劇場公開日 2021年1月29日

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「いい話のオムニバス。だけど面白味がない」おもいで写眞 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5いい話のオムニバス。だけど面白味がない

2023年11月20日
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鑑賞方法:VOD

遺影用写真の撮影から思い出写真として変化していき、本来の目的を見失うことはないものの内容としては完全に思い出の方に偏っていく。

主人公結子は悩みを抱えたまま仕事をし、幾人かの老人と触れ合っていく中で己の問題を解決していくのだが、イマイチ親和性がない。触れ合い変化する、の「変化」をあまり感じられないのだ。作中の思い出写真にまつわるエピソードが主人公に影響を及ぼしているようには見えない。
エンディング間際になって急に覚醒するような展開ではこれまでの出来事が無意味になる。
これでは主人公を含めたいくつかのエピソードのオムニバスドラマのようだ。
観ながら変化を感じ取れない作品というのは映画的につまらない。

そもそも、結子というキャラクターに魅力がない。彼女の抱える悩みに理解は示せても、彼女の融通の利かなさは私を苛つかせる。
悩みからくる頑固さというより、最早ただのバカだろ。中高生ならまだしも二十代後半か三十くらいだったはず。これじゃあさすがに仕事もクビになるよ。

主人公の成長物語なのは理解するけれど、ドラマチックに展開させるために少々頭の悪い女にし過ぎたように思う。
何となくいい話で、まとまってはいるので駄作ではないけれど、面白味のない退屈な作品だった。

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つとみ