家(1984)

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家(1984)

解説

旧東ドイツ出身で1970年代後半からドキュメンタリーを制作してきたトーマス・ハイゼ監督が1984に手がけた作品で、当時の東ベルリンの区役所の様子を捉えたドキュメンタリー。東ベルリンのアレクサンダー広場にある区役所に、職業や生活の相談をしに来る人々。太った男性職員が、ある華奢な女性にライプツィヒの高学歴の学者と結婚しろと茶化すと、「ジョークだね。自分たちの人生は自分で決める」と字幕が挿入され、リアルな対話が多面的に提示される。生活に困窮する若者に、自由ドイツ労働総同盟に参加することだけを勧める大人。結婚式場にはホーネッカーの写真が貼られ、社会主義国家に生きる普通の人々の姿が克明に映し出される。他のハイゼ監督の初期作品と同様、体制にとって相応しくないとされ、ベルリンの壁が崩壊するまで上映が禁止された。「トーマス・ハイゼ 東ドイツ3部作 今はなき社会主義国家」(2021年7月3日~、シアター・イメージフォーラムほか)で劇場公開。

1984年製作/56分/西ドイツ
原題:Das Haus 1984
配給:サニーフィルム
劇場公開日:2021年7月3日

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(C)Thomas Heise

映画レビュー

3.5興味深い記録映画ですが、ちょっと皮肉混じりかな?

2021年7月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館

完全なる興味本位での鑑賞です。
1984年の作品であり、その当時の東ドイツの役所の数部署にカメラを置き、市民の陳情や相談を受け付ける様が映し出されます。

1984年、そんなに昔ではないです。僕は80年代の洋楽にハマってた時期です。作品冒頭に「NENA」のヒット曲が。。。あぁ、あの頃の東ドイツかと思うと、非常に奇妙でした。まだ大人になっていなかった僕としてはドイツ=Nenaのイメージが強く、西も東も関係なかった記憶があります。社会(共産)主義も民主主義もどうだろうと関係なかったんですね(笑)

東ドイツは社会主義国家。でもイメージした世界とちょっと違って、、、ソ連とは違うってことなんですが、、、良心的な管理社会のような気がしました。先日観た「DAU.ナターシャ」という作品と同じなんだろうと、思ってました。でも、違って見えました。役人は(守るべき方針はあるでしょうが)市民へは高圧ではなく良き相談相手となっていました。もしかして、システムとしては有効に機能していたなだろうかなぁなんて思います。資産は国有ですから家も条件によって与えられるんですよね。市民はなんか嘘言ってる気もするし、「それはあなたのわがままでしょ?」って思う時もありますが、丁寧に対応してますねぇ。

さらに、さまざまな部署での相談が映し出されますが、驚いたのは子供の勉強や躾などのアドバイスをする場面もありました。まるでその子供の親みたいなフォローをしてましたし、さらに親に親自身の課題まで指摘。どーいう位置付けで、どんな権限でどんな役割だったんだろ?と。
一番の驚きは結婚式です。これは、これは驚きます。一見の価値ありです。けど、社会主義ならこうな流のかなぁ?って。だって戸籍情報が変わるわけですし、きっと税金とかも変わるし。いやいや、興味深いです。不思議に、市民の生活が浮き上がってきますね。

誰か役所の方が言ってましたが「今日は62人の話を云々。。って」とんでもない処理量です。社会主義で市民寄りの施策をしていたのではないかな?って思わせてくれるほどです。本当のところはわかりませんが。作中の演出で、一つの場面(相談)が終わるとその会話の中での役人の発言がテキストで表示されます。拾ってる言葉が、役人への皮肉に見えたのはなんだろうな?役人は断るの仕事なんて思われているのかな?

2006年W杯をドイツに観に行きましたが、今思えば感慨深いですね。こういう映像を見るとさらに。
見る価値ありです。

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バリカタ

3.5日常

2021年7月6日
iPhoneアプリから投稿

コメント書いてた気でいた。
区役所でのやりとりが解決というより処理、流れ作業よね。
どこも一緒か。

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