劇場公開日 2020年2月21日

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「今の時代に「チャリエン」を作るということ。」チャーリーズ・エンジェル バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0今の時代に「チャリエン」を作るということ。

2020年3月20日
PCから投稿

オリジナルのドラマ版と、ドリュー、キャメロン、ルーシーの映画二本(リブートのドラマも一瞬だけあったが)、どれを「チャリエン」とすべきかは議論すべきところではあるけれど、おそらく00年代の映画二本は、いまの時代では受け入れられないのではないかと思っている。ガール・パワーを打ち出し、アクションにも挑んだことは当時としても新しかったし、楽しませてもらったが、根本的なところで「女たちは可愛くてバカっぽいのが一番」というメンタリティからは逃れてはいなかったように思うからだ。

そして今回の新「チャリエン」は、完全に今の時代に向いている。極端なほどに。例えば数々の変装(コスプレ)シーンも男目線のお色気サービスに決して寄ろうとはしない。冒頭から「色仕掛け」を否定するところから始まっているのも、作り手側の決意表明だろう。そうやって枷を設けたことでプロットに無理が生じているのは確かだし(それでなくても穴だらけのプロットではあるが)、フェチ要素が減ってつまらないと感じる人がいるのもわかる。が、現代における「チャリエン」としては、この路線の方が、男の視線を前提とした時代よりもはるかに風通しがよく、痛快だと思う。ダメなところ、物足りないところはいっぱいあるけど、そのリベンジも含めてどうかこの体制でシリーズを続けて欲しい。

村山章