粛清裁判のレビュー・感想・評価
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スターリンはこのようにして何百万人も粛清したらしい
1930年、8人の有識者がクーデターを企てたと疑われ裁判にかけられた。産業党裁判として起訴され全員反省していたのに多くが銃殺刑になった。
裁判の展開と群衆のデモを交互に映す演出で進み結論が見えてるような裁判が続く。
産業党がソ連の社会主義国家を転覆させようとしていると言う事で裁かれるが、事実はスターリンによる見せしめ裁判で無実の罪を着せられた被告人たちの気の毒な裁判の記録だった。
裁判所に多くの傍聴人を入れ、検察と判事がスターリンの意向に沿った発言をし裁判が続く。
スターリンの労働者のための社会主義に熱狂する群衆の映像が当時のソ連の状況を反映されてて、いかに権力側が民衆を欺き、群衆を扇動し、独裁政権を強化していったかを描い作品。
これは国葬と違って入り込めた。
被告があんなに反省しててもでっち上げで銃殺とは・・・スターリン恐るべし、だった。
権力という名の魔物が成せる劇場
ソ連最高裁という名のスターリン劇場で展開される国家最大の茶番劇
本作もロズニッツアはナレーションを入れず粛々とフィルムのコマを進めていくためやや単調な感じは否めないが、あるがままを写すのが作風であろうから、これは理解した上で鑑賞しなければならないだろう。
それにしてもこんな在りもしない罪を捏造し権勢を維持しようとする人の強欲さには飽きれ果てる。
やはり権力は人間をどうとでも変えてしまう恐ろしいものである。
国家に睨まれた者の末路
群衆ドキュメンタリー映画第二弾
ソ連の歴史に詳しくないので登場人物がまったくわからなかったけれど、鑑賞後にはソ連の勉強したくなる作品でした。
「東京裁判」のように自国の歴史とかだとすんなり頭に入ってくるのだが、なんせほぼ知識なしで鑑賞したため字幕をよんでるのに必死で内容あまり着いていけなかった。
それでも被告人たちがどうにかこうにか助かりたいがために罪を認めたり、国に尽くすと誓ったりして必死さが印象的だった。
裁判って基本的に被告人は罪を認めないものだと思っていたので、やけに素直だなとか往生際の悪い奴だな、なんて考えていたのだけれど。
どうやら彼らはでっち上げられた罪で裁かれていたようですね。スターリン等の政策による民衆の怒りの矛先を背負わされただけの被害者だったようです。
そう考えて彼らを見ると、いかに生き延びるため国家に媚びるねばならないかが伝わってくる。
浅い知識の私には表層しか読み取れなったけれど興味深い作品でした。
最後の字幕で被告人や関係者の末路が紹介されるのだが、なんとも恐ろしい結末でなんとも言えない気持ちになった。
延々字幕を読まされる苦痛
延々字幕を読まされる苦痛。
この事件を我々は知らぬから、この顛末部では圧倒的に説明不足だ。
だから何?まで言ってくれよ。
テーマは重要、作りも誠実っぽいが、客に不親切は駄目だ。
それと本作も今の政治的意図に迎合した嘘カモと見る目は維持しよう。
寧ろ劇映画にした方が面白そうだ。
尤もらしいが。
ソクーロフほどはインパクトはなかったが面白かった
映画は我慢、我慢して観続けてこそその作品の世界に入り込んめると言ったのは押井守だったと思うがそういう経験。久しぶりの映画館で異世界に行って帰ってきた感じでした、内容自体は見聞きしたことのある話でしたがこの映画の経験は観てもらわないと、文字では表せません。
人間怖い
群衆シリーズで鑑賞。
茶番恐るべし。
茶番に乗せられる群衆恐るべし。
で、この茶番を作った人間がいたのである。
人間恐るべし。
独裁が作られていく過程の映像なのだろうか?
曇天に包まれた旧ソ連の冬の風景、
なんだか同じ顔にしか見えないモブ映像。
なんだ?この意思の塊のようなうごめきは。
気持ち悪い。
本当に気色悪い。
ラストは茶番の主人公達のその後が語られるが、なんたる結末。
これはほんの序の口で、入り口で、これが大粛正に繋がっていくのかな?と思うと、恐ろしくてたまらなくなる。
素晴らしい記録映像である。
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