキャラクター、ストーリーなどあってもなくても同じという潔さ、バトルからバトルへと次々に移っていくメリハリの良さが実に小気味よく、疾走感を味わえる。
4)皮肉とウイットに富んだBGM
最後の主人公 vs.ロシアン・マフィア一味の対決シーンでは、主人公の父親の老人や元の同僚がまたバカみたいに強く、さまざまな面白い殺し方を次々に繰り出して笑わせる。この虐殺シーンのBGMに友情の大切さを甘美なメロディーで歌った"You'll Never Walk Alone"が流れるのは、実に皮肉で洒落ている。
また、この前に主人公がマフィアの巨額な資金を焼き払うところでは、マフィアのボスが歌う”The Impossible Dream”が流れる。言うまでもなく「ラ・マンチャの男」の有名な挿入曲である。
「どれほど望みがなく/どれほど遠かろうと/正義のために戦う」と、気持ちよさそうに歌い上げる悪党のシーンの裏で、主人公が気持ちよさそうに札束の山に火を放つところは抱腹絶倒ものである。
このほか、映画の冒頭には「俺のことを勘違いしないようにしてくれ」というニーナ・シモン"Don't Let Me Be Misunderstood"、死体隠滅のため自宅に放火する場面ではサッチモの"What A Wondeful World"等々、皮肉とウイットに富んだ選曲がとにかく楽しい。
この音楽センスはロシア人監督ナイシュラーがミュージシャンでもあるからに違いないが、欧米のヒット曲にまじって流れるナターシャ・コロノワ"Serye Glaza(灰色の瞳)"やコンビナチヤ「会計士」といったロシアのヒット曲もメロディアスで素晴らしい。
5)まとめ
本作は何も考えずにアクションを楽しみ、笑っていればいいおバカ映画である。しかし、アクションシーンの在り方や笑わせ方にアタマを捻った、知的なおバカ映画とでも呼ぶべきだろう。続編が出たら、絶対観てやるからな~ww
爽快アクション!
さえない中年男性と思わせてからの実は…ってストーリーでアクションもの。
映画サイトのあらすじが「平凡な暮らしから、意図せず激闘に巻き込まれる」とか
「世の中の理不尽に怒りを爆発させて大暴れし」とか書いてあるけど、あえてのミスリードかな。
なんかライアン・レイノルズの『フリー・ガイ』みたいな空気に見せかけてるけど、
どちらかと言うと『ジョン・ウィック』や『イコライザー』に近いので、これらが好きな人は楽しめそう。
選んだ相手が悪かったのだ。眠りから覚ましてはいけない男を起こしてしまったんだ。
さぁ、何者でもない男が影の内から動き出すぞ!
個人的にじじいが良かった。痛快とはまさにこのことって名場面があるのでオススメ。
火曜日ゴミ当番 愛車は路線バス 地味な男が派手に、キレる。
原題
Nobady
感想
ジョンウィックの脚本家がストレス社会に捧ぐ痛快、ハードボイルドアクション!
月曜日ランニングからの路線バスで出社。
火曜日ゴミ当番、朝食作って出社。
水曜日筋トレ、出社。
木曜日ランニング、出社。
金曜日出社。
妻とはセックスレス、息子からはナメられ毎日同じような日常の冴えない平凡な中年です。まだ小さい娘さんからは懐かれているようでよかった。笑
バスでの乱闘は結構ボコられ、刺されていましたがタフですね。
ハッチの父親が強かったのがテンション上がりました!
終盤でも活躍します!
ジョンウィックの脚本家ということで銃無双でアクションも迫力あり楽しめました!罠を使いながら闘うのも良きでした!
続編も決まっているみたいなので今から楽しみです。
元3文字の会計士って気になりますね。
※俺はー何者でもない
中2病的最強オヤジ!!!
これぞ中2病の夢!!!
普段は冴えない中年なのに、実は会計士という名の
殺し屋!!!!
男子なら一度は憧れる鉄板設定!!
ベットでは、奥さんに枕の壁を作られて
息子には腰抜け扱い
唯一慕ってくれるのは、幼い娘だけ。
そんな、哀愁漂うお父さんの
の本当の姿が徐々に明るみになっていきます。
まず、手始めにバスでのチンピラボコボコ事件や
自分を殺しにきたマフィア構成員たちを、めっためたに
返り討ちにしたあと、ソファーに並べて昔語りしちゃうシュールな場面も最高に笑える。
とにかく初めから終わりまで、痛快で爽快です!!
というか、主人公のお父さんあのドクですよね!!!
バックトゥーザフューチャーの!!!
それかアダムスファミリーフェスターおじさん笑笑笑
あんなにヨボヨボなのに、敵をガッツリ返り討ちにするところが、かなりツボでした!
ストレス発散にピッタリの良作です!!
これ大好き!
ええやん!気持ちいいやん!!
小規模低予算のジョンウイックと評価してしまうのは勿体無い。
主人公が普通のおじさんっぽいのがイイ!支える家族が一般的なのもイイ!そして何より戦闘力が殺人マシーンじゃないのがとてもイイ!!
つまりは俺達に寄り添ってくれたクソ人生のクソおじさんが、一時ほこりと意義を掛けて頑張るのがサイコーなんですよ!
演出脚本がちょいポンコツなのも愛しちゃう出来栄え!
大好き!俺は大好き!!
名も無き最強の男のイキイキ人生
Amazon Prime Videoで鑑賞(4K UHD,吹替)。
抜群に面白いバイオレンス・アクションでした。
普通のおっさんだとナメて掛かっていたら、実は元凄腕エージェント、と云う設定はありふれているけれど、騒動の発端が半分ストレスの発散でチンピラを痛めつけたことなのが結構ユニークだし、主人公が無敵じゃないのもいい感じ。
後は「ジョン・ウィック」みたく雪だるま式に事態が大事になっていくのもお約束。観ていてウキウキさせられました。
「平穏な暮らしもいいけれど、昔のエキサイティングな日々も忘れられない!」とばかりにイキイキと大暴れする男たちのバトルは、エグいんだけどスカッとするほど爽快でした。
退屈な日常を吹き飛ばしてくれる様で、本作の痛快さが好きになりました。続編を期待させる終わり方もニクいです。
※修正(2024/06/27)
おじさんが頑張る、愉快なバイオレンス映画
いやー、楽しくて愉快でした。
イケてないおやじが、まさかの悪党を見事に倒す殺戮おじさんなんて!
しかも、これまた親子でですもんね。
バスのシーンなんか、強いんですが、一定やられるんですよね。また、それが良かったです。
大量に死んでるのに、痛快なので、バイオレンス映画としてもとても見やすかったですね。あっという間に鑑賞した気持ちです。
続編是非作ってほしいと思います。
楽しめました
こういうバイオレンス物もいいね。
無敵というわけじゃなくて、そこそこやられながらもやるぞ、というのがよかった。
ただ、過去の経歴がわかったところでそれが強さの要因にはならんよね。
そこがわかりませんでした。
なんだかすごい親父
ある日、突然にキレて暴発し、正体が明るみに。ただ、イマイチ恐れられてる理由が伝わらない。ちょっと、唐突過ぎた気がします。構成の問題か。
アクションは現実的でした。やはり中年は動きがノロノロですが、タフさが違う。銃やトラップを扱う腕も熟練という感じでした。
それなりに楽しめましたが、説明不足でした。俳優さんも存じ上げないし。ただ、中年の凄みを感じた作品でした。
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