劇場公開日 2021年7月23日

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「ココ・シャネルの戦いは、世界史に載るくらいのレベル」ココ・シャネル 時代と闘った女 七星 亜李さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ココ・シャネルの戦いは、世界史に載るくらいのレベル

2021年11月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

今までのシャネルを題材にした映画とは違って、ドキュメンタリーという部分でかなりリアル。
そして、彼女を美化しすぎずに都合の悪い部分までも描き出しているところがただのドキュメンタリー以上に面白かった。
改めて、彼女のしたたかさ、強引さ、強烈な強さを見た。
多分、今までの女性の中で、無一文から自分の力だけで、初めて実業家として成功したというべきか、一人の女性として力を持った人なんじゃないか。
もちろん、色々な意味で世界を変えた女性はいるけれども、シャネルの世界の変え方は、今のジェンダーの考え方のもとになるくらいの生き様。
そして、自分でお金を稼いで自立したい。それが自由になること。というものすごい強い意志とエネルギーを感じる。

世界恐慌の時も戦時中も戦後も、彼女はどんな汚い手段を使っても自分が自由に生きることに対して貪欲だったと思う。
そして、きれいごとの愛国心なんてまったくなく、人からどう思われるかなんて考えていない。
彼女が亡くなって、50年くらい経つのにも関わらず、CHANELというブランドがなんで、生き続けているのか。
それは、ココ・シャネルが常に戦いつづけてきた、身分とか、常識とか、生まれとか、
どうにもならないことをねじ伏せるくらい、どうにかしてきたエネルギーがそこに生きているからだと改めて彼女のすごさを感じる。

七星 亜李