けったいな町医者

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けったいな町医者

解説

兵庫県尼崎市の在宅医・長尾和宏の命の駆け引きの現場を記録したドキュメンタリー。かつて病院勤務医として働いていた長尾は「家に帰りたい」と言っていた患者が自殺したことをきっかけに病院を辞め、尼崎の商店街で開業し町医者となった。病院勤務医時代に1000人、在宅医となってから1500人を看取った彼は、その経験をもとに、多剤処方や終末期患者への過剰な延命治療に異議を唱える。365日24時間いつでも患者のもとへ駆けつける長尾の日常に密着し、昼夜を問わず街中を駆け巡るその姿を追い、「幸せな最期とは何か」「現代医療が見失ったものとは何か」を問う。長尾のベストセラーを映画化した「痛くない死に方」で主演を務めた俳優・柄本佑がナレーションを担当。

2020年製作/116分/G/日本
配給:渋谷プロダクション
劇場公開日:2021年2月13日

スタッフ・キャスト

監督
製作
人見剛史
内槻朗
小林未生和
エグゼクティブプロデューサー
鈴木祐介
見留多佳城
企画
小林良二
企画協力
小宮亜里
プロデューサー
神崎良
角田陸
撮影
毛利安孝
編集
毛利安孝
ナレーション
柄本佑
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(C)「けったいな町医者」製作委員会

映画レビュー

3.0医療って…

2024年2月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

本当の意味では、こういうことなんだろうなぁと思いました。本作を観終わって、評論子は。

かつてNHKで放送されていたドキュメンタリー番組「プロジェクトX 挑戦者たち」という番組で、長きにわたって北海道の浜中町で医師(町内で唯一の医療機関である町立診療所の所長…と言っても、所属医師は彼1名)として地域医療を支えて来られた道下医師のインタビューをお聞きしたことを、評論子は、覚えています。

道下医師いわく「地域医療というのは、カルテの裏側が読めるようになって(診察室を離れて患者の日常の生活ぶりがわかるようになって)、初めてできるようになるんです。」と。
乞われて都市部の大学病院から赴任して、「あと1年」「もう1年だけ」と頼まれているうちに、気がつけば26年も診療所長を務め、患者からは自分の葬儀委員長を頼まれるまでになったとのことでもありました。

中世ヨーロッパで「大学」が生まれた当時、そこでは神学、法学と並んで医学が講じられていたと聞きます。
神学は人の精神生活、法学は生きていくための財産、そして医学は、そのものズバリの人の生命に関わる学問だったからでしょう。
「万民の生死をつかさどる術」として「医は仁術」とも言われていますけれども。
その言葉を地でいくと、上掲の道下医師や、本作の長尾医師のような医師に繋がっていくのかとも思います。評論子は。

佳作であったと思います。

<映画のことば>
人によっては20種類、30種類ものお薬が処方されている。それで、体がだるい。しんどい。それじゃあ、どうすればいいんだ
そういった相談がたくさん舞い込みます。
実は、それは「多剤症候」といいまして、お薬の飲み過ぎによる障害なんですね。
「医療」って、どんなものなんでしょうか。
私は、その人の偏った癖を見抜いて、その偏りを直すアドバイスをする、それが町医者の役割だと思っている。

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talkie

4.0誰かの人生にしっかりと関わる

2022年10月23日
iPhoneアプリから投稿

ということの素敵さですね。

自分も訪問の医療関係者だから分かる部分は多々ありました。

家族に協力的に看取られるだけで幸せであることは間違いないです。

友達はテレビかと聞かれていた、家にほぼ一人でこもりっきりのカップヌードルのおじいちゃんみたいな方の方が多いのではと感じることがあります。

全部を肯定的に観たわけではないですが、単純に長尾先生はめちゃくちゃ格好いい。

誰かを間違いなく救えているし、笑顔にしている、それがめちゃくちゃ格好いい。

モチベーションが上がりました。

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ボタもち

4.0『痛くない死に方』との二本立てにて。

2022年8月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

貴重な映像がたくさん出てきます。

あまりにあっさりと、人の最期を映し出してくれることで、看取りのリアルを感じると共に、"死"が自然であることを伝えてくれます。

ご自宅で膝の腫れ上がったオンダさんが、あれほど嫌がっていた施設で、どんどん元気になって、白やピンクのフワフワ部屋着になっていく姿がとても可愛かったです。

長尾先生はもちろんですが、介護士のお姉さんたちも明るいし、尼崎の土地柄もあるんでしょうか?関西の笑い文化は、あったかいですね。

・・・・・

何度も看取りを経験しているナースからは、死が迫った時に多くの人が後悔を口にすると聞いたことがあります。もっとああしておけばよかった、こうすればよかった。あの人にお詫びをしたかった、お礼を言いたかった。もっとちゃんと生きればよかった、と。

Living willを丁寧に書き残し、正に"枯れるように"逝った男性。大切な人に感謝を伝え、生を全うされたであろう姿が羨ましく思えました。

長尾先生の本を初めて読んだのは15年ほど前でしょうか。"枯れたように死ぬ"のが自然だと言うこと。多くの人が溺れ死んでいると言うこと。現代医療は死ぬのが負けだと思っていること。本編の内容は、その頃から一貫しています。
40〜50年前までは看取りが当たり前だったのですよね。

長尾先生が「本は懺悔として書いている」と言っていたのが印象的でした。

"死"は自分にとって、人生の探求テーマの一つでなのですが、生きるとはなんぞや?という考えと切り離せません。

誰もが経験することなのに、未知の世界。健やかに死を迎えること、ピンピンコロリは、みなが望んでいることだと思います。

子供の頃は、異様に死が恐ろしかった。自分だけでなく、両親や身近な人がいなくなる恐怖に襲われることがありました。
年を重ねて、死生観はずいぶんと変化したと思います。

"生老病死"

一部の宗教や算命学やスピリチュアルの世界では"体は借り物"だと言われます。この世に生を受けたものは、その時に必要な役割や課題を持って生まれると言われます。

子供の頃はその使命を覚えている人もいるようですが、社会に揉まれ、さまざまなルールや抑圧の中で、多くの人は忘れてしまいます。その使命を全うしているかどうかで、人生、境遇、死に方などが決まってくるそうです。

この借り物のお体を丁寧に扱って、自然界に必要な役割を果たし、きちんとお返ししないといけないんですね。

でも、課題がたいがい自分の苦手とするものだったりして、神様のイジワル。。

・・・・・

本編の話に戻りますが、きっとこの編集、長尾先生も交えてますよね?

『痛くない死に方』のDVD特典というポジションのようですが、個人のドキュメンタリーってどうしてもプロモーション的になりがちですし、テーマから言ってもシビアな雰囲気になりかねないのですが、「そうはさせない」という意図のようなものを感じました。

高級車の中でお菓子(あられ?柿ピー?)をバリバリ召し上がるとかね、いいです。好きです。

注射をされるご婦人の怪訝そうな顔には、吹き出しそうになりました。

長尾先生の歌唱のたびにナレーションが被るのは、あれでしょうか、監督やスタッフの心遣い?

1人紅白の本番に至っては、熱唱中の長尾先生を背景に、玉置浩二さんの歌唱力高すぎソングが流れるという仕上がりに。笑

クリーニング屋さんが閉店してしまうシーンとか、車中で話を聞きつつ映像はフロントガラスから見える空だったり、カメラが一生懸命ベスポジを探している様子がリアルでした。

撮影期間は2ヶ月とのことですが、その短期間にこれだけの内容ですから、長尾先生の日々の濃さがよくわかります。

いち治療者としては、減薬に賛成です。投薬は3薬までという方針、広まってほしいです。

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osinco

5.0自宅で死を迎え、現代の医療にメスを

2022年2月23日
Androidアプリから投稿

涙しました。投薬ばかりが、医療ではない‼️薬メーカーの手下になっている、お医者に観て欲しい‼️

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ろくさん
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