ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男のレビュー・感想・評価
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大企業の悪どさに驚く
大企業相手に訴訟を起こして多額の損害賠償金や和解金を勝ち取る映画はいくつか観てきたが、どれも共通しているのは大企業側の悪どさだ。非を認めなかったり、裁判を引き延ばしたり、原告に対して妨害活動を行ったり、和解金を少しでも減らそうとする。対抗するのは正義の気持ちや功名心や報酬といった様々な理由で裁判を担当する弁護士だ。
本作の面白いのは、主人公の弁護士ロブが裁判を引き受けようとするきっかけが祖母の紹介だということ。そして、所属するのが企業の顧問を担当することを専門にしている法律事務所という点。あまり(というかかなり)乗り気でなかったところから出発する。
そこからはこの手の映画の王道の作り。ロブだけでなく事務所トップのトムも正義感に突き動かされていくのは痛快だった。そして、訴訟相手のデュポン。こいつらの悪どさったらない。最後にデュポンが仕掛けた嫌がらせというか対抗策は本当に胸くそが悪くなるものだった。テフロンの裏にこんな訴訟があったんだな。やはり無知は怖い。
だから爽快感は低め。でもデュポンへの怒りを溜め込むには十分な作りだった。そして、最後に原告やロブ本人たちが登場するのは若干のサプライズ。あれ、本人だったのか!
世界を変えて、動かすのはは1人の人間の良心と倫理観から始まるのです...
世界を変えて、動かすのはは1人の人間の良心と倫理観から始まるのですね。
その正義感、職業倫理が共振して支える人がでてくる♪
日本の弁護士の方々は、この映画を観てどう言う印象を持つのだろう?
少なくとも、私がいままで関係のあった弁護士にこんな人物は皆無だった。
実話の20年・・・長かったろうな。
夫婦共カソリックと言う点に日本人にはなかなかわからないメッセージも込められているのかも?
ウエストバージニアと言うだけで、差別される文化もあったのですね。
B級ホラーのようなオープニングに騙されるな
実話ベースの作品は救いがないので好きではないのですが、いい感じに盛りが効いていて楽しめました。
被害者本人やデュポン、ダウ・ケミカル、3Mなど実名で実在の企業名もでてきますが、創作と実話が非常に良い具合にブレンドされていて普通に映画として楽しめるのではないでしょうか。
特に演出が光るところとしてはヘリコプターが飛んでくるところで、伝聞ではそれほど恐怖を感じるような話でもないはずなのに芝居とカメラワークなどの演出で物凄く怖いシーンになってます。
台所や地下駐車場などのかなりこすられた演出もありますがホラーのような手法が良い緊張感を生んで飽きさせずに観ていられます。
ホラーといえば、まさにB級ホラーのテンプレートのようなオープニング。冒頭でぶっ放すことでその後のホラー演出を受け入れて見られるようになった気がします。
衝撃的な映画でした、「テフロン製品を捨てよう」と思いました。
まず、本映画を製作・主演したマーク・ラファロに敬意を評したいと思います。とても勇気ある行動です。国家や巨大企業の隠蔽工作について描こうとすると、何かと圧力があると思います。特にスポンサーありきの映像産業においては致命的な結果を招きかねません。しかも相手は世界的な大企業であるデュポンです。アリが巨像に向かっているのと等しいです。日本のフィルムメーカーであったのなら、絶対に立ち向かわないでしょう。こういう映画を作るアメリカのフィルムメーカーに気高い生き様に胸を打たれました。もちろん、実在の弁護士であるロブ・ビロット氏には尊敬以外の気持ちは湧きません。わたしたちの身の回りには多くの有害な化学物質があると思いますが、すべてを防除できないでしょう。であるなら、情報を入手して、できるだけ安全安心な生活が営めるように日々、アンテナを張り巡らせるしかないと思いました。
『運だぜ!アート』のluckygenderでした
マイクロアグレッション
企業対個人で個人が勝つには猛烈な代償を伴うが何とか勝つという希望のあるストーリーなのだが、キャストに黒人差別を感じる。(出世思考の若い黒人弁護士、嫌みを言う黒人裁判官など)
この監督は社会問題を扱う人のはずだが、残念だ。
水俣に繋がる作品
人間の命をレセプターと呼ぶ企業の狂気に震撼した。
エリンブロンコビッチのような作品と思って見に行こうか迷ったが
勇気のある良い作品だった。実際の患者さんも実物で登場したり驚いた。
弁護士さんと関係者に敬意を表したい。どうか人命重視の世の中に変わりますように☆
亡くなった方、苦しんでいる方が少しでも報われますように☆
1998
前提知識は特になく鑑賞しました。
タイトルの通り、廃棄物により発生した汚水から発見された有害物質により、人々や牛などの動物が苦しみ、それらを引き起こしたデュポン社を訴えるために戦う実在の弁護士の方のお話です。
全体的に救いがあると思いきや、救いがなく、解決したかと思えば、大企業は駄々をこねる、というサクセスストーリーとは程遠い、常に重い空気の流れる脚色されたフィクション作品でした。
その重い空気が物語に大切な事は分かるのですが、いかんせんテーマも辛いのもあり、個人的には序盤の方から疲れてしまいました。10年以上経過した話から少しずつ安定して観ることができました。
周りの人々から厳しい目で見られる主人公が、それでも被害者たちをなんとしてでも救うために奔走する姿、そんな夫を全身全霊で支える妻の姿がとても魅力的でした。
現在もなお続いているこの事件、なんとしてでも大企業は罪を認めたくないのはどの国も共通項なんだなと苦虫を噛み潰したような感覚になりました。ハルクとワンダーウーマンが一般人としての生活を送っているシーンを観れたのは思わぬ儲けものです。
鑑賞日 12/20
鑑賞時間 18:30〜20:45
座席 I-7
ホラーより、怖いわ。
マークラファロ、アンハサウェイ、ティムロビンス、実話と来たら見るでしょ。
ラファロの抑えた演技が実話である事を強く観てる僕らに訴えてくる、、、怒ったら顔緑色になっちゃうしね(^-^)
アンハサウェイもいつも面白い映画に必ず滑り込んでて凄いと思う。
調停や話し合いのシーンでデュポンのCEOも出てくるんだけど、あまりに長期隠蔽してたから当事者意識ゼロ。怒りのぶつけどころが具体的に見えてこない巨大企業の恐ろしさ。司法のスキをついてかわしてくる。じわじわと時間切れ、引き伸ばし、分断を誘導していく。
なんか最近見た映画のなかで一番怖かった。
派手なことは何も起きないのに、なんでこんなに怖いんだろう。子供の頃、いやつい最近までテフロン加工のフライパンはわりと身近にあったからだろうか?
20年ちょっとまえ辺りからテフロン加工のフライパン空焚きすると有害物質がでるとか、ヤバさは伝わってきてウチでも使うのやめたの思い出したわ。
つまり僕らもある程度汚染されてるわけだ。
都内の上映館もう少し多くてもいんじゃないかな?
不毛
物語で登場人物が大きな力と戦う時、何度となく「絶望」に襲われる。
もちろん主人公がその力に負けていては話が進まない訳だが、それにしても、これが実話で、こうも次々と苦難と絶望に見舞われると、やはりその意義や正当性よりも「タフさ」の重要性が際立ってくる。
この主人公はまさにその「タフ」を象徴しているが、彼もまたこの戦いの中で健康や安全、家族との時間や関係を危険にさらしている。
この戦いで仮に勝ったとして、彼らや被害者たちは何を手に入れるのかを考えると、結局のところ「失った時間や健康や人間関係や大事な人は帰ってくることはない」という虚しさに行き着かざるを得ない。
こんな不毛な戦いでも、次の生活、次の世代のために、やはり我々は勝ちを求めるしかないという皮肉。
現実の被害者が未だに戦い続けている現状で、ハリウッドスターでありながら、社名や人名など、実名を使った作品を手掛けたマーク・ラファロの思いには頭が下がるし、同じく名のある俳優陣が参加している辺りも、エンタメの持つ力を信じている彼ららしさにあらためて感服する。
世界的超巨大企業の闇と闘う一弁護士の姿を通して現代という時代の危うさを照らし出した社会派映画の良作。
①一企業の(社会的な)罪を暴く話の向こうに、我々現代人が「便利さ」「豊かさ」の代償として支払っているものに思いを馳せさせられて暗然とする。②巨悪に個人が立ち向かい最後に逆転勝利を掴む、と映画を観ているものとしてはスカッと行きたいところだか、現実は相手が超巨大企業や政府機関等であればあるほど闇は深く一筋縄では行かない。ロブが、結局個人が自分を頼りに闘って行くしかない、という結論に達するところはせつなくもあるが、ラスト、それでも3,535(だったかな?)件の訴訟に怯まず立ち向かっている姿がこの映画に希望をもたらしている。③言論の自由・表現の自由があり、こういう映画を作れる我々の社会は一方で様々な問題が山積しているとはいえやはり有難いと思う。最近とみに言論・表現の自由を今まで以上に抑圧してきている某国家に比べると。④マーク・ラファロは、もともと上手い人ではあるが、ロブの人物造形が素晴らしい非常な好演。それと、偶々ではあろうが『フォックスキャッチャー』ではデュポン家の御曹司に射殺されるレスリングコーチの役で、本作ではデュポンの隠蔽工作を暴き告発する弁護士の役と、映画の上で敵討ちをしているようで面白い。⑤アン・ハサウェイは『魔女がいっぱい』で大いに笑わせてくれたが、ここでは自己をしっかり持った知的な良妻賢母を確かな演技力で好演。⑥懐かしやメア・ウィニンガムがすっかりオバサンになって登場。⑦トッド・ヘインズの静謐で抑制の効いた演出が題材に良く合っている。現代のアメリカ映画界で信頼できる監督の一人。
事実に基づく物語
惜しいと思う。ノンフィクションではなく、the story based on factであるのだから、デュポン側や州政府側の内幕も描けばもっと良くなったと思う。デュポンの苦悩もみたかった。
もっとも当事者をキャスティングしたりして、ノンフィクションに近い演出が狙いなのだろう。
今年はコレクティブ、グレタ、リトル・ガールというノンフィクションでありながらとてもおもしろい映画があっただけに、フィクションとしての演出があると良かったと思わせたかもしれない。
実話ベースと言う事もあってハデなシーンは無かったけどこんな事実があった事に驚き。
米国デュポン社の開発したテフロンの製造工程から出る廃棄物。
これが動物や人間に影響を及ぼす事を弁護士のロブが孤軍奮闘しながら真相を究明していくストーリー。
一人の民間人からのお願いにロブが大手企業と法廷で争う展開。
デュポン社の人体実験に近い行為や隠蔽の事実に驚き。
ロブがデュポンにより殺されそうになるシーンにハラハラ。怖い。
ロブの正義感が素晴らしかった。
ラストに本人達が登場。
心の中で「ご苦労様」と言ってしまいました( ´∀`)
NOT CRAZY
世界屈指の化学企業デュポン社による有害物質PFOA/C-8の流出による環境汚染と、それに立ち向かい明るみにした弁護士の話。
1998年に大手弁護事務所で企業弁護士として働くロブのもとに、祖母の知り合いという牧場主が大量のビデオテープを持ち込んだことで始まって行くストーリー。
鍋やフライパン等の表面処理に使われるテフロンはデュポン社の登録商標で、これに使われる有機フッ素化合物がPFOAですね。
さら~っと程度しかこの事件のことは知らないで観賞したけれど、超巨大企業の力を使いPFOAの存在や危険性を隠蔽使用とするデュポン社と、元は企業弁護士である主人公が住民の為、そして家族の為に障壁に立ち向かっていく様は、なかなかサスペンスフルで面白かった。
ただ、主人公の抱える生い立ちのこととか、公判そのものの描写は結構駆け足で、もう少し深くみせてくれても良かったのかなと感じで、プロパガンダが主なのかなという印象。
こんなはっきりした悪が今も野放しとは
テフロン加工のフライパンは憧れでしたが結局親が存命の時は買うことなく、自分が料理することになってティファールのチタンコーティングのフライパンを購入。今も焦げつかず重宝しています。
こんな事を書くと裁判長に「ここはテレビショッピングではありませんよ」と言われそうですが、みんなが知っているテフロンが猛毒の代名詞だったと知って戦々恐々としています。こういった環境問題を取り上げる映画は、得てして対岸の火事で、「アメリカ大変だなあ」「日本でも悲惨な地域あるんだな」という感想でしたが、自分が使わなくてもどこかのお店で使っているかもしれないものがこんなに危険で、しかも数十年も前からわかっているのに法的に問題ないから健康被害出てても大丈夫ですとか訳のわからないことが2021年現在でも続いていることが恐怖でしかありませんでした。
アン・ハサウェイはマーク・ラファロをほとんど怒るばっかりの役でちょっともったいないなと思いました(笑)
【四つの物語】
デュポンは、この映画の最後の場面の年、つまり2015年にダウと経営統合し、その後、当初予定されていたことではあったが、事業再編のうえで2019年には3社に分割されている。
デュポンとダウは公には否定するが、このテフロンを巡る問題の大きさが窺い知れる措置だった。
訴訟、賠償費用だけではなく、ブランド価値にも大きなダメージを抱える事になったのだ。
この作品は四つの物語で構成されていると思う。
(以下ネタバレ)
一つめは、当然、環境を考えることだ。
二つめは、企業のコーポレートガバナンス。
三つめは、規制を含めた社会の法律システム。
最後は、家族の物語だ。ロブの家族はもちろん、被害者となった人々の家族の困難を考えなくてはならない。また、ロブの妻サラが言うように、孤独だったロブには法律事務所は家族同然だったのだ。
この物語は、20年に及ぶ、被害者と、それをサポートしようと奔走するロブたちの長い戦いの記録だ。
映画「MINAMATA」でも描かれたように、企業は自らの過失を認めようとしない傾向は強い。
もし、政府が規制に関わっていれば、政府も同様だ。
監督官庁はもちろん、企業誘致に関与していれば政治家も同じだ。
こうしたなか、被害者は孤独な闘いを強いられる。
だから、ロブのように寄り添い一緒に闘う人は必要なのだ。
昨今、環境負荷を考えて、規制に先んじたルール作りが企業に求められるようになってきている。
人々の監視が強くなっただけではなく、問題があれば一気にネットで拡散されて、企業イメージに傷が付いてしまうからだ。
言われのない誹謗中傷などのリスクもあるが、ネットの功罪で言えば、功の方だろう。
しかし、より専門的なものや、新しく開発されたものなどは、検証は十分とはいえない。
僕は、いつの頃からだったか、このテフロン問題を知り、テフロン加工の、特に、フライパンは使わないようになった。
映画にも出てくるPFOA(=パーフルオロオクタン酸)の有害性の影響範囲は非常に多種多様で、ガンや肝臓疾患、先天性の発達障害、甲状腺疾患など、とてつもなく多くの病気を引き起こすことが分かってきたからだ。
人々が無知だからではない。
こうした悪影響を隠すから、こうしたことが起こるのだ。
アメリカ人の99%の血液に、分解、排出されないPFOAが見つかっている。
錆び付かず、洗い上がりもキレイなフライパン。
家庭料理の味方だ。
この作品には、2人の被害者が出演している。
もっとも印象に残る人物の明るい演技に目頭が熱くなる気がした。
日本にも、被害者は多くはないから良いのだと思っているのか、隠蔽やデータ改竄はあちこちで問題になってある。
安倍晋三の森友問題は、突然、国が赤木さんの訴えを認め、うやむやにさせまいと多額の賠償金を設定したのにもかかわらず、裁判を一方的に終結させた。賠償金は国民の税金から支払われるのだ。
企業景況感調査や、最近の建設統計データの改ざんもそうだ。
河井夫妻への1億5000万円の支出指示は、安倍晋三がやったのではないのか。
僕には、デュポンの問題も、水俣の問題も、安倍晋三の問題も、根っ子は同じにしか見えない。
こうした作品は、観て、アメリカひどいねで終わるのではなく、身の回りに、類似した問題がないのか、冷静に見渡すための作品のような気がする。
オバマ前々大統領は、8年目、大統領最後の年に、汚染された川の水を使った水道水を飲めるのかと迫られ、少し舐めただけでは終わらせたため、支持率が下がる事態になったことがある。民主党候補のヒラリー氏がトランプに負けた理由の一つだという人もいるくらいだ。
悪徳企業や政治家は悪知恵を働かせて、どんどん賢くなるのに、人々が凡庸なままで良いはずがない。
最後の余計なトピックも含めて、僕は、そんなふうに思う。
責任を背負った男の話
現実に起きた巨大企業による環境汚染事件。
利益の追求に邁進するとこのような恐ろしい事になる。
企業は利益を追求するためには
社会に対して大きく責任を背負うことになる。
マーク・ラファロ演じる弁護士は企業が背負うべき責任を
追求するだけじゃなく、自らその責任を背負う。
身体・精神がボロボロになるまでその責任を全うした。
マーク・ラファロの真剣な演技とプロデュースに
この作品にかける責任感を強く感じました。
大企業の不正を暴く映画もあの手この手と試行錯誤。
大企業デュボン社の環境汚染問題を追求する弁護士の物語。この種のたぐい映画も、裁判に勝利してめでたしめでたしで終わる、とはいけないようになって来ている。今回は20年に渡る裁判を続ける弁護士の苦悩に焦点が当たっている。勝訴しなければ金が入らないし、相手も大企業なのでいろいろ画策してくる。その重圧で、病になるのも仕方ないだろう。この手の映画も作るのが難しくなって来ているようだ。
アメリカの良心は健在
アメリカの司法にまだ良心が残っていた。巨大企業デュポンに対して、戦う武器は法律と忍耐と執念。そんな弁護士ロバート・ビロットの物語だった。
時系列に忠実に進んでいく構成だったが、ちょっとテンポが悪い。すいません寝落ちしました。家族のエピソードを省略してデュポン側の対抗策をストーリーにもっと盛り込んだらドラマとして面白くなったと思うんだけど。
ところで、テフロン加工のフライパンの安全性は?
何が一番の驚きかといえば、
今も闘っている、ということです。
テフロン加工のフライパンはまだ売られていて(スーパーなどでも売り場にありますよね?)、剥がれたり溶解した成分についての安全性基準などはそれほど明確に定まっていない。
という現状認識でいいのでしょうか。
もちろん、直接川に垂れ流すようなことはさすがに規制されていると思いますが、いくら微量だとしても、食物連鎖も含めて人体に蓄積されていく化学物質の影響は子や孫の代になって現れることもあるし、『今だけ金だけ自分だけ』の人たちとの長期戦は、並の体力、並の精神的耐久力では継続できません。
敬服するばかりです。
それにしても、といつも思うのですが、『MINAMATA』のチッソといい、この映画のデュポンといい、どうして人は組織の管理職として振る舞う時、倫理観や良心に基づく判断よりも、非人道的な方を選択してしまうのか。
個々の事例を見れば、保身とか目先の利益とか様々な圧力とか誰かへの忖度とか、それなりに理由は見つかると思いますが、傾向としては、『マトリックス』における青いカプセルを選んでしまう(体制側の提供する環境の現状維持)。
赤いカプセルを選び、内部告発や社内改革に挑む選択肢もあるのに、それを取る人があまりに少ない。
元々優秀な人が会社から有能と認められてトップに上り詰めるうちに倫理観や公正さがどんどん削られていく。
そんな構図があるのだとしたら…大企業では、創業者でもない限り、ただの〝いい奴〟は偉くなれないですね。
(余談)
①日本で、現役の人の人生をドラマ化するとしたら、この前宇宙に行った前澤さんあたりが有力な候補ですかね。
生い立ち→起業→成功→突然の引退→宇宙→❓
②マイケル・ムーア監督(ハリセン近藤じゃねーよ、の人)が暴いたオバマ大統領の、水を飲んだフリ事件を思い出しました。
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