劇場公開日 2020年3月14日

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「モダニズム建築の個性や味わいが物語の重要な一部をなす異色作」コロンバス ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0モダニズム建築の個性や味わいが物語の重要な一部をなす異色作

2020年3月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

なんだろうこの穏やかな感覚。一筋のやわらかな光がスーッと胸に差し込んでくる静謐さ。様々な状況を抱えた二人が出会い、タバコの煙を吹かせながら言葉を交わしあう。そうやって一時停止した人生が、もう一度動き出すというありきたりな物語の流れなのに、彼らの背景としてこの町並みがあるだけで、もっと言えばモダニズム建築の存在があるだけで、こんなにも深みと余韻が生まれるのか。

映画において建築物は、外見的、機能的にも大きな役割を果たすことがある。本作も未来を思わせる斬新な外観で観る者の意識をハッとさせつつ、昼と夜とで印象を変える表情を楽しみ、また屋内に入るとさらに別の特性が垣間見えてくるあたりが興味深い。まるで人間のキャラクターみたいに特別な味わいや存在感を残す建築たち。遠くに見える医療施設の渡り廊下のように、本作もまた何かと何かをつなげてくれる架け橋のよう。大きく深呼吸した時の心地よさが広がっていった。

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牛津厚信