モーリタニアン 黒塗りの記録のレビュー・感想・評価
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情報公開は民主主義を支える、欠かせない支柱。 公開すべき情報を、形...
情報公開は民主主義を支える、欠かせない支柱。
公開すべき情報を、形だけ公開したポーズをみせる黒塗りは、日本だけでなく、USAにもあるのですね。
個人の順法の精神と、信仰心、倫理観が、システム、組織の都合より、上位の行動の動機にならないと・・・。
ジュディ フォスターがハマり役。
もう「タクシードライバー」から46年?
年齢相応になる訳ですね。
アメリカって恐ろしい
タリバンで訓練を受けていたってことは事実なようだが、それだけで拘束し、はっきりした証拠もないのに犯人扱い。アメリカとしてはなにが何でも犯人を挙げないと収集がつかない雰囲気で、誰でもいいから捕まえろって感じが怖い。認めるまでの拷問。ニュースでもそんな事が行われていると見たことはあるが、事実だったんだな。
確かにあのテロは大勢の犠牲者を出して酷い事件だったが、こんな事が行われていたとなるとどちらもどちらだと思ってしまう。
久しぶりのジョディー・フォスター、やはり存在感はさすが。とても良い歳の取り方、というのはあまりいい言い方ではないのかもしれないが、若づくりすることなく、シワがあっても美しいし品がある。
実話の持つ説得力と迫力がすごい
9.11の犯人の1人として投獄され、裁判もないまま拷問による自白を強要されて服役していた男の話。
そのとんでもない拷問は実話であるが故にものすごい重みを持つのだ。
世界中に衝撃が走ったあのテロ事件で、アメリカ人は誰かに罪を償わせたかった。そんな風潮もあったのだろう。
なんとしても起訴しろと言われた男と、人道主義に人生を捧げている弁護士の2人は、最初はそれぞれの立場で自分の役割を全うしようとしていた。
事実が明らかになるにつれて、2人の道は近づき信念に従って動き始める。
ベネディクトカンバーバッチも素晴らしかったが、なんと言ってもジョディフォスターが最高だ。素敵に年を重ねていて、相変わらず美しく強く、そして信念に満ちた目をしていた。
海の音は同じ
色々と話題になった9.11同時多発テロ関係者が収容されたグアンタモナ。テロにおける組織のリクルーターとされ捕らえられたモーリタニア人のモバメドゥを弁護する人権は弁護士、立件して死刑に持ち込みたい海兵隊検事、二つの側からこの収容所で行われた非人道的聴取が明かされていく。
何も関係ない人々が犠牲になったテロ、誰かに責任を持っていかないと気が済まない。その中で非国民と罵られながら現実を探る。今では明るみになった事であるがその映像をみるとなんともおぞましい。
アメリカがアルカイダを支援していた実体もある中、都合よく話を作っていく様はなんだも無様。我が国でも黒塗り文書があったりして何とふざけた事と思ったが、賢いと思われる人がこんな事やってちゃ世も末だ
イギリスでしか制作出来なかった
アメリカの制作の映画かと思いきや、
イギリスでしか制作出来なかった事が、
全てをものがったっていると思う。
裁判後も釈放に多くの時間を要したことに、
法治国家であるアメリカの影では汚いことも沢山しているであろう闇の深さを感じた。
人権のない場所
拘束者の人権がないがしろにされるグアンタナモに不法に収監された拘束者と女性弁護士の戦いを記した手記に基づく実話。
彼は本当に無実なのか。揺れる弁護士事務所。じっくりとしたいい映画でした。
めちゃ社会派。それも最近の実話って。
犯人を逮捕する話ではなく、「拘束の不当性を証明する」。
なるほどね、と。
人権活動家の弁護士を、ジョディ・フォスター。
友人を9.11でなくした軍の代理人を、カンバー・バッチ。
どちらも渋い役。
容疑者への自白強要シーンは、ちょっとPG15っぽいところもあったし。
弁護士が情報開示を求めた資料が、黒塗りばかり。
「誰かが罰せられねばらなない、でも誰でもではない」。
これ、世界の司法関係者に訴えたい言葉。
実話でしかもこの6年ほど前の話。えええ!。
映画のストーリーは途中で終わっていても、その後どうなったかの本人登場。
もっと驚きました。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「(アラビア語では)自由と許しは、同じ言葉」
政府が、国民が、ヒステリックになった時の恐怖
9.11の首謀者の一人として捕らえられたグアンタナモの捕虜収容施設に入れられた若者を救うべく奮闘する女性弁護士の物語。
実話に基づいたお話です。
女性弁護士を演じたジョディ・フォスターが主演ですが、国側の検察官として使命された海兵隊検事を演じたベネディクト・カンバーバッチ、捕虜となった若者を演じたタハール・ラヒム。それぞれが素晴らしい演技と存在感を魅せてくれました。
9.11という、ショッキングな事件。冷静さを欠いた政府と世論を向うにまわし、法を守るべく必死になる主人公が素敵です。
友人を失った恨みを捨て、上席からのプレッシャーに怯むことなく法律家としての矜持を守った検事が素敵です。
そして、数年に渡る拷問の中でも、英語を学び、希望を捨てなかった若者も素敵です。
ただ、wikkiを観ると、グアンタナモ釈放後に、テロ活動に戻った人も一定数いる・・・とのこと。必死になって助けた人がテロを行い大勢の人が殺される未来を想像すると、空恐ろしくなります。
私的評価は4.5。社会性が高く、極めて私好みの作品でした。
アメリカに人生を翻弄された男の戦い
911の事件に関わったとして、アメリカ政府から容疑を掛けられ
無実の為に15年間も拘束された人の話。
昔でなくて、つい最近までこれが事実としてある現実。
悪の枢軸としてでっち上げられたら、堪らない。
アマリカも何でも有りだと思ってしまった。
テロの犯人は処罰されなければならない。 しかし、誰でも処罰すればい...
テロの犯人は処罰されなければならない。
しかし、誰でも処罰すればいいというわけではない。
21世紀の米国で拷問による取り調べが行われていたという衝撃の事実は糾弾されるべきだと思う。
そして、裁判で無実が確定した後もなお7年間も勾留されていたという理不尽さ。
結果的に釈放されたからハッピーエンドということではなく、主人公が奪われた自由、被った精神的苦痛について、相応の補償をすべきだろう。
モーリタニアン人は無実か?テロ予備軍か?
2021年(イギリス)監督:ケビン・マクドナルド。
2015年。一冊の本が出版されました。
「グァンタナモ収容所 地獄からの手記」
著者は9・11の協力者を疑われたモーリタニア人のモハメドゥ・ウルド・スラヒ。
黒塗りだらけなのは、彼を救うために奔走した弁護士ナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)が
請求したモハメドゥの調書が、黒く消されてほぼ読めなかった事を、皮肉ったのです。
9・11以後、キューバのアメリカ軍基地に併設されたグァンタナモ収容所。
人間の尊厳を否定する拷問が行われたことで有名ですが、幾ら政治犯でもテロ予備軍でも、
人間としての最低限の人権は守られるべきなのでは?
ましてモハメドゥは無実の可能性がとても高かったのです。
不屈の弁護士ナンシーの心血を注いだ努力。
起訴する側のスチュアート中尉(ベネディクト・カンバーバッチ)ですら、
黒塗りの調書にアメリカ政府の違法性を感じるのでした。
まあ本当に想像を絶する長さの拘束・拘禁。
水責め、3日間も寝せない、同じ無理な姿勢を6時間も続けさせる、酷い拷問でした。
その拷問を積極的に認めたラムズフェルド。
そして正義の人のような顔をしたオバマ前大統領も、同じ穴のムジナ。
この告発の映画はBBC制作のイギリス映画なのも皮肉ですね。
原作に惚れ込んだベネディクト・カンバーバッチが一番に映画化を望みました。
ただし、収容されていてその後に自由の身となった収監者の13%が、
テロ活動に戻ると言った、ショッキングなデータがあるのも事実です。
過去鑑賞
2022年 78本目
こういう政治的な話は評価すること自体難しいです。約15年に渡って冤罪で不当な扱いを受けてた人の話でいいのかな笑
しかし久しぶり(エリジウム以来?)のジョディフォスター。。口元も首回りもシワシワのおばあちゃん😅
まだ58?だけど年以上に老けた印象。
話し的には響かなかったけど、ジョディにはもっともっと出演してほしい。カンバーバッチは影薄かったなぁ
法律の必要性
「CIAはすでにテロ容疑者にこうした尋問を行っていたことを認め、テロに関する「唯一無二の、その他の方法では入手不可能な」情報を得るためには有用なテクニックだと主張してきた。しかし報告書を見ると、こうした手法が有効だった事例はほとんどなく、CIAは関係当局に事実を隠蔽するような報告を行っていた疑いがある。」
グアンタナモはまさに法外な拷問を行うために意図的に作られた収容所だ。グアンタナモ収容所に14年間拘束されたモーリタニア人、モハメドゥ・スラヒ。そのうち2年間は過酷な拷問の連続で死にかけていたという。2年間にわたって壮絶な拷問を繰り返されたら...正常な状態ではなくなってしまうことは容易に想像ができる。そこまでして自白強要することになんの意味があるのか。大昔の出来事のように感じるが2015年にようやく祖国に帰れたというから驚きだ。
「私はアメリカは正義の国だと信じていた。まさか裁判もなく8年も拘留されるとは思わなかった。
アメリカが私を恐怖で支配するだなんて。やってもいない罪でせめられ続けた。だが許そうと思う。許したい。それが私の神アラーの思し召しだから」
悲惨な経験をしたとは思うが最後は祖国に帰る事ができた。立場によって人間は何かの役割を担っているが、どんな状況に置かれても自分の正義を貫いて生きる事は短命になりそうでいて、実は生き延びる秘訣なのかもしれない。
法治国家のアメリカ🗽が…
法治国家の先進国のアメリカ🗽がこれでは…。日本もそうだが、世論を気にしすぎでは…。日本では証拠があっても、裁判官の意見、考え方で曲げられる。(心証の問題と言われる)法律とはなんなのかを、考えさせられる内容でした‼️
祈りのことば
ジョディーフォスター演じるきれいごとじゃない人権派弁護士がかっこいい。特に背景は描かれないけど、いろんなものを見てきすぎて、依頼人を見なくなっている姿が伝わる。凄惨な拷問を知って思わずそばに駆けつける転換も良かった。
プロボノ案件は口を出さないでってぴしゃりと言ったり、機密情報に電話一本で確認入れたり。今までの彼女の歩みが透けて見える。
でっち上げの犯人にするには賢すぎたんだろうし、彼自身は西側の理念を体現している。検察側もあんな真面目で信念のある人を任命したのが彼らにとっては失敗だった。
一方でもしかしたらそれほど賢くなく、運にも恵まれず有罪になってしまうケースもあるんだろうなあ。それにしてもグァンタナモの有罪率は低すぎる。あのアメリカの熱狂がそうさせたんだろうか。
実際のムハンマドゥが明るい。あの明るさが生き延びる秘訣なのか。マルセイユは生きられなかった。
ムハンマドゥの祈りの言葉が美しかった。証人喚問の演説も素晴らしい。
アメリカでも黒塗りにするのねー。
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