劇場公開日 2021年8月20日

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「白石和彌監督版「広島死闘篇」」孤狼の血 LEVEL2 大塚史貴さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5白石和彌監督版「広島死闘篇」

2021年5月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

広島の架空都市を舞台に警察とやくざの攻防戦を過激に描いて評判を呼んだ、白石和彌監督による「孤狼の血」の続編。原作の3部作にはないオリジナルストーリーで描かれており、前作で新人刑事として登場した松坂桃李演じる日岡秀一が主人公。
3年前に暴力組織の抗争に巻き込まれて殺害された、伝説のマル暴刑事・大上の跡を継ぎ、広島の裏社会を治める刑事・日岡。権力を用い、裏の社会を取り仕切る日岡に立ちはだかったのは、上林組組長・上林成浩(鈴木亮平)だった。こんなにも狂気をはらんだ役を演じ切った鈴木にとっては、新境地開拓といって良いのではないだろうか。
また個人的に村上虹郎、西野七瀬、そして中村梅雀の存在感こそが今作を一段上のグレードへと連れて行ったと断言しても良いほどに説得力のある演技を披露した。最後に、これは「仁義なき戦い」でいうところの「広島死闘篇」といえる。さらなる続編へと繋がる道を用意している点も上手い。

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大塚史貴