劇場公開日 2021年2月26日

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「違和感の嵐。」リーサル・ストーム レントさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0違和感の嵐。

2023年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

単純

迫りくる嵐とそれに乗じた襲撃という二重の危機に立ち向かう「フラッド」、「ワイルドストーム」に続く作品。だが、ほかの二作に比べて本作のハリケーンが作品中で効果的に使われていたとは言い難い、劇中の描写もただの大雨くらいにしか見えないし。

過去に誤って恋人を撃ったトラウマを抱える主人公、この設定も作品に活きてない。悩んで銃口を口に突っ込むというリーサルウェポンオマージュやりたかっただけかな。そのメル・ギブソンも頑固な元警察署長役で出演、しかし大した活躍もせず途中退場。それも撃たれた傷を治療した後にすぐさま撃たれるという。お騒がせ俳優だけになにか途中降板する事情でもあったのか。

貴重な絵画を盗難から守るために逆に無造作にペットOKの賃借人の部屋に飾っているというマンションオーナー、それを見事な隠し方だと称賛する主人公。ちなみにその絵画はフェルメールの「合奏」(1990年に美術館から盗まれ所在不明)であり、値がつけられないほどのもの。明らかに絵はプリントしたものでシワがよってたけど。
そのオーナーが高齢者のドイツ人というだけでナチスと言い当てた黒人の住人。彼がライオン(?)をかってるのは警官を襲わせるためだと過去に黒人差別を受けたことを話し出す。作品の流れ上ちょっと唐突な感じがする。
あんな重武装して襲ってきた強盗団、初っ端で管理人撃ち殺しておいて木造のドアのセキュリティーを解除するのは何故か慎重。
地下室が浸水してるから人が通れるくらいの穴があるかもとか。何かとおかしなところが目につきすぎて逆にちゃんとしたところが見当たらないような作品。

本作の設定のすべてがまったく一つの作品として調和されていない。いろんな具材と調味料を加えてもとても食える料理にはなっていない。
強盗とハリケーン足したら面白くなるだろという安易な発想で作られた作品。

ラストのライオンのオチは誰もが予想してたろう、制服着替えさせたのは唯一うまいかな。でも警官が黒人にあの絵を渡してどうするの?盗品だよねえ。

主人公の俳優も背が低くて魅力ないし、全編通して違和感の嵐に翻弄された作品だった。

無料配信でただで見れるぶん駄作も多く見る羽目に。

レント