劇場公開日 2021年6月18日

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「上品なファンタジー・学園ミステリー。ちょっとだけ怖いかも。」ショコラの魔法 しまうま(きりん)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5上品なファンタジー・学園ミステリー。ちょっとだけ怖いかも。

2021年6月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

なかなか面白かったです。監督の撮り方もあるのでしょうが、漫画原作の映画化にありがちな若手の過剰演技やくどい演出もなく、セットも丁寧に作りこまれています。

小中高大生の友達とかカップルで見に行ったり、親子連れで観に行くと楽しい映画だと思いますよ。ファンタジー・学園ミステリーもので、ちょいラブコメ要素あり。基本的にはほのぼのとして見られます。カップルは、初めての手をつなぐデートとかで、こういうのを観ておくと良いと思います。

ちょっとだけホラー的要素もありますが、高校内でのことですし、ちょい怖い程度。本当に怖いのは、映画で描かれている人間の欲望です。夢に取りつかれて道を踏み外してしまう人の心や、そのせいで抜け出そうにも抜け出せなくなってしまった現実が怖い。物語自体は小難しくはなく気軽に楽しめます。

岡田結実さんら巧い若手の俳優さんや、話題性のある山口真帆さんが演じています。特に、ショコラ役をあの山口真帆さんが演じることで、最後の見せ場は強い説得力があります。チョコレートは甘いけれど苦い。苦いくて、ちょっと怖い。

山口さんは相棒のカカオ君相手ではちょっとした表情の変化もあり、最大の山場ではなかなか見事でしたよ(カカオ君も可愛いので注目してみてください)。

続編(あるいは深夜の連続ドラマ)で、もうちょっと主人公のショコラの過去について掘り下げて観てみたい余韻が残る映画でした。

(*なお、せっかく良質なエンターテインメントの小品に仕上がっているのに、主演の1人である山口さんが被害を告発したことで古巣の運営側と対立し、グループを辞めざるを得なくなった事件への逆恨みで、彼女のアンチと思しき人々が映画それ自体の評価をさしおいて心無い非難を浴びせているようで、非常に残念です。古巣の運営会社やその親会社は限定的ながら管理不足などの問題点を認め謝罪したのですから、そうしたアンチに対してぜひ注意喚起をお願いしたいです)。

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しまうま(きりん)